表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
何でもする人は楽じゃナイ!  作者: 氷上 冷嗚
第01章:盗賊団
24/34

023 - 決闘 王国騎士団三番隊 隊長(2)


「どうしました? もう終わりでしょうか……なら」


 アグネスさんは持っている剣を鞘に入れたまま持ち上げ構える。


「次はこちらの番です!!」


 そう言うと、彼はすぐ近くにいたクロードを無視し 物凄い勢いでこっちに突撃してきた。


「ちょ、レイン!!」


「わわわっ!?

 こ、コールドバ――


 すぐさま呪文を唱え応戦しようと試みたが、無情にもそれが間に合わずアグネスさんの迷いのない一撃を喰らってしまう。


「がッ……はッ――」


「レイン!!」


「脆いですよ、それに貴方は正攻法すぎます レインさん。

 そんなでは……」

()()()()()()()なんかしやがって!

 よくもレインをぉぉぉっ!!!」


-----------------------

 レインがやられ、怒りのままに突撃をするクロード。

 しかし、アグネスは それを予想していたかのように鞘に入れたままの剣で反撃をする。

 アグネスが振るった剣はクロードの腹に思い切り当たった。


「ぐぅっ……」


「武術の心得がないのに私に向かってくるその勇気は本物……

 ですが、あまりにも無鉄砲すぎます」


「ふはっ! 御忠告ありがとォ!!

 でもボクはそんな撃たれ弱いわけじゃなくてね、アグネスサン!!」


 そう言いながら、彼は右手を擬態の能力で大きな鉤爪に変形させ もう一度突撃を仕掛ける。


「むっ、その腕は……!?」


「ちょっと変わった特技だよ!」


 乱暴に右腕を振り攻撃をしかけるクロード。

 何とか当たるまいと、アグネスはそれをバックステップでかわしていく。


「速い……!

 乱暴な攻撃ですが、こうも速いとやりにくいですねッ……!」


「でしょう!

 そしてまだやれる事はあってね……」


 右手を振りながら左手を縄の様なものに変形させる。

 そしてそれをアグネスに巻き付けようと試みた彼だったが……。


「破ァッッ!!!」


「なっ!?」


 今まで攻撃をかわしていたアグネスは突然 大声で叫んだと同時に彼の周囲に衝撃波のようなものが発生した。

 その勢いでクロードは吹き飛ばされてしまう。


「……まだやれる事があるのは私とて同じ。

 甘く見ないでいただきたい」


「甘く見てるつもりはなかったんだけどネ。

 というかアグネスサン、まだ真面な攻撃の一つも出してないのに

 よく言うヨ……」


「市民に大怪我させる訳にはいきませんので」


「……そっ。

 じゃぁ甘く見すぎなのはアグネスさんの方だね!!」


 そう言うと突然、クロードはアグネスの視界から消えた。

 否、"消える" というより、まるで落とし穴に落ちるかのように、そのままの姿勢で地面へと落ちていくような感じだった。

 そこから彼の気配は消え去る。


「なっ!? き、消えた!?」


 すぐさまアグネスは身構える、その態勢のまま周囲を見渡すが、周りには誰もいない。

 そう、彼の周りには"誰もいなかった"のだ。


(そういえばレイン殿は――)


 そう思った瞬間、アグネスの全身は一瞬で凍り付いた。

-----------------------


「……ふーっ!

 どうだ、クロード! 僕だってやる時はやるんだよ!」


「ナーイス! レイン!」


 いつの間に回り込んだのか、僕の後ろから突然 現れるクロード。


 なんやかんやあったが、数ヶ月ぶりの"入れ替え作戦"で対象を全身氷漬けにする事に成功し、僕は久々に達成感を感じていた。

 それもこれも彼のおかげだ。


 入れ替え作戦……戦闘の最初に、僕が対象の気を引くだけの"弱いサポート役"だと思わせた後、クロードが戦闘をしている間に遠くから あの大きい凍結呪文を放つという作戦である。

 といっても、あの凍結呪文は詠唱がとても長く それを気づかれたら最後な上、戦闘中に一回 放てるかどうかの博打技なのであまりやりたくはない。

 更に言うと、場合によっては今回みたいに痛いおもいをしなくてはいけない時もあるので極力控えたい……。


 しかし……正直、こんな戦法が王国騎士団の隊長に通用するか不安で仕方なかったが無事に成功した事に、割と唖然としている。

 と、安心しきっていた次の瞬間――


「破ァッ!!!」


 突然、彼の大声と共に全身を覆っていた氷が勢いよく砕かれた。

 今までこんな事はなかったので夢でも見ているようだった……。


「えっ!? う、嘘!?

 レイン!? もしかして手、抜いた!?」


「いや抜くわけないよ!! というか抜き方が分からないよ!!」


「だよネーッ!?」


「レイン殿……クロード殿ォ……」


 あまりの光景に焦っている僕達の事など気にせず、アグネスさんはゆっくりとこちらへにじり寄ってくる。


「来てる、来てるよ!? 何かすっごく恐いんだけどアグネスさん!!

 どうにか出来ないのクロードぉ!?」


「無理! もうボクも魔力ないよ! 残量ないよ!!

 前のボクだったらこんなこと絶対起きないのにィ!!」


「お二人共……よくも……よくもォ……ッ!!!」


 あれは……やっぱり もしかして、相当 怒ってる!?

 そりゃそうだよね!? 騙し打ちみたいなものだもんね、これ!? 王国騎士団の人にこんな事したら怒るに決まってる!!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ