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〜STORY 28 4月13日 参 〜

時刻は4時過ぎとなり、今年度最初の活動として第一、二図書室の清掃及び整理が行われることとなった

先程の件の罰として飛香と晴菜は範囲が広く且つ重量の本がが割とある第二図書室の一角を任せられていた


「全く!!ゆ〜ちゃんとは別々になっちゃったし範囲は広いし作業する相手はよりにもよってあんただし!!今日は最悪ね!厄日だわ!!」


「喋ってる暇があったら手を動かしてくださる?(わたくし)、一刻も早くここを終わらせて優希様(あるじさま)のもとに行かなくてはなりませんので…」


苛立つ飛香をため息をつきながら答える晴菜の前方には窓越しではあるが同じ班となった先輩と楽しそうに作業している優希の姿が映っていた

いくら自身が優希を想ってした事とはいえそれで優希と離れ離れになってしまっては意味がない

今後は優希と一緒に居られることを最優先にしようと考え、晴菜は再度溜息をつく


「はぁ〜ゆ〜ちゃん成分が無くなる〜。こんな事ならあんたと喧嘩なんかしなきゃよかった!!」


「全くですわ……」


飛香はふと晴菜の方に視線を移す

お嬢様ということもあり立ち姿は凛々しく、髪もとても綺麗に保っており、喧嘩の際近く強過ぎずそれでいて自身の邪魔とならないほどの香水の香りが悔しいが良い匂いだなと思わせる


「(強敵……よね。でも……)」


晴菜も飛香の方に視線を向ける

言動は荒く時々だらしなくも見えるが隙がない

優希の側に行こうとすると必ず側におり先に居ても必ず後から来て側から離れようとしない

何よりだらしないように見えてもそれが全て優希へのアプローチとなり令嬢として育てられた自分には絶対にできない行為である


「(何よりあの胸が憎たらしい……でも……)」


「「(わたくしの方がゆ〜ちゃん(あるじさま)にふさわしい!!)」」


お互いがお互いの相手に圧勝したらしく二人は気づけば勝ち誇ったように笑っていた

現実の相手はなぜか笑っているが気にしない

所詮、空想だろうと現実だろうと相手に勝つに決まってると確信しているから


「ふふふ、仁科さん。よろしければそちらの作業から一緒に行いませんか?二人でやれば作業効率が格段に上がりますわよ?」


「あはは、そうね!それじゃあこっちが終わったそっちの作業もしましょうか!」


「えぇ!お願い致しますわ。」


その後作業は二人が笑いながら行なっていた為、巡回に来た担当教諭の山中先生はその光景がまた恐ろしい事が始まるのかと怖がってしまいすぐに部屋を出たのだった


「二人共、お疲れ様。」


「ゆ〜ちゃん「優希様(あるじさま)!!」」


共闘作業が始まって30分が過ぎ、優希成分が残りわずかになってきて少しずつ苛立ちを見せていた2人の元にで優希本人がに手伝いにやってきた


「こっちの作業は終わったから先輩達に飛香達を手伝っていいって許可とったから手伝いに来たよ」


「まぁ……優希様(あるじさま)ったらなんてお優しい…さぁどうぞこちらへ……」


「ほらっ!ゆ〜ちゃんこっちこっち!もうゆ〜ちゃん成分が切れそうでやばかったよ〜!!」


優希は苦笑しつつ二人が思いの外、仲良さそうにしていたのが嬉しかったのか笑顔で二人の元に足を運んだ


「……いや、近すぎなんじゃないかな?」


二人は優希にピタッとくっついたまま作業を始め、はたから見ると優希のみが作業しているように見えるが作業の邪魔にならないようになっている


「「栄養補給だから(ですから)」」


「あ、うん。そうなんだ……」


その後監視に来た山中はその光景を見てため息をつきその場を離れるのだった

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