〜STORY 66 5月19日 参 〜
「イラッシャイイラッシャイ!ココの天津甘栗ヒジョウにウマイヨ!!ゼタイにオススメダカラクルガヨロシ!!」
「オキャクサン!ソイツのハナシホトンドウソダカラキカナイホウガイイネ!!ウチの天津甘栗サイコウにウマイカラウルがキチネ!!」
「「!!!!!!!!!」」
お互いの胸ぐらを掴み合い喧嘩し出した甘栗屋の店主二人
向かい合わせに店を構えたのが10年前でその時以来ずっと喧嘩が絶えないらしい
しかし毎日どちらかの家を訪ねては酒を酌み交わしているほど仲が良いのだがどうして商売になると喧嘩になるのだろうか?
「行きましょう優希様。あのような野蛮な方達と触れてしまっては優希様の品まで下がってしまいますわ」
「あ、ははは……」
班行動になりまず初めに訪れた美術館を後にした優希達が次に訪れたのは横浜屈指の観光地【横浜中華街】
小籠包や天津甘栗をはじめとした中華料理や三国志で有名な関羽の木造が神様として祀られていることで有名な関帝廟が人気の歓楽街だ
「甘栗買うならここのレビューも悪くは無いのだけどこの先にはネット評価4,3を獲得した店があるよ?そっちの方に行こうか」
「う〜ん…最悪甘栗は帰りに買えたらいいから僕は小籠包とか食べたいな。前ニュースの特集で中華街の小籠包がすごい美味しいって特集見てから気になっていたんだ」
璃玖の提案に悩みつつ頭の中に浮かんできたのはキャスターが食べようと瞬間に肉汁が弾ける小籠包が脳内に浮かんできた
あの光景を思い出すだけでお腹が鳴ってくる
「それじゃああっちに小籠包売っていたから行きましょうか…」
「異議ありですわ!!」
友梨の提案に静かにしていた晴菜がギラリと目から鋭く光ると提案に猛反対した
「優希様には私が調べ上げた最高の小籠包を提供してくれる
お店をご紹介させていただきますわ。」
晴菜はどこからかタブレットを用意するとタブレットの画面にはTVや雑誌に何度も紹介された店【龍泉庵】の記事が載っていた
その記事の中には有名人やスポーツ選手などもお忍びで食べに来るほどの人気を誇っているらしい
ただ一つ問題があるとしたら……
「あの…晴菜さん……?このお店〜どう見ても100円200円で料理が食べれるとは到底思えないんだけど?」
「はい!ご心配には及びませんわ!!」
優希は恐る恐る訪ねてみると晴菜はニッコリと微笑み
「お父様から拝借したこのカードがあれば何も問題ありませんわ!!」
晴菜の財布から黒いカードが出てきた
よくセレブ達の特集でも名前が出てくるクレジットカードの最高峰、所謂【ブラックカード】だ
優希もTVなどでしか見たことがなくせいぜい見たことがあるとしたら椿が持っている【ゴールドカード】くらいだ
「だ、ダメよ!!高校生がカードを使用して飲食をするなんて……」
「あら?これは【校外学習】ですのよ?将来クレジットカードを使う私が使用方法を学ぶのに何が問題なのでしょうか?」
真面目な友梨が反対するが晴菜は得意気にその意見を論破する
晴菜の意見に優希は「なるほど。一理あるな」と言わんばかりに納得していて晴菜は嬉しかったようで更に押してくる
「行きましょう優希様!!美味しい小籠包は目の前で私達を待っておりますわよ!!」
「よし行こう!!楽しみだなぁ〜」
ク〜とお腹がなった優希は今後食べれる事はないであろう小籠包を食べたいと思い即座に入り口へと向かっていく
横では当然ご満悦の晴菜が優希の腕にくっつきながら店員と話し始める
「優希が良いなら僕も御相伴に預かろうかな」
そんな優希の後ろをピタッとくっついていく璃玖
「ちょっと!まだ私の意見が……って置いてかないで!!」
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