〜STORY 121 7月3日 お泊まり④〜
「し、失礼いたしましたわ…。私とした事が優希様の前だというのに取り乱してしまいましたわ」
コップの水を一口口に含み、晴菜は咳払いをしながら優希に謝罪をする
あの後晴菜の優希への想いは優希の顔が熱の晴菜以上に真っ赤になる程続き、小鳥遊の手刀が頭に入るまでひたすら続いた
気がつけば茜色に染まっていた空も黒く染まっており、道路には街灯の明かりが灯っていた
「あはは…まぁ、褒めてくれるのはとっても嬉しいんだけどやっぱり面と向かって言われると照れ臭くてさ……。でもありがとうね?」
「まぁまぁ、お優しいご主人様ですこと…。良かったですねお嬢様?優希様以外の輩でしたらお嬢様の失言に付け込んでとんでもない要求をしてくるに違いありませんよ?」
優希が照れ臭そうに礼を述べると晴菜からコップを受け取りながら小鳥遊は妖艶な表情を浮かべながら晴菜に訴えかける
「まぁ…お嬢様的には優希様に破廉恥なことされてあわよくば優希様に食べれたいと思ってらっしゃると思いますがね〜?【ボソッ…】」
「た、食べられたいだなんて!小鳥遊さんったら優希様の前でそんな破廉恥なことを仰ってはいけませんわ///【ボソッ…】」
「ん?二人共どうかしたの?小声で何言ってるのか分からなかったんだけど?」
「い、いえ!?なんでもないですわよ優希様!!そ、そう!他愛もない世間話ですわ!?おほ…!おほほほ……!」
「??そ、そう?まぁ晴菜さんたちがいいなら別に僕もいいけどね?」
小鳥遊は耳元で囁くと晴菜は照れながら否定はしつつも満更嫌でもないようだったが優希に問いかけられるとすぐ様正気に戻るとわざとらしく笑って誤魔化すのだった
「そんなことよりも優希様?まもなく夕食のご用意が整いますのでその前に入浴されてはいかがですか?既に準備は整っております。」
小鳥遊はそう言って優希に寝巻きの入ってるであろう小包を手渡す
優希は中身を確認しようと小包を開こうとした瞬間、優希の手を小鳥遊が取るように止めた
「優希様にお似合いしますよう私が選りすぐって入手した物ですので願わくばお着替えの際にご拝顔願いますわ?」
「そう…ですか、それならお風呂上がりの楽しみにします。わざわざ用意して頂いてありがとうございました」
優希は小鳥遊に頭を下げると男性従者に案内されて浴室へと向かった
「ん〜。分かってはいましたが本当に礼儀のなったお方ですね〜。もしよろしければ私も優希様のハーレムに加わる許可をくださいよお嬢様?」
「は、ハーレムって…優希様がそんな物を形成なんてするわけがないでしょう!!」
「そうですか〜?だって優希様に好意を抱いている女性の方は大勢いらっしゃいますしその上全員が容姿端麗で美人じゃないですか。あの方がその女性の中からたった一人を選ぶような残酷な事出来るんですかね?」
「それは…!」
晴菜は唇を噛み締め否定しようとするがその言葉は途中で詰まってしまった
優希を狙う女性を晴菜は全員と会って見ているが全員が晴菜も認めるほど美しい女性で更に自分には晴菜のないものを備わっているため、その点だけは劣ってしまう
そのうえ……
「(あのお優しい優希様が女性を傷つけるようなことをしないと言うのも納得出来ますわ…)」
優希が想いを知ったうえでその女性を傷つける行為を決してしはしないだろう
そう考えると小鳥遊の言った【ハーレム】という選択肢を優希が選ぶ確率の方が高いのかもしれない
「いくら一夫多妻が認められていない日本と言っても婚姻届を出さなければ事実婚としてハーレムは作れますもの。それなら優希様も選択しやすいと思いますよ?」
「それでも…そんなの不健全です!優希様がそんな女性の敵のような事しませんわ!」
「そうですかね〜?でもそんなこと言っている間に優希様に行為を抱く人は増えるんじゃないですか?例えば〜麗美様とか?」
「お、お母様!?あ、あり得ません!!お母様がそんなこと…」
晴菜は小鳥遊の建てた根拠のない憶測を断固として信じなかった
あの美しく、そして晴菜の憧れる母親の麗美が娘の想い人に行為を寄せるようなことしないと……
一方その頃浴室では…
「あ、あの…そんなくっつかなくても……いいんじゃないでしょうか?」
「あら!お顔を真っ赤にしてどうかしましたの?私はただ貴方のことを観察しているに過ぎませんわ♡」
バスタオル一枚のみで他は下着すら一つも着けていない麗美は湯船に浸かり同じくタオル一枚の優希を後ろから手を回し抱きしめていたのだった
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ありあっした~♪