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〜STORY 71 5月19日 八 〜

「滝川さんは真面目だから学級委員でいいよね?」


「え……?」


クラスメートの女の子から言われた何気ない一言

この一言が滝川友梨という人間を構築したと言っても過言ではない


「友梨?本をたくさん読むのは良いことなのだけど、たまにはお外でお友達と遊んだらどう?」


「………【フルフル】」


友梨は幼い頃から本が大好きで暇さえあれば常に本を読む程の読書好きで家では勉強するか本を読んでいるかの二択になり両親も少し心配になったらしい


「もう…その調子じゃいつまで経ってもお友達はができないわよ?」


「(お外なんて暑いだけで本の世界みたいに面白いことが起こるわけじゃないし、そもそも運動音痴の私が皆と楽しく遊べるわけないもん……)」


身体が弱く病弱というわけでは無くむしろ健康体で産まれた友梨だが赤ん坊の頃から家の外に出ただけで泣き出してしまいその名残が残ってしまい知識を蓄え続けた結果が本の世界と現実世界は別物と早い段階で気づいてしまった

小学校の昼休みも必ず図書室で過ごしクラスメートと遊ぶことは一切無かったこともありクラスにいても気づかないほど影も薄くなってしまった


「あっ!今日も来たのね友梨ちゃん」


「こっちおいで友梨ちゃん!お姉さんと一緒にご本読みましょ?」


「滝川さんは勉強熱心で偉いわね。今度先生のオススメの本を見繕ってあげるわね?」


そん状態でも全く気にする事なく友梨は毎日のように図書室に入り浸るようになりそんな友梨を高学年の図書委員や担当の先生からは可愛がられた

そんな中、初めて委員会に入る小学4年の春友梨は常に大好きな本のある場所にいられる図書委員になろうと思っていたが他の生徒からクラスメートの女の子から言われた言葉だが今でも友梨は鮮明に覚えている


「滝川さんは真面目だから学級委員でいいよね?」


「え……?」


学級委員はクラスの行事の際は中心となって取り組んだり、先生からの雑用を任されたりと仕事は他の委員会と比べても量が倍以上に多い

その上休み時間も無くなってしまうこともあるので昼休みは図書室に行きたい友梨にとって自分の大好きな時間を奪われるのは回避したいと始まる前から考えていた


「でも……私は……」


拒否しようと顔を上げるとクラスメート全員が友梨に視線を向けていた

しかもその目は「お前空気読めよ」と物語っていた

結局友梨は学級委員になってしまい昼休みに本を読む機会が半分以下となってしまった


初めは雑用の仕事や司会進行などやりたくも無い仕事ばかりで一時は学校に行く事自体嫌になったのだが次第に仕事をこなした後の達成感やクラスメートから頼られる事への優越感が癖になってしまい友梨は翌年の委員会決めの際は率先して学級委員に立候補した

その頃には学級委員がきっかけで友達も増え、図書室には学級委員の仕事や授業で訪れる以外全く行かなくなってしまった

読んでいただき誠にありがとうございました!


もし良かったら高評価、ブックマーク頂けたら幸いです!


あと感想や作品についての意見など頂けたら作品力向上に繋がるので是非お願いします!!


では次回もお楽しみに!!

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