016 - 村での戦い
「凍り付く錠前!」
「メガウィンドォ!」
「ぐおォ!」
「なんだコイツらァ!?」
僕達は村で暴れている盗賊の相手をしていた。
でも想像以上に人数が多く、このまま相手をし続けていたら、正直 体力と魔力が持つか分からない……。
「クロード! 敵は後どのくらいいる!?」
「分からない……コイツら、倒しても倒してもキリがない!
というか……」
交戦しながら、クロードは香さんの方をチラリと見る。
「香サン! 何故戦わない!?」
そう、香さんは後ろで棒を振っているだけで全く戦おうとしないのだ。
そりゃまぁ、今までのんびりと暮らしていた人がいきなり戦場に駆り出されても直ぐに戦えるわけがないよね……。
「えっ、いや ぼくもやれる事はやってるよ!?」
「なんだって!?」
それを聞いたクロードは"信じられない"という顔をしている。
いや僕も僕で その発言はにわかには信じられないけれど、確かに棒を振っているだけで他には何も……
……いや、何か……聴こえる……?
「クロード! 何か聴こえない?」
「えっ、聴こえるって何が……」
今まで戦闘に夢中で全く気が付かなかったけれど、耳を澄ましたら何かが流れている……。
これは……音楽?
これを聴いていると何だか力が湧いてくるような……。
「レインくんには聴こえているようかな?
そう! ぼくの能力は音楽! この指揮棒を振ると
思いのまま音楽を奏でる事が出来る能力!
そしてこの音楽は、聴いた者に何らかの効果をもたらす!!……筈ッ!」
「それは使う前に言ってヨ!!
しかも"筈"って!!」
「ドッキリって必要でしょ?」
「戦闘にそんなもの必要ないから!!!」
ツッコミつつ、擬態能力で変形した腕で敵をなぎ倒していくクロード。
力を失った筈なのに よそ見していても敵を倒せるなんて、流石の戦闘力だ……これが経験の差なのか。
"僕も負けてられない!"そう思い、手に氷の剣を作り出し その剣で盗賊を斬りつける。
実は僕も、剣術の心得は多少ながらあったりするのだ。といっても、本で読んだだけの見よう見まねなものなのだけれど……。
「く、くそが!! なんなんだ、お前らは!!」
「取り敢えずお頭に報告だ!!」
目の前にいた盗賊は、困惑しながらそんな事を言い、逃げ出した。
"お頭"……もしかして、ここに この盗賊達の頭領がいるのかな?
そいつを倒せばこの盗賊達も戦意喪失するんじゃないか……?
「クロード、お頭ってまさか……」
「そのまさかじゃないかな!
追いかけるよ、レイン!!」
そう言われ、僕達は逃げた盗賊達を追いかけようとするが、他の盗賊達が壁となり邪魔をしてくる。
一体どんだけいるんだコイツら!! ここまで数が多いと流石に嫌気がさしてくる……。
こうなったら村の人達には迷惑がかかるだろうけど、あれを使うしかない。
「冷気よ、今ここに集まり爆発せよ! 冷気爆破!!」
普段はあまり言わない詠唱をし呪文を唱えた瞬間、いつもより大きい爆発音と爆風が盗賊達を襲う。
呪文は詠唱を含めると多少 威力や効力が高まるのだ。
その分 消費する魔力も上がるから普段はあまり使わないんだけれども。
呪文のおかげで良い感じに盗賊達を吹っ飛ばしたり 怯ませることが出来たので、僕達はその隙をつき奥へと突き進む。
……が、香さんは僕達の後について来れていないようだった。
「香さん!」
「ぼくは大丈夫!!
こっちで何とかするから二人は早く! 逃げた盗賊の所に!!」
「レイン、ここは彼女を信じて先を急ごう!」
「う、うん……」
クロードに言われるがまま、香さんを信じる事にして奥へと急いだ……。
この判断が、後に良くない結果をもたらすとも知らずに。
最近忙しい上に書き溜めた話がなくなってしまったので、1話1話の内容が少ないですがご了承下さい。




