~STORY 200 8月10日 ③~
「そうそう、じゃあ次の問題は…うん。さっき使った公式を応用してみて…はい、これも正解よ」
勉強が始まって二時間程が経過して優希と葵はさっきまでのふざけ合いが嘘だったかのように集中していた
「はい、数学はこれくらいにして次は日本史にしましょうか」
「日本史って僕結構好きなんですよね。やっぱりというか定番になるんですけど戦国時代は実際に体験してもいないのにまるで僕がそこにいたかのような感じがしてドキドキするんですよ」
優希はよく日曜8時からHNKの某歴史ドラマを毎週欠かさず観るほど好きで見逃さないよう念の為再放送分は録画して結果的に2回観てしまうくらい好きだった
「そうなんだ〜。私も歴史は好きなのよ?(私…あまり戦国時代って好きじゃ無いのよね…。その時代なのだから仕方ないのだけど戦の度に死傷者が出ちゃうしやっぱりそこはどうしても好きになれないのよね…)」
葵も引き攣った笑顔をしながらそう優希に答えたのだが葵は歴史自体そこまで好きではなかった
勉強の為に覚えてきただけで古臭い感じや死傷者が出る戦が数多くある歴史は葵にとっては興味のかけらも無いまま過ごしてきたのだ
「(私歴史あまり好きじゃ無いんだ〜……なんてゆうくんの前で言ってみなさい葵?きっとあなたはその子から愛想尽かされて嫌われるに決まってるわ!!)」
〜仮に言ってみたとする〜
「ご、ごめんなさいゆうくん…。私あまり歴史って好きじゃないの……。ち、血とかよく出てくるじゃない?それがどうしても好きになれなくて……」
「ご、ごめんなさい!ぼ、僕ってば葵さんの気持ちも考えずにベラベラと…ごめんなさい……」
「そ、そんなゆうくんが謝ることなんて……」
「そっかぁ…葵さん歴史好きじゃ無いのか…じゃあそういう話は他の子としようかな?」
「ま、待って!ゆうくん!!」
「さようなら葵さん。今までありがとう」
「ゆうくん!ゆうく〜〜〜ん!!!!」
ガン!!!
「うわぁ!?び、びっくりしたぁ…!ど、どうしました葵さん」
突如机に額を打ちつけた葵に優希は飛び上がりながら葵を心配する
そりゃ勉強に集中してるときに先生が自分の机に頭突きしてきたら誰だってびっくりするだろう
「な、なんでもないの。ゆうくんは気にしなくていいからテキストに集中して?」
「は、はい…わかりましたぁ…」
葵はそう言って思い足取りのまま部屋から出て行ってしまった
「葵さん…大丈夫かな?もしかして疲れてるのかな?」
優希は葵の状態を心配する
葵の大学生活の内容をほとんど知らない為、どうして葵がそうなってしまっているのか優希には分からなかった
「疲れてるんだよなぁ…よし!葵さんにあれしてあげよう!!」
あることを閃いた優希は葵が戻ってくるまでに課されたテキストの問題を片付けることに集中したのだ
ちょうど問題は優希の好きな戦国時代の内容だったのでスラスラ答案が埋まっていった
ジャー バシャバシャ キュッ
「ふぅ…少しはスッキリしたかな?口…匂っていないかしら?」
葵は息が匂わないか掌に息を吐いて匂わないか再度確認する
吐いた息からは仄かにミントの香りがして問題はない
「念の為…少し磨いておこう。少し匂うなんて…ゆうくんに思われたら終わりだわ【シャコシャコシャコ】」
しかし念には念を重ね、葵は歯ブラシを手に取り歯を磨き始めた
〜数分後〜
「【はぁ…】うん!これなら問題ないわね!!」
ようやく納得できる仕上がりになった葵は再度鏡で身だしなみをチェックしてから優希の待つ部屋へと向かった
「あっ!お帰りなさい葵さん。テキストを終わらせてお待ちしていましたよ」
「えっと…ゆう…くん?これ…は……?」
部屋に入ると優希は葵のベットの上で正座して待ち構えていた
「ご、ごめんなさい。やっぱり人のベットの上にお邪魔するのは無礼ですよね…」
「い、いえ…それはゆうくんなら全然問題ないしいつでも上がっていいし、いつでもそこで寝てもらってもいいのよ?でも…ゆうくんはそこで何してるの?」
優希の意図がいまだに分からず葵は目をまんまるにしながら立ち尽くしていた
「はい。葵さんが少々お疲れだと勝手ながらそう判断した僕は葵さんの疲れを少しでも癒やそうと僕の膝枕を葵さんに提供と考えました」
優希は自分の太ももを摩りながら葵に膝枕を提案した
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