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〜STORY 113 7月3日 参〜

「うぅ〜頭が割れそう…」


自室のベットに唸りながら晴菜は寝込んでいた

テストまでの間ほとんど睡眠していなかった晴菜も璃玖同様に翌日には思い切り体調を崩し学校を休んだ

幼少の頃からほとんど風邪を引かない超健康体質のお嬢様も数日間連続徹夜をすればそりゃ風邪引くというものである


「まったく…何日も徹夜するなんて無茶なことするからこうなるんですよ?」


従者である小鳥遊は熱冷ましのタオルの替えを変えながら呆れていた


「だって…優希様(あるじさま)に褒めて…欲しかったんですもの……【スッ】」


恥ずかしいのか晴菜は布団で赤くなった顔を隠してしまう

先程までも十分赤くなっていたのだがさらに赤くなっているのは…そういうことだ


「(あら、可愛いですこと…こうなると色々と緩くなるから見てて飽きないんですよね〜このお嬢様は…)まぁ…お嬢様がいいと言うなら私は特に口出す気はないのですがよろしいのですか?」


「ん〜?何がですの〜……?」


「そんなことしてたら愛しの旦那様に会う時間がますます減ってしまいますよ?ただでさえもうすぐ夏休みになってしまうというのに…」


「夏休み……はっ!?」


テスト期間が終了し夏休みもすぐそこまできている

学校生活と違い優希とは予定を合わせない限り会うことはほとんどありえなくなってしまう

愛しの旦那様は会える時間は無限ではない 有限なのである


「こ、ここここ困りましたわ!!何(わたくし)は悠長にベットで寝込んでいるのです!!急がなくては…早く優希様(あるじさま)の元に馳せ参じなくては…!!【ガバァッ】」


「お待ちくださいお嬢様。まだ体調が優れていない状態での外出はお身体をさらに悪くしています【ガシッ】」


晴菜の気持ちも小鳥遊は充分承知している

大好きな人のもとにどんな状態でもそばに居たい

それが恋する乙女というもの

だが恋する乙女の気持ちも充分承知したうえで小鳥遊は晴菜の身を案じて止めるのだ

例え主人の気持ちを踏み躙っても主人の体調を悪化させる方がよっぽど可哀想だったからだ


「じゃあどうすればいいの?優希様(あるじさま)に群がる蝿は刻一刻と優希様(あるじさま)を狙ってるんですのよ!?」


「それだとお嬢様まで優希様に群がってる蝿扱いになりますよ?」


「お黙りなさい!なんとかして優希様(あるじさま)の元に馳せ参じる方法を考えなければ……【ガバァッ】」


「はぁ…あまり考えすぎるとまた熱が上がりますからね?」


♪♪♪…♪♪♪…


晴菜がぶつぶつと布団の中で言っているとスマホの着信音が鳴り響いた

小鳥遊はぶつぶつ言ってる主人に代わってスマホを開く


「ふむふむ…へぇ、【ツカツカツカ】お嬢様、お嬢様?緊急事態です」


小鳥遊はゆさゆさとこんもりしている布団を揺すると中からカタツムリのようにニュッと晴菜が汗かいて現れた


「なんですの〜?(わたくし)は今、優希様(あるじさま)をどうやって誘惑するか必死で考えてるのですのよ?」


「その優希様(あるじさま)がこちらへ向かっているから緊急事態とお伝えしたのです【パッ】」


「……!?嘘ですわよね!?【パシィッ】」


優希から送られてきたLINEには《身体は大丈夫?これからお見舞いに晴菜さん家に向かうんだけどお邪魔じゃないかな?》と書かれていた


「………………ぃ」


「??…どうかされましたかお嬢様?」


「小鳥遊さん!!(わたくし)今すぐお風呂に入りますわ!!今すぐお風呂に入ってこの見窄らしい身体を清めませんと!!」


「今からですか?ですが体調悪いのに身体が綺麗なのもいかがなものかと思われますが……」


優希様(おるじさま)にこんな見窄らしい姿を晒して幻滅される方が(わたくし)は嫌です!!【バタン!】」



小鳥遊の静止を振り切って晴菜は勢いよく部屋を飛び出してお風呂へ向かった

だがその廊下の道中で転んだのだろうか晴菜の「きゃん!」

という悲鳴が部屋まで聞こえてきた


「まったく…お身体が本調子でないのに無茶して……」


主人のアホらしい姿に呆れつつ小鳥遊は晴菜の跡を追った


読んでいただき誠にありがとうございました!


もし良かったら高評価、ブックマーク頂けたら幸いです!


作品力向上に繋がりますので作品への感想や意見などありましたら是非お願いします!!


では次回もお楽しみに!!


ありあっした~♪

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