〜STORY 47 4月30日 壱 〜
4月最後の日曜日、時刻は午前7時頃となっている
優希の母親である椿は新学期に入って1ヶ月間勉強にバイトと忙しい毎日を送る愛しい我が子のためにこの日曜日は車を出して優希の好きな海の見える観光地【江ノ島】へドライブしようとこの数日間椿はどの店に行くか、どのスポットに行くかと考えに考えたのだったが…
ザーッ
「……嘘でしょ?」
運が悪いことにこの日は今年一番の大雨を記録し江ノ島で営業している水族館や殆どの店舗が休業となってしまった
こうなってしまっては水族館でも海でも行っても何も楽しめず寧ろ愛する優希を怪我させかねないことも分かっている椿は今日は家で大人しくすることに決めた
「はぁ〜っ!!行きたかったなぁ……行ってゆ~ちゃんと美味しいもの食べて綺麗な海の景色見たかったなぁ……」
1ヶ月間頑張った優希へのご褒美を踏まえているのだが椿本人が一番優希と行くのを楽しみにしていただけあって一番ショックを受けていたのもその椿本人だった
「はい。あったかいコーヒー」
肩を落として落ち込む椿の座るソファーの後方から優希が湯気を立たせるほどあったかいコーヒーの入ったマグカップを差し出してきた
昨日、椿より【江ノ島】に行くことを告げられた優希も大好きな海の見れる【江ノ島】行きをかなり楽しみにしていたのであまり眠れていなかったのだが、今日の豪雨を目の前にして【江ノ島】行きがキャンセルとなり優希自身かなり落ち込んでいたが自分以上に落ち込む椿を見たくない優希は椿を少しでも励まそうとするのだった
「あまり落ち込まないでよ椿さん。確かに今日いけないのは残念だけど次の機会に行けばいいんだしさ。」
「ゆ~…くん?」
顔を上げる椿の表情は今にも涙を流しそうなほど暗く悲しい表情をしていた
そんな表情が見ていられなかった優希は咄嗟に椿に抱きしめた
細い身体なのに当たる場所は柔らかいなど色々な思考が過るが今はそれどころじゃない
「泣かないでよ椿さん。僕と椿さんは家族なんだからいつでも行けるじゃないか!!」
優希は頭を撫でて椿を慰める
子供っぽく単純だが椿には最も有効で最も喜ぶ方法だったりする
反応があまり無く悪手だったかな?と優希は思うが本人はニッコニコの笑顔で機嫌を良くしていた
その様子が見れた優希は安堵の息をつく
「ゆ〜くんったら私を口説くなんて立派になったわね〜!いいわ、私をゆ〜くんの恋人でも妻でもするなり好きにしていいわよ?」
「僕は椿さんに元気になって欲しいのであって母親の椿さんに恋人や奥さんになって欲しいわけじゃないからね!?」
椿が機嫌以上に大興奮を起こしてしまった
恐らく脳内がショートしているだけであろうと思いたい
優希は自分の母親が自分の息子をを口説いている理由が少し驚いてしまい脳内がびっくりしたからだとあって欲しい
「んふふ。変に大人ぶらなくてもいいのよ?私はいつだってゆ〜くんに尽くす準備はできているもの」
椿はそう言うと抱きしめていた優希を優しく押し倒すと身に着けていた衣服を少しずつはだけさせると椿の艶かしい素肌が少しずつ丸見えになっていく
優希は椿から視線を逸らし見ないようにするが椿は優希の顔を逃がさないとばかりに押さえてくる
「ちょ!何考えてるのさ椿さん!!見えちゃう!椿さんの身体が見えちゃうから!!」
優希も椿をはがそうと怪我しないよう優しく抵抗するが椿が体重を掛けている分まったく振りほどけない
「そうね。今日は1日家にいるわけなんだしこのまま私と子作りしましょうゆ〜ちゃん♡……いえ、旦那様♡」
「だから僕は息子だから子作りなんて出来ないって!!だから脱がないで椿さん!」
優希の言葉も虚しく椿の衣服の殆どが脱げ椿は下着姿だけになってしまった
黒の下着が椿の身体を更に魅惑的に見せるほどの威力だった
「さぁ……始めましょうあ・な・た……」
「お兄ちゃんに何してるのママ!!服も全部脱いだりしてはしたないでしょ!!」
下着さえ脱げる一歩までいった所で妹の奏音が椿をを優希から引き剥がすと手際よく椿に衣服を着せるのだった
一瞬の出来事に奏音に一切抵抗することが出来ずにいた
「ほらっお兄ちゃん。今日は私の部屋で遊びましょ?さっきまでのことも詳しく聞きたいしね……」
「ちょ、ちょっと待ってってば奏音!」
奏音は椿から解放され一連の経緯を眺めていた優希を強引に自室へと連れて行ってしまった
リビングに残された椿はしばらく呆然としていたが優希に入れてもらったコーヒーを一口飲むとはぁっと一息ついてマグカップを置くとリビングを出て行った
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