〜STORY 125 7月3日 お泊まり⑧〜
「も、もう…食べれない……【バタッ】」
お腹を押さえつつリスやハムスターのように頬をパンパンにした優希は倒れ込む様にベットに寝転んだ
夕食は普段から椿や奏音が作ってくれる愛情が篭りに篭り、最早意思を持っているのでは無いかと思える程(?)の愛情篭った手料理を食べているため美味しいご飯を食べ慣れている優希が唸るほど絶品の料理が王族が使用するめっちゃでかいテーブルに溢れんばかりに並び堪能したのだった
「いい食べっぷりでしたよ優希様。奥様もお嬢様もとても喜んでおられましたよ?」
「…いい食べっぷりというかわんこ蕎麦みたいに口に放り込まれていっただけなんですが……?」
確かに最初の方は純粋に料理を堪能したのだったが優希の説明通り優希の両脇に座った麗美と晴菜によるWわんこ蕎麦システムの結果、優希の容量の限界以上に詰め込まれてしまい現在の状態を形成している
「ですから私は嫌だったら断ったほうがいいですよ?って仰ったじゃ無いですか。優希様ったら奥様達の望がままにされてしまうからお二人とも止まらなかったんですよ?」
「だって…あんなに嬉しそうにあーんしてきたら断れないじゃ無いですか……」
優希も流石にお腹がいっぱいになってきて苦しくなり始めたあたりで晴菜達に「お腹いっぱいだからもうこれでご馳走様です」と言おうとしたのだ
いざ言おうと晴菜の方に顔を向けると晴菜は次の料理を掴みキラキラとした目をしたまま待ち構えていたのだった
パクリと食べて次に麗美の方を振り向くと晴菜の時に見た映像が麗美になっただけで何も変わっていなかった
それを何回も繰り返しいつの間にかご馳走様と言う言葉が体内に帰宅していった
「優希様は本当にお優しいお方ですねぇ〜。そうやって誰に対しても優しくして数多の女性の心を奪って美味しく召し上がって来たんですね。いやらしいです。」
「か、勝手に解釈して引かないでくださいよぉ…」
そしてこの小鳥遊はというと一応助言はしたみたいに言っているが優希が美味しく夕飯を頂いている光景をビデオカメラに収めながら終始ニヤニヤしていたのだった
優希は何度も何度もニヤついてビデオを撮っている小鳥遊に救いの視線を向けたのだったが彼女はお構いなしと言わんばかりに撮り続けたのだった
救いの視線を向けた時に何かいじっている様に見えたのだが彼女の性格的にズームして優希の顔をアップにして遊んでいたのだろう
その証拠に彼女はさっきから撮影したビデオを眺め優希の顔と画面を交互に見比べているからだ
「っていうかさっきから何見てるんですか?そのカメラってさっきの様子を録画したやつですよね?」
「え〜?そんなことないですよぉ〜。これは従者にとってなんたるかを訴えるいわば私の教科書の様な物なんですよ〜?」
「…だったらなんで画面と僕を交互に見てニヤついてるんですか?ってか今僕の顔が写りましたよね!?どう考えてもさっきの動画じゃないですか!!」
人の顔を見てニヤつく教科書は絶対に教科書ではないだろう
そもそも何年も眞田家に奉仕しているベテランの小鳥遊が今更そんな教科書を読むわけがない
「何言ってるんですか〜?モデルがたまたま優希様にそっくりだっただけで別に優希様と奥様とお嬢様のイチャイチャ映像な訳ないじゃないですか〜!」
「いや風景も完全に食堂じゃないですか…。声なんてまんま僕たちですし……。」
「そうですね〜……まぁもういいです。これさっきの映像ですよ?後で編集して送っておきますね?」
「いや言っちゃってるじゃないですか!!あと別に編集しなくてもいいですし送ってもらわなくても結構ですよ!!はぅ!?うっ…お、お腹が…」
あっさりと肯定した小鳥遊に思い切り突っ込んでしまい優希は強烈な腹痛を訴えた
思わず頬に溜まった物が全部放出されるところだったがそれは辛うじて回避した
「まぁ大変!産まれてしまいますわ!!」
「いや僕男なんで産まれないですから…」
「わかりませんよ?お可愛い優希様のことですから実は産まれた時に父親から女の子であることを隠すよう命じられたのかもしれませんからね!!」
「そんな恋愛漫画に登場する武闘派ヒロインみたいな設定は残念ながら僕にはありませんからね!?」
読者に皆さんには非常にとても残念なお知らせなのですが本作のメインヒロイ…ゲフンゲフン主演の北条優希くんには多分T様は付いていないと思います
「ちょっと待て編集さん!?なんでそこで肯定してくれないの!?しかも北条優希くんが北条優希ちゃんになっているのさ!!」
というメタ発言とも取れるクレームは置いておいて、優希は小鳥遊からビデオカメラを奪い取りすぐ様動画の確認をしたのだった
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ありあっした~♪