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何でもする人は楽じゃナイ!  作者: 氷上 冷嗚
第01章:盗賊団
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028 - 黒いローブの者(4)


「ううう、目がぁ……」


「ひとまずここは退くとするぞ、ザクロ!

 誘導するから取り敢えず歩け!」


「うえええ……分かったよぉ……」


 そういうとザクロとイチジク、と言われる者達は洞窟の出口に向かって走り出した。


「お、おいこら待て! レイン、僕達も行くぞ!!」


「う、うん!」


 このチャンスを逃がすまいと僕達も出口へと急ぐ……。


-----------------------



「まってよー!!」


「あ、足が速いナ。

 子供の出せるスピードじゃない……」


 僕達はあれから奴らを追う為に洞窟を出て、暫く森の中を走っていた。



「……くっ、どこまで追って来るのだ……。

 ザクロ! おぬしだけでも逃げろ!

 こうなれば、(わし)が奴らの相手をする!」


「えーっ、で……でもぉ……

 ザクロ、ウサギだし……そんな任せる訳には……」


「こんな姿でも、あんな奴らに後れを取るような(わし)ではないわ!

 それに知っておろう! (わし)は足がとっても速い!

 危なくなったら走って逃げるわい! だから、さぁ早く!」


「う、うぅ……絶対にやられないでねぇ……」



 突然、頭の上に乗っていたウサギが飛び降り、僕達の道を塞いだ。

 確か……イチジク?と呼ばれていた気がするが……。


「え、えーっと……兎さん、ちょっと道をあけてくれないかな?

 僕はちょっとあの子に聞きたい事が……」


「黙れ、この無法者ォ!!

 貴様の事はよく知っているぞ!」


 大声でウサギは答える。


「まず! そのボサボサの水色の髪――」


「レインはちゃんとボクが髪の手入れしてるから

 あの癖っ毛以外はボサボサじゃないヨ」


 クロードが答える。

 続けて兎はまた言う


「その鋭い目つき……」


「パッチリおめめの可愛い目つきの間違いじゃナイ?」


 そんなにパッチリしてるかな……こ、今度確認しておこう……。


「そ、その高身長……」


「165cmが高身長って言えるかナ」


 うん、流石に165cmは高身長と言えな……って、あれ? なんで僕の身長知ってるのクロード!?


「……ど、何処かに大剣を隠しているのだろう!?」


「仮にそんな大剣を隠せていても

 レインは握力ないからそんな大剣なんて持てないよ」


「は、恥ずかしながら……」



「……一度、ザクロと相談させ……」


「このまま走って何処か行っちゃったよネ?

 というか、さっき洞窟を探す時に見つけたんだけど

 このまま真っすぐ走ったら崖があったような?」


「えっ」


 それを聞いた途端、兎は顔を真っ青にする。

 いや、兎が顔を真っ青にするって変な表現だけれど、確かに表情がヤバそうな表情をしたのだ。


「い、いかん! ザクロはまだ目が……

 このままでは、そのまま崖に落ちてしまうぞ!?」


 なんと? それかなり危なくない!?

 目が治っていなかった場合、さいあく あの子は崖から真っ逆さま? それだけは避けなきゃ!

 気が付くと、僕は崖のあるという方向に全速力で走っていた。



-----------------------



「ちょっと、レイン! 止まれよォー!!」


 全速力で走っている最中、追いかけてきたクロードが そう叫ぶ。


「止まったら絶対に間に合わないよ!

 今ですら間に合うか分からないのに!」


「いや、さっきまで気を失っていたヤツが何 言ってんだヨォ!

 元気になりすぎだろー!」


 兎に角 出来る限りで急がなくては、あんな幼い子の死体なんて見たくない!

 そう思いながら走っていると……


(わらべ)! どうしてザクロの後を追う!?

 崖から落ちる姿を見たい為か!?」


 突然、後ろから物凄いスピードで追ってきた黒兎が言ってきた。


 あの子の為に急いでいるのに、そう思われてしまうのか……いや、でも僕の事を仇だと勘違いされてるし、そう思われても仕方ないか……。

 取り敢えず誤解を解かなくては……。


「あの子を助けたいからに決まってるでしょう!

 僕はそんなに性格悪くないよ!」


 そう僕が伝えると、続けて兎が問いてきた。


「……(わし)らは、(わらべ)達の命を狙ったんじゃぞ?

 普通は見過ごすのが道理じゃろう!?」


 そう言われると確かにそうなんだけれど……

 でも、それでも僕は……


「それでも!!

 あんな幼い子の落下死体なんて見たくないんで!!

 それに、何だかあの子は放っておけないんだ!

 よく分からないけれど!」


 そう言うと、兎は少し驚いたような顔をしていた……気がした。

 そして、次の瞬間――


「……(わし)の背に乗れい、(わらべ)


「へ――」


 何と、黒兎は耳の生えた黒髪の美人へと姿を変えた。

 変身の際に どこから出たのか分からないが、先程のザクロと似たような衣装を身に纏っている。

 ほぼほぼ人間の姿をしていたが、顔はほんのりと獣のような顔つきをしていた。


「ま、まさか貴女は……」


(わし)は獣人族じゃ!

 いや、今 そんな事はどうでもいい。

 (わらべ)の足ではザクロには到底追いつけん!

 ただ(わし)なら間に合う! だから早く(わし)の背に!」


「し、失礼します!」


 勢いのままにおぶってもらう。

 そして、そのまま獣人は物凄い勢いでザクロと呼ばれる子供の元へと急いだ。


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