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システムの執行者  作者: ここのあ
*序章*
6/11

***

そのゲートからしばらく進めば、さらに小さな城塞のような建物が建っていた。

 表情を変えないリーザの瞳にも、その城塞が映る。




 彼女はそちらへ足を向け、扉の前に立った。


 仰々しいほど細工がちりばめられたそれには、悲鳴が形として扉というモノになったのかと疑うほど、底知れぬ恐怖を感じさせる。



とても悪意が浮き出るほどの悪趣味な扉だ。


 そんな扉の入口には、細工の仰々しさには合わない、コード入力装置が設置されていた。


 自身のプリーツスカートのポケットから、名刺ほどの大きさのメモ帳を取り出し、ページをめくる。



 鍵になる番号を入力し、扉が開くのを待つ。

 外見は城塞でも、中身はこぢんまりした建物だ。


 その扉は、彼女が通り過ぎるのをただ待つかのように開き続ける。


 彼女が通り過ぎると、扉は音を立てて閉まった。


 建物の中は、ゴシックをイメージするかのような、白と黒のコントラスト。

 細かい細工が刻まれているランプが、等間隔で幻想的に灯されており、静寂というべき空間。



 彼女……リーザは、早足で通り抜け、あたりを見回した。


『リーザロッテ・アイシクル。このたびの任務、御苦労であった』



 扉に負けぬような仰々しい言葉が、天井から降り注ぐ。


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