〜STORY 117 7月3日 お泊まり交渉 参〜
話は優希が母親の椿に今日泊まることになった事を伝えるべく晴菜部屋の部屋から出て行く所まで遡る
優希を見送った晴菜ははぁと吐息を漏らし、ベットに横たわった
晴菜の頬は優希が家に来る前よりも寧ろ赤くなっていた
「優希様が来るから何張り切ってるのかと思っていたらまさか優希様をお泊まりさせるとは…お嬢様も大胆ですね〜」
従者の小鳥遊は主人の思いがけない言動に乾いた拍手を送っていた
「だ、だってだって!折角優希様が私の家に来てくださったのにただのお見舞いじゃ嫌だったんですもの!」
「そうかもしれませんけども年頃の女子高校生が同級生の男性をお泊まりに誘うなんて旦那様にお伝えしましたら何て仰いますかね?」
「お、お父様は関係ないでしょ!それに…遂に優希様を私の家にお泊まりさせることに成功したのです。今はどう優希様をおもてなしするかを考えましょう」
「はぁ…せめて晴菜様の体調がとても良い日だったら成功したかもしれませんのに…」
父の名前が出て晴菜は一瞬動揺したが即座に立て直し、優希をどう歓迎するか考え始める
言うても晴菜の体調は万全ではない
その上連続の徹夜が祟り目を閉じればすぐに夢の中へ行けるほど寝不足だった
そんな状態でお泊まりを提案した主人に小鳥遊は呆れつつ手を合わせて祈りを捧げた
「待ってください!そんな確実に失敗するみたいに言わないでください!!どんな状態であっても真正面から全力で立ち向かうのが眞田家の家訓というものなんですの!!」
「聞いたことありませんよそんな家訓…。絶対考えた人乗りと勢いで生きてきた人じゃないですか」
少なくとも失敗に失敗を重ねた姿が目に浮かばなかった
「そうね…やっぱりここは定石通りにお風呂に入った優希様のお背中を私が流すというのはどうでしょうか?」
「それは流石に無理があるでしょう」
晴菜の考えた案を小鳥遊は即座に却下した
「そうですか。確かに体調が悪い私がお背中を流しにきたら優希様も心配しますものね…」
「いえ、お嬢様の発展途上の胸では誘惑にならないと思います」
「……喧嘩なら買いますわよ!!【ガバァ】」
「おっと、いきなり飛びかからないで下さいよお嬢様。それに具合が悪いんだから少しは大人しくしててください」
優希の性格を察知して思いとどまる晴菜を否定し小鳥遊は晴菜の胸を指差してキッパリ言った
晴菜は自身の胸ををじっと見てから小鳥遊に飛びかかったが小鳥遊は華麗に交わすと飛びかかってきた晴菜を捕まえてベッドに寝かせた
「あ、あなたね〜!!私が気にしてる事をよくもズケズケと言ってくださいますわね!少しは言葉を選んで発したらどうですの!?」
晴菜は自身の胸を押さえながらキッと小鳥遊を睨みつけた
晴菜はよく小鳥遊に身体を洗ってもらうこともあって小鳥遊は身体つきについて本人である晴菜以上に理解している
「はっ!?…そうですね。私…お嬢様に酷いこと言ってしまいました……【ぐすっ】お許しくださいませ…」
「やめてください!そんな哀れられるほど私の胸は悲惨じゃありません!!」
「【グスッ…】ご、ご安心くださいお嬢様。お嬢様はまだまだ成長の最中でございます!きっと…きっと…絶対に成長して行くと思います!」
「そんな淡い期待なんかいりませんわ!!胸の大きい人は小学生の時点で成長してますもの……」
「あぁ…確かにお嬢様の胸の成長が確認されたのって中学2年生の頃でしたっけ?私も大きくなっていることに全然気づきませんでしたもん。あはは!」
「笑ってるんじゃないですの〜〜!!!!」
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ありあっした~♪