〜STORY 143 7月17日 ④〜
「す、涼音さん……。こ、これはその……」
扉に寄り掛かりながら明らかに怒り心頭な表情な浮かべる店長の涼音に優希は恐怖を抱きながらそれでも弁明しようと口開くが思うように言葉が出ない
「ふん。言い訳なんて聞きたかないよ。お前たちのサボっていた時間はきっちり給料から引かさせて貰うから文句は受け付けないから覚悟しときな?」
「え〜!?だって不法侵入して来たこの子を追い出そうとしたんですからちゃんと働いて……【モゴモゴ】」
「も、もちろん悪いのはお仕事をサボってしまった僕たちですから涼音さんのご意見が正しいです。どうもすみませんでした!!!」
涼音のお達しに不満そうに言い訳をする紫織の口を優希は急いで塞いで頭を下げさせた
今の現状をいかに説明したってサボっていた事実は変わらない為、これ以上の言い訳は状況とお金的にも何一つ良いことはあるわけがない
「ふん!分かったらさっさと持ち場に戻ってサボっていた分きっちり働いて来なさい?勿論お客様への態度を少しでも疎かにしたら…分かっているわよね?【ニコリ】」
「「しょ、承知いたしましたぁぁ!!!」」
最後に念押しとなる笑顔(怒気混じり)に優希と文句ありげだった紫織は背筋を某ランドセルCMの如くピンとさせて敬礼して従業員待機所を飛び出そうとした
「あぁ、そう言えば忘れていたね。あんた達に紹介しておこうか?」
「???」
涼音は二人の首根っこを掴んで自分の前に立たせた
目の前には当然部外者である飛香が立っており紫織は何が何だか分からなく、首を横にする
涼音はそんな二人を無視して飛香の横に立ち
「彼女今日からここで働くことになったから色々と面倒見てやるんだよ?」
「はぁぁぁぁぁぁぁ!?」
飛香の肩をポンっと手を当てて二人に飛香加入を告げると不思議そうな表情をしていた紫織は心底嫌そうな表情で嫌そうな声をあげた
「まぁ、やっぱりそうなりますよねぇ」
飛香が涼音さんに用があると言っていた時からなんとなくそんな気がしていた優希は別段動揺することなくしていた
「ちょっと優希君!?もしかして仁科さんが【シリウス】で働くこと知っていたの!?まさかとは思うけど優希君自ら彼女を勧誘したとかないわよね!?」
紫織は自分とは違い落ち着いている優希の様子に驚きそしてもしかしてこれの主犯であるかもしれない優希の胸ぐらを掴んで問い詰めようとする
若干黒いオーラが混ざっていて少し怖かったりする
「そ、そうじゃないですよ!!前から飛香から【シリウス】のことについて色々聞かれていたから近々入る予定でもあるのかな〜?って思っていたらそれが今日だっただけなので別に僕が誘ったわけじゃないですよ〜!」
「まぁでもゆ〜ちゃんがいなかったらバイトする気はなかったけどね〜?」
「店長の涼音さんのいる前でそんなこと言っちゃダメだろ!?」
志望動機なんて大抵は嘘だろうがそれを店長の涼音の面と向かって言ってしまうあたりの飛香のメンタルの高さは一級品だろうがそう言う問題ではない
「いや?この子志望動機は【優希君と一緒に働きたいからです!!】【一緒に仕事が出来るなら他の人の数倍働きます!!】って言ってたよ?面白いから採用しちゃった♡」
「いやいやいや!!店長のあなたが【面白いから】って理由で採用しちゃって良いんですか!?」
「何言ってるの?採用するかどうかは店長である私が決めるの。それを脅かして良い人間なんてこの世に誰もいないわよ」
涼音の採用基準が分からず優希はツッコミを入れるも正論で返されてしまい何も言えなくなってしまった
「ついでに言えばあと一人新人入る予定だからその子もアンタに指導してもらうからよろしく頼むよ?」
「ちょっと!?何で新人さんをいきなり二人も僕が教えることになってるんですか!?僕よりも先輩さんだっているわけですし一人は先輩方に…」
「なんだい?アンタ【シリウス】のことで分からないことなんて今更ないだろ?」
「そりゃ……ある程度なら対応出来ますし分からないところはないかもですけど…」
「そう言うことさね。まぁキツかったら手助けしてあげるから頑張りな?」
「……分かりましたよ」
いきなり新人2名の指導が業務内容に加わる事に反対するが涼音の優希への評価の高さ故の抜擢に照れながらもまたしても呼応してしまった
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ありあっした~♪