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何でもする人は楽じゃナイ!  作者: 氷上 冷嗚
第01章:盗賊団
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004 - 出発前日


「んーっ! 今日も疲れたぁ!」


 ひとまず、あの後は何事もなく食事を済ませ午後の仕事を片付けた。

 現在は自宅でお風呂に入っている所である。



「ふ~っ、それにしても暖まるなぁ……このまま、後1時間は入っていたい……」


 どうでもいいことだが、お風呂を考えた人は本当に凄いと思う。

 聞くところによると、この世界とは別の世界から来た人が考えたものなのだと聞いた事があるけれど……

 そんな嘘みたいな話、実際に会わないと信じられないってものだ。

 異世界だとかゴーストだとか、そんな迷信は信じられないのである。


「レインー! もうそろそろ代わってほしいんだけどー!

 それか やっぱり一緒に入らないー?」


「入らないよ!! もう出る! 上がるから!!」


 …また急かされてしまった。

 よくこういった事をクロードに言われるから、僕は彼の後に入りたいんだけど、何故か頑なに入れてくれないんだよね。


 果たして今後、僕がゆっくりお風呂に入れる日はくるのだろうか……。

 ……しかしクロードはよく『一緒にお風呂入ろう』って言ってくるのは何故なのだろう。恥ずかしくないのかな? 人の考えていることは、よく分からないや。



-----------------------



 レインが風呂に浸かっている頃、クロードは神妙な面持ちでソファーに座っていた。


「……明日から久々の遠征、か」


 クロードには思うことがあった。レインの記憶、そして過去についての事だ。


 彼はレインが、記憶喪失となった原因を知っている。

 そも、レインが記憶喪失となった要因はクロード本人にもあったのだ。


 次の遠征で彼の記憶が戻ったらいいのだが……彼はそう思っていた。

 そしてその時こそは……今度こそは。内に秘める想いを落ち着かせ、彼は一言……


「レインー! もうそろそろ代わってほしいんだけどー!

 それか やっぱり一緒に入らないー?」


「入らないよ!! もう出る! 上がるから!!」


「……ちぇっ、せめて1度でも身体を視せてくれたらいいんだけどなぁ……

 なんて、これは卑怯な調べ方か」


 そんな事を吐きながら『いつか自分の手で、必ずレインの記憶と力を取り戻す』。そう改めて決意した、遠征前日の夜であった。



-----------------------



 同刻、薄暗い洞窟で一人の男と一人の女が会話をしていた。


「……何、ゴンズが捕虜されただと? あの大男が?」


 男は気に食わない様子だった。

 無理もない、信頼していた部下が突然 捕らえられたのだ。


「我が蝙蝠(こうもり)によると どうやらそのようです……

 如何いたしましょう?」


 全身 黒ずくめの女は肩に蝙蝠を乗せ、男に伝えた。


「如何するも何も……どんな手を使ってでも、連れ戻せ。早急に」


「承知。……ただ、1つ宜しいでしょうか?」


「なんだ、言ってみろ」


蝙蝠(こうもり)によれば、ゴンズを捕虜した者は2名。

 銀髪の男と水色髪の女の模様……

 奴らは明日 王国へ向かうようです」


「……まどろっこしい事ァは面倒だ! 先に結論を言え!!」


「……森林で奇襲を仕掛けるは我が得意分野。

 貴方さえよければ、奴らが明日 森へ足を踏み入れし時

 奇襲を仕掛けたいと思いますが…如何でしょう?」


「仮に明日、そいつらが森へ行かない場合は?」


「病か何かにならない限りはあり得ません。

 我が従える蝙蝠(こうもり)達は全てを見通します……

 捕虜した奴らは固い決意している。

 王国への進行を止めるのは あり得ません」


「……大した自信だ。良いだろう、明日中にゴンズを連れ戻せ。

 高ェゴールド支払って雇ってンだから、少しは俺の……

 いや、この盗賊団の役に立て、K(ケイ)


「はっ!」


 女は その濁りきった瞳を閉じながら、自信に満ち溢れた様子で返事をした。

 いつも通り、命令に従った行動をし、明日も人殺しで生き永らえる。そう、思いながら。


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