〜STORY 58 5月10日 弐 〜
校外学習
児童・生徒が実地で見学や体験などをおこなうことを目的として、外部施設等に出かけて学習する。生活科・社会科・理科・体育などの授業の一環として、または特別活動や総合的な学習の時間の一環として実施される。一般的には、1時限~日帰りの 短い外出を指し、宿泊研修・林間学校・臨海学校・職場体験学習・修学旅行などの長期の校外学習はそれぞれの行事名・学習名で呼び習わされる。また、学校行事としてではなく、校外学習を組み込んだ1日間の校外学習は遠足と表面上呼び習わされることがある。
机上の学習よりも見学・体験によって理解を深め、関心を高めることが期待される事象に対して実施される。
「はぁ…もうこの時間になってしまったのか……」
担任の寺田は6限目のHRをビクビクしながら待っていた
教員になって20年の月日が過ぎ数多くの経験を積んだ寺田は周りの教員から頼られる様になった20年目の今年優希のいる2−2クラスの担任を務めることになってから寺田のストレスはヒートアップしていた
優希の言うこと以外まるで話を聞かない眞田晴菜
隣のクラスなのに隙あればすぐにクラスに邪魔しにくる仁科飛香
一見大人しそうだが元凶の確率の高い武田璃玖
そして必ず問題の中心にいる北条優希
この生徒達の存在が寺田のゴリゴリとすり鉢で下ろすかの様に神経をすり減らしていた
教室の前に立つと寺田は不安な航路を落ち着かせるため目を瞑りフーッと深呼吸をする
教員になって初めての授業参観や教育委員会のお偉いさん方の前で行う特別授業の際も寺田は同じ様な落ち着く方法を実践し見事乗り越えてきたのだ
「(落ち着け…大丈夫だ。いつも通り冷静になって生徒と接すれば何も問題はない。……あの子達はよっぽどのことがない限り触れなければいいだけのことだ)」
自身の頬を三度はたき、十分に気合いを入れると教室のドアを開ける
すぐ近くの生徒に挨拶をして教壇に立った
大抵の生徒は寺田が来るまで携帯ゲームで遊んだり漫画を読んだりおしゃべりをしたりしているがそんな小さなことでは怒らないと寺田は決めている
「はい、では6限目のHRを始めます。今日は皆さんが当校の2年生となって最初の校外学習です。2学期に行われる修学旅行の練習も担っていますのでそのことはお忘れなき様にお願いします」
9月の末に行われる高校生活史上最も大きなイベントである沖縄への3泊4日の修学旅行が行われ、今学期に行われる校外学習は観光地の沖縄での班行動で問題がない様にするための言わば予行演習でもある
「おっしゃ〜!浅草だ!!何食おうかな〜!!」
「ね〜ね〜!渋谷のメランコ店のタピオカめっちゃバズってるよ!?行こ行こ!!」
生徒はそんな校外学習の話が出た途端そのことで頭が一杯となりすぐ様教室は賑わいでいた
「はいはい静粛に〜。それではこれから班を決めますので4〜6人グループを作ってください」
2−2教室は合計で36人の生徒で構成されているので理想としては9班構成が理想だ
15分が経ち黒板には決まった班のメンバー構成が書かれていくと寺田の元に学級委員の
滝川友梨がやってきた
「先生…クラスの学級委員としてクラスの問題児である北条くん達を監視する必要があるのですが?」
友梨はいまだに写真撮影をしている璃玖や晴菜の方を横目にしながら提案する
「そうですね…そうしてもらえるのでしたら私も安心です」
学級委員としてクラスで一番のしっかり者の友梨に優希達を任せられるなら寺田も安心だと快く承諾した
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