表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
何でもする人は楽じゃナイ!  作者: 氷上 冷嗚
第01章:盗賊団
7/34

006 - 久々の戦闘


「なんだ、なんなのだ!? お前は!!」


「さぁ、なんでしょうね! くろすけさん!!」


 黒いマントの女は苦戦していた。

 無理もない、彼女が思っていた以上にクロードの戦闘力は桁違いだったのだ。


 彼女がナイフを投げれば、それを予測していたかのように避けられ

 直接クロードに近づこうものなら、その変形した腕で切りつけられる。

 戦い方の相性も悪い上、能力差もつきすぎたのだ。


 そんな事は知らぬような表情で、クロードはどんどんレインから距離を取るよう女へ攻撃を重ねていく。


「くっ、ならば……集まれ蝙蝠(こうもり)共!!」


 そういうと女の周りに大量の蝙蝠(こうもり)が集まる。

 それと同時に、何匹かの蝙蝠(こうもり)がクロードへ襲い掛かる。


「ぐっ、成程! この森に凶暴な蝙蝠(こうもり)が多かったのはキミのせいだったか!

 それにしても錯乱のつもりかい!? そんな事しても無駄なだけ……

「と思ったか?」


 蝙蝠(こうもり)でクロードの視界を(さえぎ)っていた間に、女は彼の背後へと周り込んでいたのだ。


「しまっ――

「もう遅い。その息の根……絶たせてもらうッ……!」


 標的の隙をついた女は、手に持っていたナイフでクロードの心臓を貫いた……

 筈だった。


「なッ……これは……!?」


 なんとクロードは無傷だった。

 否、ナイフで刺された場所のみが、霧のように消えていたのだ。


「くろすけさん、擬態(ぎたい)能力って知ってる? まぁこの能力自体が

 一般的なものじゃないから、この辺で知ってる人はいないと思うんだけど……

 実はこれね、使いこなすと心臓の位置とか変えられるんだよね」


「なッ……なんだその能力は!!

 ハッタリ言うのもいい加減に――

「ハッタリなんかじゃないヨ。

 というか、僕にはもう"心臓"ってモノがないんだよね。

 だからキミにボクは殺せない、絶対に」


「し……信じられるか、そんな事!!」


 明らかに女は焦っていた。

 最早、暗殺者としての面影はない程に。


「信じられなくてもいいよ。

 取り敢えず どうする? まだ続けるの?」


「続けるに決まっている……!!

 私に後退はないッ!! こうなれば奥の手だ!」


 女は再びクロードと距離を取り、自らの指を噛んだ。

 そして指から流れ出た血で何かの術式を唱える……。


「我が血の契約に従い、魔界の底より召し()でよ! 吸血鬼(ドラキュラ)ァッッ!!!」


 そう叫ぶと、女の周囲には三体の悪魔……吸血鬼(ドラキュラ)が現れた。


「上位魔族の吸血鬼(ドラキュラ) 擬似召喚!? それを3体も……

 意外とキミ、やる時はやるな……

 って、おい! 何処へ行く!?」


「今の私では、貴様を殺しきれん!

 せめて同行者であるアイツだけでも葬る事にした!!」


 そう言うと、女は目にも止まらぬ速さで姿を消す。


「なッ……待て! くそっ!

 まさかレインから距離を置いたのが裏目に出るなんて……

 そこをどけ! このなりそこないの吸血鬼(ドラキュラ)共!!」


「グギギッ……」


 クロードの意思とは反し、吸血鬼(ドラキュラ)はクロードの前方を遮る。

 今すぐにも襲い掛かろうという勢いだ。


「上位魔族と言え、擬似召喚じゃ話す事もままならないか……

 ボクには守らなきゃいけないヤツがいるから

 悪いけど魔界に帰ってもらうぜ!!」


 早くレインを守らなくては。そう思いつつ、彼は吸血鬼(ドラキュラ)達と戦闘を始めた――



-----------------------



 クロードから離れた女は、自身の従える蝙蝠と共にレインの元へと向かっていた。


(しかしアイツはヤバい、あんな化け物は殺せない……

 どうしたら殺せる? いや、誰なら殺せるのだ?)


 今まで出会った事もない強大な敵に、女は必至に思考していた。


(今の雇い主では到底 殺せないだろう。

 あんな権力と暴力しかない男、早々に見捨てるしかない)


 彼女は殺し屋ではあるが、所属している組織がある。

 仕事として自身が雇われている間は雇い主の近くにいるのだが、期間が過ぎると忽然(こつぜん)と姿を(くら)まし、元の組織へと戻る。


 無論、それは生きる為に行っている仕事でしかなく、今回の様に見切りをつけたならあっさりと雇い主から姿を消してしまう。

 組織のリーダーに危険が及ぶ存在が現れた場合は特に だ。


(今回ばかりは一度 組織へ撤退し、対策を練るしかなさそうだな……

 しかし、その前に!

 せめてヤツの大切な者を葬り去ってから戻ってやる……!) 


 女は決意を固め、ターゲットの元へと急いだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ