〜STORY 145 7月17日 ⑥〜
紫織は必死になって優希が紫織の頬っぺたをいつでも触っていい事への対価条件を考えたのだった
『私と毎日登下校して』や『私とシフトを必ず合わせること』や『休日は必ずデートをすること』など紫織の妄想を現実のものにしようとしたのだがどれも嫌われてしまうのではないかと気がかりになってしまい悉く脳内判決で否決されてしまった
「(何か!何か良い条件はないの!?私に利点があって優希君からも不満を持たれないような条件は……あっ、もしかしてあれならいけるんじゃない?)」
考えに考え紫織は優希とお互いがwin-winになれるような条件を考え紫織はこれならいいのではないかと言う条件が見つかった
「ねぇ優希君?私の頬っぺた触るの大好き?」
「は、はい!!紫織さんの頬っぺた触るの大好きです!!」
紫織は妖艶な笑みを浮かべながら優希に問いかけると優希は食い気味に答えた
予想通りの答えを言ってくれた優希に紫織の口角は上がった
「じゃあ優希君にはいつでも私の頬っぺた触らしてあげる」
「本当ですか!?それじゃあ早速……【スッ】」
「でもまだだ〜め♡【パシッ】」
本人から正式に許可が出たことにより優希は早速紫織の頬っぺたを触ろうとしたが紫織は優希の指を掴んで止めてしまった
「え!?だって触らしてあげるって言ったじゃないですか!!ここまで焦らすのはもう詐欺の領域ですよ紫織さん!!」
「うん。いつでも触らしてあげるよ♡『他の女の子の頬っぺたを二度と触らない』って今ここで誓ってくれてるならね?」
「他の女の子って…椿さんや奏音も含まれるんですか?一応その二人は血縁関係者なんですけどその二人もダメなんでしょうか?」
「ん〜……私の頬っぺた触りたくないの?優希君が触りたくないんだったら別にいいんだけど?」
「ち、誓います!二度と紫織さん以外の女性の頬っぺたを触りません!!」
紫織の煽りに我慢が出来なくなった優希はバイト先ということも忘れてその場で紫織に二度と紫織以外の女性の頬っぺた触らない宣言を高らかに宣言した
「うん♡優希君の言葉信じてあげる♡私も恥ずかしいけどいつどこでも優希君が触りたい時に触らしてあげるね♡」
「や、やった!!【ふにふに】あぁ〜♡やっぱり紫織さんの頬っぺたは柔らかくて気持ちいいなぁ〜【ふにふに】」
「ふふふ♡沢山触っていいからね?」
ふにふにと満面な笑みで紫織の頬っぺたを触り続ける優希を超至近距離で堪能する紫織の背中に回した手に握られたスマホの画面をタップした
「(うふふ♡こんな可愛い笑顔をこの距離で楽しめるなんて最高だわ♡言質も取れた事だし一生楽しまないと♡)」
紫織は目の前で紫織の頬っぺたを堪能している優希を愛でながら器用にスマホを操作して録音映像をロック保存した
一年前六条学園に優希が入学し、優希に想いを寄せてから貯めに貯めてきた優希専用フォルダにまた一つ紫織の宝物が溜まった
「どうかしたの仁科ちゃん?何も今から緊張しなくてもいいのよ?」
従業員待機所から離れた事務所で涼音と飛香は契約のやり取りをしている中で涼音は突如変化した飛香の反応に違和感を覚え飛香に問いかける
「え?あたし今そんな緊張しているように見えますか?あたし的には何も緊張しているような感覚はないんですけど?」
まるで自分に何も問題がないように飛香は涼音の問いに答えたが明らかに普通ではなかった
「そうね。緊張というより怒っているようにも見えるわよ?私何か仁科ちゃんの癇に障るようなこと言ったかしら?」
そう 冷静に装っているが今の飛香は誰がどう見ても怒っている雰囲気を纏っていた
「いえ……ちょっと……あたしのいない場所で何か良からぬことが起きた気がしただけです。確証があるわけがないんですけど」
従業員待機所では現在紫織の頬っぺたを満面の笑みで揉みまくっているので飛香のこの“勘”はかなり優秀であろう
「ふふふ、ひょっとしたら店舗の方で優ちゃんとし〜ちゃんがイチャイチャしているのかもね?あの子達ったらと〜っても仲良しだからお客さんから「あの二人って付き合っているんですか?」って聞かれることも多いのよ?」
「へ、へぇ〜?……仲の良い先輩後輩にしか見えませんけどねぇ〜?【ビキビキ】」
飛香の額に青筋がほんのり現れ始めてきた
「そうかしら?し〜ちゃんの優ちゃんへの気遣いやサポートは明らかに先輩後輩の域を超えているのよ?」
「あはは!先輩のするサポートや気遣いが必ずしもゆ〜ちゃんのためになるとは限りませんからね〜【ビキビキビキ】」
飛香の額に明らかにそして確実に青筋が増えていく
「(うふふ♡この子も優ちゃんに執着なのね?もしかしたらあの子もそうなのかしらね!また面白いおもちゃがウチに入ってきたわぁ〜♡)」
バイトの子達の恋愛を遠目からニヤニヤしながら見ることが何よりも楽しみな涼音は飛香のあからさまな嫉妬に背筋がゾクゾクさせた
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ありあっした~♪