〜STORY 144 7月17日 ⑤〜
「それじゃあ飛香ちゃんは手続きをするから私と一緒に一旦事務所に来てくれる?あんた達はさっさと持ち場に戻って働きな。今度サボったら給料下げるから覚悟しときな?」
「それじゃあ行ってくるから頑張ってねゆ〜ちゃん【チュッ♡】」
飛香は涼音の後ろに着いて歩くと優希の頬に軽くキスをして従業員待機所を後にした
「はぁ…それじゃあ戻りましょうか紫織さん。」
「あの女…最後優希君の頬にキスしやがった……。優希君の美しい顔にあの女の残り香を残すとか冗談じゃねーぞ?昨日のあの女といい優希君の周りに何でめんどくさい女が蔓延っているんだよ。まぁそれだけ優希君が魅力的だって証拠なんだけどライバルが多いのはあまり喜ばしいことじゃ無いんだよ!!クソクソクソクソクソ!!!」
溜息を吐いて優希は横にいる紫織に持ち場へ戻ろうと促すが当の紫織は飛香のキスによりダークサイドへ足を踏み入れてしまっていた
「し、紫織さん…?あの、聞こえてますか〜?【フリフリ】」
「第一キスなんて私もした事がないのに何私の目の前で優希君にキスしてくれてんだよあのおんなぁ!優希君とは二人きりの甘〜い空間で濃密な時間を過ごす時に私の初めてを捧げようとしたのに〜!!!」
優希は紫織の顔の前で手を振って反応を確認したがダークサイドに身体の大半染まってしまった紫織には大好きな優希の声ですらまるで聞こえなくなってしまうようだ
「ムゥ…あまりサボっているとまた涼音さんに怒られてしまうし……ここは大胆かつ挑戦的に反応させてみようかな?【ツンツン ツンツン】」
優希は全く反応しない紫織の頬を指でツンツンしてみる
ツルツルとした滑らかな頬は何度でも突きたくなってしまう程プニプニしていて優希はついつい触れてしまう
「紫織さんのほっぺたってとっても柔らかいなぁ…。先輩のほっぺなんてそうそう触れられはしないから貴重な経験だなぁ【ツンツン プニプニ】あっ……」
バイトのことも忘れて優希は紫織の反応を楽しんでいたが気がつくとダークサイドに足を踏み入れていた紫織が現実世界に戻って来ていたようで顔を真っ赤にしてどこか気持ちよさそうな表情を浮かべていた
どうやら優希の頬っぺた弄りが彼女を現実世界へ戻すきっかけになったようだ
「し、紫織…さん……?い、いつから……」
「…………優希君が恍惚した表情しながら私のほっぺたを触ってるときから///」
「うわぁぁぁぁぁぁ!!!」
優希は恐る恐る紫織に聞いてみると紫織は顔を真っ赤にしたまま横に顔を向けて照れながら真実を告げた
あまりの恥ずかしさに優希はその場で蹲りながら絶叫をあげた
「そんな恥ずかしそうにしないで優希君?私にとってはご褒美なようなものだったんだから…。」
蹲り床を殴打しながら自身の行為を悔いている優希に紫織は優希の頭を撫でながら励ま私の言葉をかけた
「ご、ご褒美…?寧ろ罰ゲームのような気がしますけど…?」
「うぅん、そんなこと無いよ。他の人はどうかは分からないけど私は全然嫌じゃないしむしろ嬉しかったもん。優希君が気に入ったのならいつでも私のほっぺた触ってもいいよ?」
「ほ、本当ですか!?なら……触っても良いですか?」
「もちろん!(あぁ、優希君かわいい!かわいい!!かわいい!!!かわいい!!!!)」
紫織の言葉に優希は目をキラキラと輝かせて紫織のほっぺたに指を近づかせる
紫織は脳内で爆発しそうな何かをグッと堪えながら優希にほっぺたを近づけ触らせようとするが触れるか触れないかくらいの距離の時に何か良いことを思いついた紫織は近づけていたほっぺたをヒョイッと離した
「な、なんで離すんですか!?楽しみを目の前で奪うなんて悪魔の所業ですよ!!【ブンブン】」
「う〜ん…。ここで簡単にやらしちゃうのも何か勿体無いのよね〜。【うふふ、怒ってる優希君もとっても可愛い♡】」
腕をブンブン振って抗議する優希に紫織は妖艶な表情を浮かべた
どうやらいつでも頬っぺた触り放題には条件が必要らしい
「な、何すれば紫織さんの頬っぺたを触らしてくれるんですか!?そのほっぺたをいつでも触らしてくれるのなら僕は何だってしますよ!!」
余程紫織の頬っぺたが気に入ったのか優希は“何でもする”を条件に引き出してきた
“何でもするから!!”
この言葉は自身が好意を抱いている人物からは喉から手が出てくる程欲する言葉でもしこの言葉が買えるなら世の男性女性は大枚を叩く事になるのであろう
そんな魔法の言葉を紫織は自身の頬っぺたによって手に入れてしまった
「う、う〜ん…そうねぇ〜?(何でも!?今優希君“何でもする”って言ったわよね!!?どうしようどうしよう!!じゃあ『私の恋人になって?』いやいや、それだと断られちゃう可能性もあるしそんな事になったら私の心は崩壊してしまう!!)」
紫織は腰をくねくねさせながら優希にどんなお願い事をさせようか優雅に考えている風を装っているが内心は一世一代のチャンスどう生かすかで葛藤を繰り返していた
「(じゃあ『私以外の女性と一生話さないで?』なんてのはどうかしら?そしたら優希君は私の物……って!そんなこと言ったら優希君私の事【重たい女】みたいに思って余計悪影響になっちゃうじゃないの!!でも……簡単なお願いにしたら折角手に入れたこのチャンスを水に流しちゃう…。)」
紫織の脳内では優希に出す条件の紙を書いては破り書いては破りを繰り返していた
「あ、あの…紫織さん?そろそろ持ち場に戻らないと本当に涼音さんに怒られて……」
「待って!!今必死に考えているから!!!」
「は、はいぃぃ!!」
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ありあっした~♪