~STORY 229 8月20日 ⑮~
「おぉ〜!ここが晴菜さん家の別荘か!!」
優希は車から降りながら眞田家所有する別荘を眺める
石垣島に降り注ぐ太陽に照らされた真っ白な高級別荘からはプライベートビーチが広がっていた
ビーチはTVで見るような白い砂浜が広がっていて海も透き通るほど透明で魚たちが泳ぐ姿がばっちり見えた
「私もこちらへは久々に来ましたので見るのは久しぶりですわね」
晴菜はミニスカートを靡かせながら車から降り立った
その姿はまさしく深窓の令嬢でその後ろに立つ礼がいると尚更姿が極まって来る
「私もお嬢様としか来たことがありませんのであんまり思い出はありませんね」
「いやここは思い出話をする流れじゃないんですか?」
二人の荷物を運び込みながら礼はこの別荘の思い出を語ろうとするがあんまり思い出がなかったようだ
「そもそも私はあまり別荘に行きたいという気にならないんですよね。来ても数分で飽きてしまいまして、すぐ家に帰りたくなってしまいますの」
「さ、さすがはお嬢様って感じだね…。僕ら庶民とは感覚が違うや……」
「ですが今回は優希様が一緒ということでとても楽しいのですわ。来慣れた場所でも優希様がそばに居てくれるだけで新鮮でとてもいい気分なんですの」
「そ、そうなんだぁ…///僕でよければいつでも付き合うよ?」
「ほ、本当ですの!?嬉しいですわ!!」
晴菜は今回の旅行がとても楽しいことを顔を赤くしながら優希に言うと、優希も照れながら自分の素直な気持ちを告白する
優希も晴菜と一緒にいる時間が楽しく気に入っている
「まぁ、良かったじゃないですかお嬢様。優希様は“いつでも”付き合ってくれるそうですよ?」
ニヤニヤと妖艶な笑みを浮かべながら晴菜を見る礼
二人のこの初々しい様子はいつ見てもたまらないようだ
「な、何言ってりゅんですか礼さん!!つ、つつつつt付き合うというのは優希様は旅行に付き合ってくれるんですよ!?」
めちゃめちゃに噛みつつも満更でもない表情を見せる晴菜
どっちに転んでも晴菜は大好きな優希と一緒にいられれば嬉しいのだ
「あ、あの…僕少し中の様子を見てきてもいいですか?」
恥ずかしくなった優希は別荘を指差しながら見て回りたいことを二人に言う
恥ずかしい気分を発散したいのと単純に見たい気持ちの二つの感情が重なったのだった
「畏まりました。私達も中に入って待ってますのでごゆっくり堪能してきてください」
「あ、ありがとうございます!では行ってきま〜す!!」
晴菜から許可が出て優希はダッシュでビーチの方へと走っていった
そんな優希の背中を眺めながら二人は話し始めた
「礼さん…。あまり揶揄わないでください……。興奮して優希様の前で冷静にいられないですから…。」
「あはは〜すみません。でもお嬢様が裸で誘惑したらすんなり交際ができたりするかもしれませんよ?」
「あ、優希様はそんなふしだらではありませんわ!!」
「いや…優希様が誠実とはとてもじゃないですが言えないですよ…?」
「私も言っててそう思いました……。」
優希の夏休みの行動を晴菜は全て把握しており優希がふしだらであることを否定することが出来なかった
「それじゃあ今日の夜は一才配信したり邪魔したりしないので頑張ってくださいね?頑張って優希様を手篭めにしてくださいね?」
「が、頑張りますわ…。因みに礼さんは私と優希様が結ばれることに何とも思っていないんですの?」
「私は人として優希様を気に入っておりますよ?あの可愛らしいお方が私の主人となって毎日楽しませてくれるのなら悪くないなって思いますよ」
「そ、そうですか…。まるで優希様に恋しているみたいなように見えるのは気のせいですか?」
「ふふふ、女性として勝負いたしますお嬢様?自分の一言で自分を縛る羽目になってしまいますよ?」
「や、やめてください!!ただでさえライバルが多いというのに更に強力なライバルが増えるのは勘弁ですわ!!」
「でしたら私が惚れないように優希様をメロメロにしてくださいね?」
「は、はい!!」
そうして石垣島は夜に包まれていったのだった
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