〜STORY1 4月5日 壱〜
本編第1話です
ヤンデレヒロインというと勝手の偏見ですが血のイメージがあるのですが、私自身がチキン野郎なので
本作品では血の出る描写は出さず、あくまで合法的に主人公を争う事を信条にします
「…ではこれにてHRを終了します。皆さん、明日から授業が始まりますので
予習しておいてくださいね?」
1学期最初のHRが終了し、僕のクラス2年2組の担任の前田先生が教室から出て行き、
教室では部活に行く者や帰宅する者で賑わいを見せるのであった
「ふぁ〜……やっと終わったか〜」
「お疲れ優希。って随分眠そうだねw 昨日は寝れなかったの?」
「お〜璃玖かぁ〜」
眠気を覚ます様に体を伸ばしていると後ろからクラスメートの【武田璃玖】がやって来た
璃玖は僕達が小学校低学年の頃からの付き合いでグレーのショートカットにアホ毛が2本あるのが特徴的な僕の1番の親友だ
「新学期の初日だから早く寝るって言ったのにつば・・母さんが全然離してくれなくてさ。」
「・・まだお母さんの事を椿さんって言わないといけないんだ」
僕の母親である北条椿は僕が高2になってもずっと子離れが出来ず(というよりする気が全くなく)家にいるときもいつも側に来てくっついてくるのだ
そして高校に入った頃からかなぜか自分の事を名前で呼ばさせるようになった
「…僕だって普通に母さんって呼びたいんだけどそうすると母さん拗ねるから・・」
最初は僕も自分の母親のことを名前で呼ぶことに抵抗があり、なんなら反対していたのだが一貫して辞めようとせず最終的に僕が折れて現在の形になったのだ
本人は呼び捨てがご所望らしく一度【母さん】と呼んでみたところあからさまに拗ねてしまい、一晩母さんと一緒に寝ることで機嫌は良くなってくれたが、その際母さんに裸で迫られたので二度と【母さん】と呼ばないと誓ったのだ
「あははっ、まぁでも優希はお母さんのこと嫌ってるわけじゃないんでしょ?」
「そんなの当然だろ?僕を産んでくれた母さんに感謝はすれど、なんで嫌わないといけないのさ。」
腹を痛めて自分の母親に反発するほど僕は親不孝者じゃない
普段から何かとキスして来ようとしたり抱きついてきたりする母親だけど……
「そっか〜優希は優しいんだね。そんな優希の事、僕は大好きだよ!!」
満面の笑みを浮かべる璃玖を見てクラスの女子の数人から歓声が上がった
璃玖の顔つきは中性的というより若干女子よりの可愛い顔つきをしている為なのか
女子からの人気が高く、璃玖のファンクラブも存在するほどだ(会員数は500人で他校の生徒も会員に入れるらしい)
「す、好きって!…璃玖さぁ〜あんまり好きとか公衆の面前で言わないほうがいいよ?」
ただでさえ璃玖と話しているだけで女子からすごい睨まれるし、以前は仲良くしてた所を目撃されてからひどい八つ当たりを受けたこともあり、これ以上辛辣な目にはあいたくないよ
「あはは、ごめんごめん。じゃあ次からは優希を抱きしめながら愛を囁いたほうがいいかもね」
璃玖は満面の笑みで超弩級爆弾を投下して来た
「お、お前僕の話全然聞いてないだろ!!」
ほら見ろ!辛辣どころか殺意の目に変わっているじゃないか!!
耳を澄ますと廊下から拳を叩く音が聞こえる
きっと璃玖の親衛隊(非公認)が僕を撲殺する為に待機しているのだろう
「(…ふふっ、毎回毎回新鮮な反応で本当に優希は可愛いなぁ…あぁっ……ほんとうに 愛おしいなぁ…)」
女子からの殺意に怯える僕を尻目に璃玖はコロコロと笑っていた こいつ 僕をからかって楽しんでいるな こっちは命の危機に瀕しているというのに!!
「ゆ〜ちゃん!!一緒に帰ろ〜!!」
女子からくる殺意を受け流しつつ帰りの支度をしていると一人の女子生徒が入って来た
僕の幼馴染で栗色のショートボブが似合う【仁科飛香】だ
「飛香・・頼むから皆の前で【ゆ〜ちゃん】はやめてよ・・恥ずかしいよ」
「だってゆ〜ちゃんはゆ〜ちゃんだもん!そ・れ・に・!照れるゆ〜ちゃんとっても可愛いからやめたくないんだもん!」
そう言って飛香は僕の腕をを抱きしめてくる
飛香は僕が幼稚園くらいの時に近所に越して来て以来の付き合いなので
璃玖よりも付き合いが長い。そのためなのか飛香は僕に対する距離が異様に近い
「ちょっ!飛香!人前で抱きつかないでってば!!」
「だ〜め!!それにゆ〜ちゃん?私のことは【あ〜ちゃん】って呼んでって言ってるでしょ?ほらほら!あ〜ちゃんって呼んで呼んで!!」
「だからそれはやだって言ってるでしょ!」
そして距離が近い上に飛香も僕の事をからかってその反応を見るのがとても好きらしく事あるごとに僕をからかって楽しんでいる
ちなみに僕は小学校まで飛香の事を【あ〜ちゃん】と呼んでいたが、
中学の当時のクラスメートにからかわれたのがきっかけで【飛香】と呼ぶようになった
それ以来飛香は何かにつけ自分のことを【あ〜ちゃん】と呼ばせたがるのだ
「ふ〜ん? そんなこと言っちゃうんだ〜?」
飛香は不敵に笑いながら更に抱きついてきた まずい!何する気だ!?
「そんな悪いこと言っちゃうゆ〜ちゃんは〜〜こうだ!!」
その瞬間僕の腕に抱きついていた飛香がいなくなっていた
「あれ?どこ行ったのあす…?」
先程まで抱きつかれてた左腕を向こうとした瞬間
「・・・・【フゥッ】」
「ひゃあ!!」
いつのまにか反対の右側に隠れており、僕が左を向いた瞬間右耳に息を吹きかけてきた
僕は見事に引っかかり変な声を出してしまった
「あははは!【ひゃあ!!】だって!も〜〜ゆ〜ちゃんの反応はいっつも可愛いからついついからかいたくなっちゃうんだよね!」
「だ、だから僕をからかうのはやめてってば!!」
耳まで真っ赤になっていた僕をみて飛香はお腹を抑えながら笑っていた
「優希は反応が面白いなぁ……。今度僕もやってみようかな?」
「か、かわいくなんかにゃいし!や、やりょうとしゅるな!!」
反論しようにもすごい噛んでしまった
「「(か、可愛いなぁ〜 しかもカミカミだし)」」
うぅ〜みんなからの視線が痛いよ
女子生徒からは璃玖と仲良くしていることへの嫉妬のような辛辣な視線が刺さるし
男子生徒からは飛香と仲良くしていることへの妬みの視線が刺さるし
廊下からはサンドバックを叩く音がしてきた まずい!飛香の親衛隊(非公認)まで集まってきた!!
飛香の親衛隊(非公認)はなぜか体育会系 しかも格闘系が多いので度々スパーリングと言う名の制裁に参加させられる
「はぁ……それで何の用だよ飛香。僕はこれから帰ろうとしているのに」
頬を紅潮させたまま飛香に尋ねる
「ん?何ってゆ〜ちゃんと一緒に帰るつもりだから迎えに来たんだよ?それでそのままお昼ご飯も食べに行こうよ!」
昼かぁ〜流石に腹減ったし、母さんにはちゃんと説明すれば問題ないよね?
それに飛香や璃玖と一緒に帰れば親衛隊(非公認)から逃れるはずだし…
「うんいいよ。 あっ、璃玖も一緒に行こうよ!どうせなら皆で食べたほうが美味しいし何より楽しいしね!」
「え?いいの?嬉しいなぁ……ありがとう優希!!」
そう言って礼を言われながら抱きついてきた璃玖 お腹が空いていたのだろうか…?
「そんなの当たり前だろ? 飛香だって皆で食べたほうが楽しいよね?」
「・・・・・うんいいよ!」
少し間があったような気がしたが飛香も笑顔で了承してくれた
「あっでもその前に…ねぇ、武田くん。少し話があるんだけどいいかな?」
「ん?僕に?いいけど、優希を待たせるのもなんだし手短に頼むよ?」
「大丈夫大丈夫!そんなに時間かけるつもりもないし!じゃあゆ〜ちゃんはここでいい子に待ってるんだよ?寂しかったらすぐに私を呼んでいいからね?」
「はいはい。」
そう言って2人は教室を後にした
「よぉ〜北条!!ちょ〜〜っと俺たちと遊ぼうや!!」
親衛隊(非公認)と入れ替わる様に……
〜3階空き教室〜
「それで、はなしってな……」
ガン!!
璃玖が話しかけた途端に飛香は璃玖の後方の壁を思いっきり殴りつけた
「ちょっ!いきなりなんなのさ!危ないじゃないか!!」
「…私はゆ〜ちゃんと2人っきりでご飯に行きたかったのに!なんであんたが着いてくんのよ!!!」
よく見ると飛香の目は充血し、口からはギリギリと歯ぎしりする音が聞こえた
殴りつけた右手を見ると血が出ている 皮が裂けたのだろう
「なんでも何も君も聞いていたはずだよ?優希が僕を誘ってきたんだ。文句があるんだったら優希本人に直接言えばいいんじゃないか?」
飛香の怒鳴り声にビビることなくあっけらかんとしている
その目は優希といる時の優しい目ではなく明らかに飛香を見下すような目をしていた
「ゆ〜ちゃんは優しい天使なの!あんたみたいな蛆虫でも平気で優しくする天使だからあんたを誘ったのよ!ゆ〜ちゃんは何も悪くないわ!悪いのはあんたよ蛆虫!
そもそもあんたが気を使って断っていれば私はゆ〜ちゃんで甘い甘い逢瀬を楽しめたのに!あんたがいるから楽しさが半減するじゃない!台無しよ!死ねクズ!!」
興奮して口調が悪くなる飛香
普段共に過ごす優希には絶対に見せたくない飛香の本性なのである
「はぁ…きゃんきゃん騒がないでほしいなみっともない……それに何が逢瀬だよ。
結ばれてもいない優希をなんで君が独占するのか僕には理解し難いね」
「んなっ……!」
「それにそんなにくっつかないでほしいな。せっかく優希の匂いに包まれていたのに君みたいなゴミクズがまとわりつくせいで台無しだよ。」
「きゃっ!!」
そう言って璃玖は飛香を後方へと突き飛ばした
「くっ…殺す………絶対殺す!!」
突き飛ばされ尻もちをついた飛香が璃玖を睨みつける飛香の顔つきは先ほどよりずっと憎悪が増していた
「ふ〜ん?やるのは別に構わないけどさ」
璃玖の視線が自分ではなく廊下の方を指していた
油断させて自分を攻撃する算段だと思い視線は璃玖に向けたまま耳を傾けると
「お〜い!璃玖〜!飛香〜!どこ言ったの?〜?お腹減ったから帰ろうよ〜」
愛しい優希の声だった
すぐに戻ると言ったものの少し時間がたっていたので自分たちを心配して探しにきてくれたのだろう
「(そっかぁ…心配になって私のことを探しにきてくれたのね!はぁ……ゆ〜ちゃん好きゆ〜ちゃん好き!ゆ〜ちゃん大好き!!)」
そう思うと自然と飛香の顔は憎悪で満ち溢れていた修羅のような顔つきから
一気に恋する乙女の顔つきに変化していった
「なにニヤニヤしているのかはわからないし聞きたくもないけど折角優希が僕の事を探しにきてくれたことだしここまでにしておこう。」
「寝ぼけたこと言わないで蛆虫。ゆ〜ちゃんはこのわ・た・し!を探しに来たのよ?」
優希が近いためか小声で蔑みあっている
本当は優希は2人を探しにきたのだが2人は自分に都合のいい様に解釈にしている
「いい?今回は一緒にご飯を食べる事を特別に許してあげるけど、万が一でも私とゆ〜ちゃんの楽しいひと時を邪魔してくれるんじゃないわよ? もし邪魔するようならタダじゃおかないからね!!」
「ははっ、優希をまるで自分の恋人のように思ってるようだけど優希は君のものじゃないよ。君はただの幼馴染さ。優希は外でもない僕のものだ。」
少し頬を染めながら言った璃玖はいつも見せる笑顔とは少し違う笑顔を見せた
ガララッ
「あっ!いたいた!もう2人ともいつまで話してるんだよ!早く行こうよ!僕お腹減っちゃったよ」
少しして優希が2人のいる空き教室へ入ってきた
制服が若干破れていて、汚れているのは親衛隊(非公認)たちと遊んでいたからだろう
「ごめんね?ゆ〜ちゃん。一人でいて寂しくなったから私のこと探しにきてくれたのね?嬉しいわ!」
飛香がそう言って腕に抱きついてきた ふよんと膨れた胸が押し潰れる様な感じがした
たちまち優希の顔は赤面してしまう
「ちょっ…!飛香! む、胸が…」
「ん〜? 私の胸がどうかしたの?教えてよゆ〜ちゃん♡」
抱きしめていた胸をさらに押し付ける様に飛香は抱きついてきた
引き剥がそうにも抱きついた腕から離れまいとさらに強く抱きしめるためさらに胸の感触が鮮明になっていく
後ろにいた璃玖が飛香を引き剥がそうとした時
「あらあら、放課後とはいえ公共の場で淫らな行為はあまり感心しませんわよ?」
優希が来た渡り廊下の方から一人の少女の声がした
優希や璃玖のクラスメートで学年1の秀才である【眞田晴菜】だ
「さぁ…優希様。私と優雅な放課後といたしましょうか。」
本編の投稿ということでどんなキャラクターにしようと考え、幼馴染ヒロインはすぐにできたのですが、
幼馴染親友はどんなキャラクターにしようか迷いました
愛される毎日ですのでこの際、親友も主人公ラブにしちゃえと思い完成したのが璃玖くんです!
次回は三つ巴の放課後デートにしようと思います