~STORY 185 8月6日 ⑫~
「んん〜!!うむぅ〜!!!」
優希は二人に拘束され、口元をタオルで縛られながらリビングの横の和室の布団に放り込まれた
「……ホイっと、おば様にもお泊まりするってラインしといたしこれで今日は思う存分楽しめるかな?」
優希の携帯で椿宛てにラインのメッセージを打ち込むと飛香優希の携帯の電源を切ってソファに投げ込んだ
「あぁ…私の願いがついに叶うのね……。ねぇ飛香?不安なことは何も無いかしら?お母さんに出来ることだったらなんでもするわよ?」
「ん〜……それじゃあパパがもう少しで帰ってくるから絶対に邪魔にならないようにパパの相手をしてくれる?」
飛香は時計を眺めると帰宅してきて行為中に父親が乱入してくることを懸念し、邪魔にならないように明日美に注意させる
「そうねぇ…それなら玄関の前でパパを待って少し飲みにでも行こうかしら?」
明日美はその案に承諾していつでも外出が出来る様に洗面所へと向かった
「さて、と……ふふ、そんな怖いものを見る目であたしを見ないでよゆ〜ちゃん。別にゆ〜ちゃんを怖い目に合わせるつもりはないからね?」
飛香は和室に入り、布団の上で身を縮こませて震える優希になだえる
優希は縛られた手と足の布を取ろうとする事あ一切せずただ震えて涙を流していた
逃げ出したい気持ちはあるがその後が怖いと思っての行動なのだろう
「あぁ…///ゆ〜ちゃんったらそんな口から涎出しちゃって…苦しいよね?今あたしがそれ外してあげるね」
口枷から唾液を出す優希の姿にときめいた飛香は口枷を取ってあげることにした
今の優希なら反抗をすることはないだろうと思っての余裕だろう
「あっ!!はぁ…!はぁ……!!ゲホッ!!はぁ……はぁ…あ、あす…か……」
口枷を外して貰った優希は荒くなった呼吸を徐々に抑える
「あたしが怖い?強引に迫ってきちゃうあたしが怖いかしらゆ〜ちゃん?こんな手足を縛って布団に転がせちゃう幼馴染が怖い?」
飛香は優希の上に跨り抱きしめながら自分が怖いかを優希に問う
優希と身体を繋げ合わせるのに何も恐怖は無く、喜んで優希に差し出せる飛香だが一つだけ不安に思うのは相手の優希が自分を拒絶することである
優希と繋がるならどんな形でもいいと思っているが流石に飛香とてどうせ優希と出来るならお互い同意の上でしたいと思うのは当然のこと
優希に拒絶されでもしたらきっと飛香は冷静を保つことは不可能になるだろう
その上での最後の確認である
「こ…こ…こ、わい…よ……」
震えながら口にした優希の言葉は飛香が聞きたくなかった言葉であった
覚悟はしていたとはいえやはり優希から“怖い”なんて言われたくなかった
「(やっぱり…怖がられてたんだ…。そりゃ幼馴染に縛られ転がされ、側から見たら脅迫する強盗犯やレイプしようとしている強姦にしか見えないもんね?あ〜あ、ゆ〜ちゃんとのエッチはあたしだけが満足できる自分本位のエッチになっちゃうのか…。漫画で見たようなイチャラブセックスしたかったなぁ…。でも、他の女に渡るくらいなら…やむを得ないよね?)」
「そう…なんだ……。でもね?あたしはどんな形であってもゆ〜ちゃんを手に入れなくちゃいけないの!たとえ!ゆ〜ちゃんに嫌われたとしても!!」
飛香は覚悟を決め自分の着ていた服を全て脱ぎ、優の服にも手をかけようとする
「まっ!待って待って飛香!!」
「待ってと言われて止まれるわけないじゃない!!あたしにとっては一生一度最後の大勝負なんだから!!」
「だ、だから待ってって!!僕は飛香の事が嫌いだなんて一度も言ってないし一度も思った事がないよ!!【ゴッ!】」
「っっっ!!?」
飛香を止めるべく、優希は飛香のおでこに頭突きをする
思いの外強くしてしまい、頭が痛くキーンとしてしまったが飛香も額の痛みでようやく静止してくれたので万事解決である
「な、何するのよゆ〜ちゃん!抵抗しようっての!?逃がすわけない!!」
飛香は額を抑え涙目になりながら優希の身体を抱きしめながら逃さないと警告する
「逃げるつもりなんてないよ!!それよりも僕が飛香を嫌ってるなんて間違った情報が飛香に伝わってるからそれを訂正したいんだよ!!」
優希は逃げも隠れもしないと真剣な目で飛香の顔をみる
「な、何よ…あたしの事怖いって言ったくせに……下手に情けなんか欲しくもなんともないわよ!!怖がられてる相手のことが嫌いじゃないわけないじゃな……」
優希の真剣な表情に狼狽えながら飛香は涙を流しながら優希に反論する
優希は反論する飛香の口を自分の口で覆った
ただ口と口が合わさるだけの簡単なキス
その時間はたった5秒であったが飛香には時が止まったかのように長く感じた
優希は飛香の唇から離れると飛香に笑顔を見せた
「僕は…飛香の事…ずっとずっと好きだよ」
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