〜STORY 99 6月12日 参〜
「いいですか!そもそも公共の場でルールを守ることがマナーであって騒がしくすることなど言語道断なんですよ!!それなのにあなたときましたら……」
ドリル頭の加藤さん(37独身)は顔を赤鬼の如く真っ赤に浮かべチャームポイントである頭のドリルを高速回転させながら優希に説教し続ける
暫く黙って聞いていた晴菜だったがついには痺れを切らして優希の側に赴きってを差し伸ばした
「【スッ】お立ちになられてください優希様。あまり長い時間正座されますと足が痺れてしまいますし歩行にも不都合が生じてしまいますわ。」
「え…で、でも……」
「さぁ気を取り直して私の夏ウェアをご堪能下さいませ優希様。普段はお母様がお造りになられた服をお母様に選んでもらっているので私が自分で選んだのなんて初めてですからおかしくないかよ〜く見ていてくださいね」
未だにカンカンに怒っている加藤さん(37歳独身)を無視して晴菜は優希を起こそうと手を差し伸ばす
晴菜の手を取る優希だが絶賛説教中の加藤さん(37独身)の様子を伺うが晴菜はまるで加藤さん(37独身)がそこにいないかのように優希と接する
「……………はっ!?」
あまりに自然な形で無視された加藤さん(37独身)は口をパックリ開けてその様子を眺めていたが湧き上がってきた
「何自然な形で終わらせちゃってるのかしらお客様!!まだまだ言いたいことが山ほどあるのですが!!?」
「何か問題でもありますか?【ニコッ】」
「ひっ!?」
晴菜の肩を掴み引き戻そうとしたが振り返った晴菜の表情は心地良いほどに笑顔だった
確かに側から見ると笑顔なのだが加藤さん(37独身)には笑顔の裏に阿修羅の表情が見えた
「確かに騒がしくしてしまったのは申し訳ないと思っていますわ。しかしそれは本当にこのお店で楽しんでいた証拠ではありませんの?」
ツカツカと加藤さん(37独身)に詰め寄り晴菜は自分の言い分をこれでもかと浴びせ続ける
「し、しかしですね!実際紳士服エリアにいた私の耳にまで……」
「それはあなたが初めからこちらの様子を伺っていたからではありませんか?私が来店された時からずっと監視していたようにも見えますが?」
「あっ!それあたしも思った!!【シャッ】」
「ちょっ!あ、飛香!!なんて格好で出てきてるのさ!!」
晴菜の言い分に賛同した飛香は下着姿のまま更衣室のカーテンを思い切り開けて現れた
因みに下着はオレンジでしたよ?
飛香は他のお客様がこちらを見ているのも気にせず下着姿のまま加藤さん(37独身)の下にペタペタと歩み寄りかけたがそのままスルーして優希に抱きついた
「なんかジトーッとゆうちゃんとあたしの事を妬ましそうにを見ていたよ!まぁ?あたしとゆうちゃんがカップルに見えてもおかしくないけどね〜」
「ちょっとお待ちなさい仁科さん?優希様とカップルに見えたのは私ですわよ?あなたと優希様がカップルに見えたのはあなたの勝手な妄想ですわ?【ぎゅ】」
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ありあっした~♪




