〜STORY 131 7月5日 ①〜
「はい、正解よ。ふふふ、流石ね優希君。じゃあ次はこっちの応用問題もやってみましょうか」
「は、はい…が、頑張ります…【チラッ】」
学生にとって夏休み突入前最後の難関でもある学期末テストが無事終了し、あとは結果を待つだけとなった
テスト明けの休日のも関わらず優希は家庭教師の葵に授業をお願いしたのだった
「ゆ〜ちゃんったらテストも終わったばっかりなんだからおやすみくらいのんびりしたらどうなの〜?私ゆ〜ちゃんとお買い物行きたいなぁ〜?」
と母親の椿は構ってほしい十割心配十割で優希に休むよう提案したのだが当の優希はそんな椿の提案をあっさり拒否して勉強を選んだのだった
「はぁ…ゆ〜ちゃんが全然構ってくれなくて私寂しいわぁ…。ちっちゃい頃は「ママだ〜いすき!!」っていつも甘えてくれていたのに今じゃすっかり私の事都合のいい女みたいにしちゃって…。もしかしてこれが反抗期ってやつなのかしら?でもでもそんなものは都市伝説的なもので私のゆ〜ちゃんに限ってありえないはずよ?」
「あ、あの…椿さん?」
自分の愛故からの提案をあっさり断られた事にかなりのショックを受けた椿はギリギリ優希に聞こえるくらいの声量でボソボソと呟き始めた
「…でももしそれが本当だとしたらゆ〜ちゃんに「うるさい!!話しかけるなよ!!」とか言われてしまうの!?あぁ…想像しただけで目眩がしてきたわ。もしゆ〜ちゃんにそんなこと言われたら私ショックで生きていけなくなっちゃう…」
「なんで勉強したいからって言っただけで反抗期認定されちゃうのさ!心配しなくても椿さんにそんな失礼なこと言う訳ないじゃないか!」
…とこんな感じで優希の妄想反抗期によってショックを受けた椿の機嫌を直すのにかなりの時間を要してしまい結果優希は疲弊した状態で勉強を余儀なくされたのだった
「(はぁ…椿さんの妄想はリアル性がないくせに勝手に落ち込んだりするから困るよなぁ…)」
今日は比較的苦手でもある物理を重点的に受けていたが思いの外調子良いのだが優希自身あまり集中していなかった
椿の機嫌を直すのに疲れたと言うこともあったが原因は二つあった
「(…………晴菜さん…………ってまた僕は!!!)【パシッ】」
一つは昨日の晴菜とのキスが未だに脳裏に焼き付いており、ぼーっとしてしまうとすぐそのことで頭がいっぱいになってしまうのだった
そしてもう一つというのは……
「どうかしたの優希くん?さっきから進んでいないんだけどどこか体調悪くない?」
優希の進捗状況があまり良くないことが気がかりに感じた葵は優希の顔を覗き込んで様子を確認しようとした
「へ?…へぁ!?【ドシン】い、いつつ…」
優希が顔を上げるといきなり目の前に葵の顔があり驚いた拍子に椅子から転がり落ち思い切り頭をぶつけてしまった
「だ、大丈夫なの優希くん!?ごめんなさい驚かせるつもりは毛頭なかったの!!」
葵は椅子から転がり落ちた優希を驚きつつ起こしぶつけた頭を痛まない力加減で撫でた
不思議な事に痛いはずなのに撫でられただけで痛みが引く感覚があり少し手を離しただけでまた痛み出すから人間の身体は面白い
「な、なんでもありません!大丈夫ですから気にしないでください!!【ふいっ】」
「そ、そう?そんなに驚くとは思わなかったわ。ごめんなさいね?」
優希は平気平気と自分で立ち上がると椅子に座り直しテキストに視線を戻した
葵も心配しつつ本人が平気と言ってるからと葵も再びテキストを開いたのだった
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ありあっした~♪