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罪を犯した者、魔物憑きになったものには
裁きが下される。
冒険者も寄りたがらぬような、城塞とも呼べる建物があった。
裏には森が生い茂り薄気味の悪い雰囲気が漂っており、近寄りがたい。
“集合裁判城”と呼ばれる場所。
誰かがそこを“処刑城”と言い始めた。
従事する人間を“執行者”、
そのなかでも苛烈な者を“罪狩り”と呼ぶようになった。
この処刑城に所属する者は、魔物を倒し各地で受け入れられる冒険者とは違い、罪を犯し魔物憑きになったモノを処分する。
それゆえに彼らには、とても多くの厳しい制限が科せられる。
それは、“執行者”“罪狩り”各人により様々に違う制限と、闇のように深い苦しみ。
言葉に著すのを拒むほど負担の多い場に建てられた場に、その苦しみを象徴するかのような城はある。