〜STORY 76 5月19日 拾参 〜
「申し訳ございません優希様?少しお話があるのですが……」
「ん?どうかしたの晴菜さん。…何か心配事でもあるの?」
すぐ後から付いて来ていた晴菜はさっきまでの笑顔が嘘かのように曇っていた
「心配事というか…少し聞いていただきたい事がありまして……よろしいでしょうか?」
「うんいいよ。ごめん飛香に璃玖に滝川さん、少し待っててもらっても良い?」
不安そうに尋ねてくる晴菜の上目遣いが可愛いなと不謹慎ながら思ってしまったことは心の中にしまいつつ優希は晴菜と共に道路の反対に設置されたベンチへ向かった
飛香は例の如く文句がありそうだがあまりことを長引かせて密かに企んでいる優希との夜のデートの時間を遅らせたくない為、ここは大人しくすることにした
「(ふふ…楽しみだなぁ〜♡この後ゆ〜ちゃんとご飯行って!その時にゆ〜ちゃんの飲み物の中にお酒を仕込むの!!そんでそんでふらふらになったゆ〜ちゃんをホテルで解介抱するの!……やだ、想像しただけで涎が……)」
「ちょ、ちょっと仁科さん!?女の子が公衆の面前で涎なんか垂らして恥ずかしくないの!?これだから知性のかけらも無い人は……」
いきなりの出来事にまさにこの世のものとは思えないものを目撃した表情を浮かべる友梨は自身の腕を抱き悲鳴を上げる
余程気持ちが悪かったのだろう…
「この女に知性なんか求める方が無理難題だよ委員長。彼女は恐らく僕達人間とは違う成分でできた地球外生命体なんだよ…関わらない方がいい」
「そうね…人間の私には手に負えない問題ね」
「誰が地球外生命体よ!!」
向かい側に待っている3人がかなり騒がしくしておりその光景を目撃した通行人の人達が回れ右をしてしまっている
分からなくはないが当の本人達が身内という事がかなり恥ずかしく思ってしまい、なるべく振り向くまいと優希はそう感じた
「それで晴菜さん。話ってn……」
ガチャ!バタン!ブオー!!
「「「…………は?」」」
一瞬の出来事に言葉を失ってしまった3人
話があると晴菜について行った優希はなんの合図もなしに突如現れた黒い車に乗った大柄の男達に連れられて行った
「はぁ……もうなんだって良いわ。修学旅行は何があってもあなた達と同じ班なんてごめんだわ」
「ゆ……ゆ〜ちゃんが……二人きりのデートが……」
友梨は特に気にした様子もなくそのまま駅に一人で向かい優希とのデートを密かに画策していた飛香から魂が出ていた
「う〜んしてやられたなぁ……やっぱりあの女が一番厄介かな?」
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