表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/266

〜STORY 26 4月13日 壱 〜


優希様(あるじさま)本日もお疲れ様でした。」


6限目の授業も終わり今日の放課後より委員会が始まるので事前に委員長より指定された持ち物を確認していたところ同じ委員会に入った晴菜が話しかけてきた


「晴菜さんこそお疲れ様。今日から委員会だけど持ち物の方は大丈夫?」


「もちろん!抜かりはありませんわ!!」


そう言って晴菜は笑顔でパンパンに詰まった手提げ袋を両手で優希に見せた

ちなみに指定された持ち物は筆記用具にメモ帳、それに自分が気に入ってる本、面白い本を持ってくることになっている

晴菜の手提げ袋には片方は大きな本が詰まってるのか平たくなっておりもう片方は筆記用具と本数冊が入っているとは思えないほど大きくなっている

例えるのなら正月や運動会のお弁当などで出てくる重箱のようだった


「その…晴菜さん。凄い量だけど何が入ってるの?」


「うふふ、こちらはお父様やお爺様に頂いた西洋美術が描かれた本でこちらがお母様から頂いた文学作品となっていますわ」


「とてもお気に入りなんですの」と晴菜は袋から本を一冊優希に差し出した

なんて書いてあるか分からないが晴菜曰く15世紀を代表する画家たちの画集らしく晴菜は幼い頃に外国で父が買ったものを譲ってもらったものらしい

中を見ると絵画の横に説明が書かれてるのだが現地の言葉でしか書かれていない為優希にはなんて書いてあるのか理解できなかった


「す、凄いね……ちなみに晴菜さんはこれ読めたりするの?」


「いいえ?私は絵を楽しむだけで文字は読んだりはしませんの」


お嬢様でも理解できない言語の方が多いらしい


優希様(あるじさま)どんな本をお持ちになられたのですか?私とても興味がありますの!!」


「僕?僕はミステリー小説とか、サスペンス小説を数冊持ってきたよ。家で音楽聴きながら読むのが結構好きなんだ」


晴菜に渡したのは通常の文庫サイズではなく単行本サイズのものだった


「文庫サイズのものよりも単行本(こっち)の方が読み易いから僕は買うとしたら単行本(こっち)なんだ」


「まぁ!この方の作品でしたら(わたくし)も何度も拝見させていただいてますの!優希様(あるじさま)と共通の趣味が出来るとは嬉しいですわ!」


晴菜は感激のあまりかその場でぴょんぴょんと跳ねながら喜びをあらわにするが自分の手に本を持っていたことを忘れていたため足元に落としてしまった


「あっ!……わ、(わたくし)としたことがはしたないです。申し訳ございません優希様(あるじさま)!!【アセアセ】」


恥ずかしいところを見られてしまったのか晴菜は顔を赤くし優希に見られないように下を向いたまま本を拾う


「ううん、僕は別にはしたないとは思わないし本が晴菜さんの足元に落ちなくてよかったよ。」


優希は晴菜と一緒にしゃがみ落ちた本を拾い晴菜の手提げ袋にしまう


「…あ、ありがとう…ございます優希様(あるじさま)


一瞬惚けた顔したがまた下を向いて顔を隠してしまった


「(はぁ〜……優希様(あるじさま)♡なんてお優しい方なのでしょう。)」


晴菜の顔はさっきと同じように顔を赤くしていたが優希にはまだ恥ずかしいのだろうと思われているが晴菜の心はとても満たされていた


一方の優希も晴菜の慌て具合に驚きつつも笑みを浮かべていた


「……(いつもは凛としている晴菜さんがはしゃいでるなんて珍しいな。お嬢様だけどやっぱり素は僕たちと同じ高校生だもんね……ん?)……っっ///!!【バッ!】」


「?どうかされましたか優希様(あるじさま)ってきゃっ!?【バッ!】」


本を拾うのに夢中になっていた為晴菜も意識してなかった為しゃがみ込んだ状態の優希の目線から晴菜のスカートの中が見えてしまっていた(リボン付きの白らしい)


「……み、見えました?」


「う、うん。……その、ごめんなさい。」


「いえ、いいんです。それに見られたのが優希様(あるじさま)で良かったですから」


晴菜は恥ずかしそうに頬を染めるも優希に笑顔を向ける


「お父様から殿方が……その……こういうことがお好きということは聞いております。」


そう言うと晴菜はその場で立ち上がりスカートの裾を掴んだ


「ちょっ!?晴菜さん!?何して……」


(わたくし)優希様(あるじさま)にならいくら見られても構いませんわ。ですのでどうか(わたくし)の事をもっと見てくださいませ」


優希が止めようとするもすでに時は遅く

晴菜は恥ずかしそうにしつつも意を決したように摘んでいたスカートを更に持ち上げスカートの中を優希だけに見えるように見せた


「あっ……あっ……」


「ふふふ。優希様(あるじさま)のお優しいお顔も素敵ですが優希様(あるじさま)がとても動揺されるお顔も大変素敵ですわ♡さぁ……もっともっと(わたくし)を……」


「な〜にしてるのかしらぁぁぁ〜!!【ガシッ】」


晴菜が優希に更に近づこうとすると後ろからゆらぁと背後に忍び寄ってきた飛香が晴菜の肩を掴んでいた


「あ、あす……飛香!これは違うんだ!」


「ゆ〜ちゃんのバカ!!こんな女のパンツ見て顔真っ赤にしちゃって!!そんなに見たいなら私がいつでも見せてあげるのに!!」


興奮気味に自分のスカートをめくり上げる飛香(ちなみに色は青と白のストライプだったりする)


「まぁはしたない。(わたくし)は確かに優希様(あるじさま)の為ならいつでも構いませんが優希様(あるじさま)に迷惑がかかってしまっては本末転倒でございます。そのような事がお分かりにいただけないなんて……悲しいですわぁ【はぁっ】」


「なんですってぇ!!?」


「ちょっ!!落ち着けって飛香……」


「これで落ち着けるわけないでしょ〜!!!」


結果として、委員会が始まるまでの間晴菜と飛香の喧嘩に巻き込まれる優希だった

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=992342980&s
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ