~STORY 196 8月7日 ⑨~
「え〜?あたしは別にゆ〜ちゃんがヤリ◯ンでも側にいるってゆ〜ちゃんに約束したからもう奏音ちゃんがゆ〜ちゃんの面倒を見なくても良いのよ?」
口では嫌そうに言いつつも全く嫌そうにしていない奏音に飛香は全く気にせず奏音に優希を譲るよう優希の腕を取る
「私は〜、どんなゆうちゃんでも愛し続ける自信があるし〜、奏音ちゃんがそんなにゆうちゃんの面倒を見るのがめんどくさいのだったら別に良いのよ〜?私が24時間365日ゆうちゃんの面倒を見るわ〜」
飛香に続いて椿も優希の腕を取って甘やかす気満々の姿勢を取った
元々優希の面倒を過保護のようにしているので優希的には変わらないだろうなぁと思っていたが口に出すのも野暮なので黙っていた
「だ、ダメですよおば様!ゆ〜ちゃんの面倒はあたしが見るんですから!!」
優希の腕を自分の方に引きながら飛香は椿に対抗する
今までの飛香なら優希のモテように怒り脇腹を抓りあげる所だが今の飛香には少しばかり余裕があった
二人が超えた壁の先にはやはり大きくなれるものがあったようだ
「ん〜私もゆうちゃんの面倒見たいから〜、ここは公平に私と飛香ちゃんで交互にゆうちゃんをお世話するのはどう〜?これなら私も飛香ちゃんも満足できると思うけどどうかしら〜?」
「あっ、それならあたしも賛成です!ゆ〜ちゃんのお世話の為に学校やバイトに加えて日常生活もお任せくださいお義母様!!」
飛香の様子に椿も冷静に対応した椿は平等に優希の面倒を見ようと提案する
飛香も椿の意見に賛成し、椿のことを普段呼びの“おば様”から“お義母様”呼びした
椿は数秒固まると…
「う〜ん…まだ飛香ちゃんに“お義母様”って呼ばれたくないわね〜。」
どうやらお気に召さなかったようで飛香に“お義母様”呼びをやめるように言う
「ちょっと!二人で話をまとめようとしないでよ!!お兄ちゃんのお世話は奏音がするから二人とも邪魔しないで!!」
蚊帳の外に追いやられていた奏音は腕に抱きつく椿と飛香に詰め寄りながら自分も優希の面倒を見ると宣言する
「だって奏音ちゃんゆ〜ちゃんの面倒を面倒臭いって言ってたじゃない?そんな面倒臭がりながら面倒を見るならあたしに譲ってよ?あたし面倒だなんて思わないもん」
「そうよ奏音ちゃん〜。ゆうちゃんの面倒は私に任せて奏音ちゃんは新しい恋が見つかるように努力してね〜」
しかし奏音の発言をしっかり覚えている椿と飛香は面倒がりながら優希の面倒を見ようとする奏音を拒絶する
「か、奏音だって…お兄ちゃんの…面倒みるん……【グスッ】」
「あの〜?流石に仲間外れは可哀想だし奏音も混ぜて欲しいのですが…」
今にも泣きそうになっている奏音が不憫に感じた優希は二人に奏音も混ぜてくれないかと頼み込む
「奏音も素直じゃないところが出ちゃってるだけだから実際は奏音も真摯に面倒見てくれると思うんだよね…って、僕って三人に面倒みてもらわないといけないくらいポンコツだったっけ?……なんかテンション下がってくるなぁ…」
奏音を庇うつもりが自分の評価を下げていることに気づき一人で落ち込むのだった
「心配しなくてもゆ〜ちゃんは昔からポンコツだったから今に始まったことじゃないよ?」
「そうね〜。ポンコツなゆうちゃんもまた可愛いから私は好きよ〜」
「お兄ちゃんは奏音がいないと何にも出来ないからね〜」
「僕のポンコツは昔から公認だったの!?」
そして優希がポンコツであることをあたかも当然のように言う三人に優希は絶叫する
「はぁ…疲れたし少し部屋で休んでくるよ。お世話の順番は皆に任せるよ…」
「あっ、じゃあさっきと同じようにあたしが膝枕してあげるよ!ゆ〜ちゃんあたしの膝枕好きでしょ?」
優希は溜息を吐くと自室で寝ようとすると飛香も優希の後を着いていく
しかも飛香は優希に膝枕をすると言っているのだ
飛香の膝枕の効力は優希も実際に飛香の家で体験している為、とても飛香の提案が魅力的に思った
「(飛香の膝枕ってとっても気持ちいいんだよなぁ〜。)」
「だめよ飛香ちゃん〜!ゆうちゃんの枕は私のこのおっぱいがあるのだから必要ないわぁ〜。ゆうちゃんだって私のおっぱい大好きだもんね〜?」
飛香に対抗するかのように椿も優希の枕を志願する
しかも飛香の膝枕よりも段違いに柔らかい椿の“おっぱい枕”だ
優希は椿にして欲しいと一度たりとも言ったことが無く、椿が勝手に優希のベットに潜り込み勝手に枕となったのだがその枕の効力は凄かった
起きる時に優希の頭は雲に覆われているようにふわふわに包まれて寝起きがとても良いのだ
「(椿さんのおっぱい枕……すっごい柔らかくてふかふかなんだよなぁ…)」
「だ、だめよ!そんなことしたらお兄ちゃんが狼になっちゃって二人を襲っちゃう!ここは奏音がお兄ちゃんと一緒に寝てお兄ちゃんを監視する!!」
奏音も対抗しようとするが悲しいことに奏音が対抗できる武器は自分の顔のみだ
飛香や椿よりもスタイルは幼く、誘惑など到底出来ない
だから奏音は“添い寝”という戦法に出たのだった
これならば優希を監視出来る上に大好きな優希と一緒に眠れると二度美味しいのだ
「えっとぉ…どうしようかな……あはは」
優希は名乗り出る三人の誰を選べば良いのか分からずただ笑うしか出来なかった
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