~STORY 192 8月7日 ⑤~
「ゲフッ!!も、もう…食べれ…ません……」
「ど、どうして!?どうしてなのゆうちゃん!?私の作ったお赤飯がお口に合わないって言いたいの!?」
「いえ…味はとても美味しんですけど……【ケプ】」
ウルウルと涙を溜めてお赤飯を食べようとしない優希に問い詰めると優希は膨らんだお腹をさすりながらもう食べれないと手でジェスチャーをした
食欲は一般男子高校生の平均並みである優希でも流石に山盛りのお赤飯はとてもじゃないが食べれる訳がない
明日美が折角作ってくれたこともあり腹がパンパンになる程頑張って食べたとはいえ、山盛りに積まれたお赤飯の減りようは氷山の一角が欠けたみたいだった
「も〜、だから言ったでしょママ?ゆ〜ちゃんが美味しく食べれなきゃ意味ないんだからちゃんとゆ〜ちゃんが食べれる量をよそってあげないとダメでしょ?」
「だってだって〜、ゆうちゃんに一杯一杯食べて欲しかったんだもん〜!【ギュム】」
自分の分を食べ切った飛香は苦しそうにする優希の背中をさすりながら明日美に文句を言うと明日美は優希の側までいき抱きつきながら言い訳を言った
「うっ!ちょっ…お義母さん……」
「ちょっとママ!ゆ〜ちゃん吐きそうになってるから離れて!っていうかゆ〜ちゃんはあたしのものなんだから抱きつかないで!!【グイイイ】」
「あ、あす…か……で、でちゃう……ボエッ!!」
悪気はないにしろ優希を力一杯抱きしめる明日美を飛香は無理矢理引っ張り離れ誘うとするがかえって優希の嘔吐欲を更に高まらせる結果になり、日常生活上では絶対出ないような音が聞こえてきた
「【ババッ!】っっっ〜〜〜〜!!!!!!【ダダダダダダダ バタン!】」
「「あぁ!ゆ〜ちゃん!!」」
吐き気が寸前に迫った優希は顔を真っ白にしながら飛香と明日美を振り切り口を押さえながらリビングを出てトイレに直行した
しばらくの間、悲鳴のような声がトイレから聞こえてきて飛香と明日美は心配そうにトイレを眺めていると5分後には気持ち悪そうな顔をしたまま優希はトイレから出てきた
「あ、あの…ね?だ、大丈夫だった?」
「ゔ…ゔん……。ちょっどまだ…気持ちばるいかな……」
気持ち悪そうにしてる優希の背中をさすりながらタオルを手渡す飛香に優希はタオルを受け取り口を押さえながら手を振って答えた
「ご、ごめんねゆうちゃん…わ、わたし……ゆうちゃんにいっぱい食べて欲しかっただけで…」
「い、いえ…お赤飯はとっても美味しかったですし…いっぱい頂きましたのは僕ですから…お、お義母さんはきに…しないで…うぅ…」
申し訳なさそうに謝る明日美に手を振って気にしないでくれと安心させようとするがやはりまだ気持ち悪いようで口を押さえてしまった
「お布団はまだ敷いてありますからゆうちゃんを寝かしてあげましょう。お母さん濡れタオルや洗面器用意するから飛香はゆうちゃんを運んであげて?」
「う、うん!任せて」
明日美は飛香にそう支持すると洗面器などを取りに向かった
「大丈夫ゆ〜ちゃん?和室まで歩けそう?」
「う、うん…ありがとう飛香。その一個だけお願い聞いてもらってもいい?」
「【キュン///】い、いいわよ!!なんでもわがまま言って頂戴!」
「あ、ありがとう…あのね?」
弱まった優希から繰り出される上目遣いに不謹慎ながらもときめいてしまいつつ飛香は優希の言う我儘を聞いてあげた
「お待たせ〜。ゆうちゃんは大丈夫かしら飛香ってあら〜!?」
洗面器とタオルに飲み物を用意して和室に入ってきた明日美は心配そうにしていたが入った瞬間、一気に目を輝かせた
「スゥ…スゥ……」
「しーっ、ゆ〜ちゃん今寝付いたから静かにしてあげて?【ヒソヒソ】」
和室では布団の上では優希は飛香の膝枕の上でスヤスヤと眠りについていた
優希のお願いとは“膝枕をして欲しい”とのことだった
優希曰く「よく椿さんの膝枕で眠らせてもらっていて安心するから」だそうだ
飛香は椿の名前が出て一瞬眉が吊り上がるが、優希のお願いを快く受け入れた
「ゆ〜ちゃんね?こう頭を撫でてあげると気持ちよさそうにしてくれるんだよ?とっても可愛くて何回もしちゃうの♡あっ…また笑顔になった!【ヒソヒソ】」
「ほんとね〜。ねぇ飛香?ちょっとだけ代わってくれないかしら?」
「ダ〜メ!これは、彼女であるあたしだけの特権なんだから!【ヒソヒソ】」
明日美のお願いを断りつつ飛香は優希寝顔を堪能しながら頭を撫でた
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