〜STORY 60 5月10日 四 〜
「じゃあお兄ちゃん達も来週の金曜日に遠足があるんだね」
夕食時、優希の隣に座る奏音は今日のメインディッシュである鶏肉の塩麹焼きを一口する
塩麹の味付けが通常の塩で味付けするよりも旨味が増すのと優希が塩麹を好んでいるというのもあり椿は塩麹の料理の頻度を優希が飽きない程度に作っている
「はぁ、その日はゆうちゃんにお弁当を作ってあげれないのね…悲しいわぁ〜」
おかわりのご飯を山盛りに装って渡しながら椿は悲しそうに呟いた
優希から校外学習の話を聞いた当初は手作り弁当を持たせようとしていた椿なのだが流石に荷物になると奏音に止められてしまい先程からしょんぼりしてしまっているのだ
「あはは、まぁでも毎日椿さんには美味しいお弁当を作ってもらってるわけだしその日位はのんびり休んでよ」
優希はおかわりのご飯を貰うと塩麹焼きをご飯に付けてから頬張る
そして続け様に塩麹が付いたご飯を食べると普通に食べるよりも非常に美味で美味しい
優希も椿の作る弁当は大好きで正直食べれないのが残念ではあるがやはり荷物になってしまうのは否めない
「そうよ。まぁ…お兄ちゃんの部屋に忍び込む時間を無くせばいつもはもっと遅く起きれるんじゃない?」
「そんなのだめ!絶対にだめよ!!もしゆうちゃんと寝る事が出来なくなるくらいなら私死んだ方がマシよ!!」
奏音の言葉がよっぽど嫌だったのか椿は座っていた椅子を倒してしまうほどの勢いで立ち上がると頭を抱えて叫んだ
一緒に寝れなくなるのがよほど嫌なのらしい
そうなると修学旅行など家を開ける場合はどうなるのか気になった優希は直接聞いてみることにした
「あ、あのさ…母さん。その……修学旅行とかはどうなっちゃうの…かな?
優希は内心椿は行かせないとか付いていくと言うと思っていた
そんな優希の気持ちを他所に椿はゆっくりと口を開くと
「え?もうホテルの予約は済ませているよ?」
「「…………まじ?」」
予想外の言葉に驚いたのか食事中にも関わらず固まってしまった優希と奏音
てっきり付いていくと駄々こねるのだろうと思っていたのだがもうそこまで段階が進んでいるのかと驚きを隠せない
「そ!だから夜は寂しくなったらゆうちゃんを部屋に連れ込むからね!」
「だ、ダメよ!そんなことしたらお兄ちゃんの迷惑になるでしょ!!」
奏音が正気を取り戻し椿の奇行を止めようとする
「あら?奏音はお留守番でいいの?奏音も一緒に行くと思っていたのに……」
「…………ママの監視は必要だもんね」
最後の砦が崩れた瞬間を目撃した優希はこれ以上の追及は無意味だと諦めた
「(まぁ……寧ろ奏音がいる方が安心できるかな?」)」
後ろでは修学旅行が待ち遠しくなりどんな水着を着るか
どうやって二人きりになるかを考えていた
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