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第六話 地震の時の話

現在の、熊本を舞台にしている為。

地震の話は避けては通れないので、この話で取り上げます。


なお、地震の話が出てくるので、不快な方は注意して下さい。


また、不謹慎(ふきんしん)に思われる表現があるかもしれませんが。

その点は、ご容赦(ようしゃ)下さい。




 「あ〜、美味しかった〜。

 叔母さん、ありがとうごさいます〜」



 「ふふっ、(ゆう)ちゃんに喜んで()ろうて〔貰えて〕良かった〜」




 久しぶりに食べた、有明の海の幸に満足した悠ちゃんに。

母さんも喜んでいた。




 **********




 夕食が済むと、僕達は居間へと移動した。


 母さんが食器を片付ける際、悠ちゃんがいつの間にか手伝っていたので。

それを見た母さんが、


  ”女の子が()ると良かね〔良いわ〕〜”


と言いながら、感激していた。


 そうやって、母さんと悠ちゃんが片付けを終え居間に来た。




 『(熊本地震から、今日でXXX日を迎えました)』




 二人がソファーに腰掛けた所で、点けていたテレビよりアナウンスが流れた。




 「・・・あの、地震の時。

 コッチの方はどうでしたか?」




 テレビのアナウンスを聞いて。悠ちゃんが真剣な面持(おもも)ちで尋ねる。




 「まあ、こっちん〔の〕方は、大した事は無かったばい」


 「そうそう、酷かったとは、益城(ましき)とか熊本市内から南ん方やけん〔だから〕。

 玉名(たまな)とか、北ん方はそぎゃん〔そこまで〕は無かったたい」




 父さんと母さんが、そう応える。


 テレビの全国ニュースでは、さも熊本県全体がそうなっている様に報道されているが。

同じ県内でも、被害の状況はかなり違う。


 酷かったのは、震源の益城を始めとした熊本市内から南の方及び。

阿蘇方面が酷くて。

僕が住んでいる玉名から北の方は、そこまででも無かった。




 「最初ん時が凄かったね。

 (なん)さま〔何より〕、部屋全体が揺るるごたる〔揺れる様な〕揺れは初めてやけん」


 「・・・えっ、そうだったの」


 「うん、コッチん方も一応地震はあるとばってん。

 あぎゃん〔あんなに〕(ひど)かとは初めてばい〔初めてだよ〕」


 「そんなに・・・」


 「そん〔その〕時の揺れは、一分くらい続いたとやけど〔けども〕。

 同じ位ん〔の〕揺れが、そん翌日ん夜中にまた来たけんね」




 僕の話を、悠ちゃんが真剣に聞いている。


 この辺りも、地震は阿蘇や九重(くじゅう)、または宮崎沖辺りが震源のやつが、時々あるのだが。

 あの時は、今まで体験した事の無い酷い揺れだった。


 最初に来た揺れは、余りにも酷くてビックリしたが。

それとほぼ同じ揺れが、しかも夜中に来た時は更にビックリした。



 「だんだん弱く、数も(すく)のう〔少なく〕なって来よった〔来た〕けど。

 3ヶ月位は、余震も結構大きかと〔大きいの〕があったし」


 「そんなに続いたの・・・」


 「まあ、コッチん方は酷うなか〔酷くない〕とは言え。

 あれからスーパーやらコンビニで、水やらカップ麺とかが棚ごつ〔ごと〕()うなってしもうて〔無くなってしまって〕。

 (なん)さま〔何しろ〕、熊本市内とかん〔とかの〕人は、ワザワザ福岡市ん〔の〕方さん〔へ〕買い出しに遠征したらしかけん〔らしいから〕」


 「そうなの・・・」




 あの時の事を、彼女に語っていると。

それを聞いていた悠ちゃんが、唖然(あぜん)としていた。




 「・・・でも良かった、(そう)ちゃんが無事だって。

 私、本当に心配だったんだよ・・・」


 「えっ?」


 「最初、聞いた時はビックリしてしまって。

 颯ちゃんに何か無かったかって、心配で(たま)らなかったの・・・」


 「そぎゃん〔そんなに〕、心配してくれたとね〔の〕・・・」




 僕は、彼女がそんなに心配してくれたにビックリしていた。


 それも悠ちゃんが男のままなら。

若干オーバーだが、単に従兄が心配してくれたと思えるのだが。

可愛い女の子にそう言われると、何だか別の意味に錯覚してしまいそうだ。




 「・・・あっ、その時の事を思い出したら、涙が出ちゃった・・・」


 「ああっ、悠ちゃん!」


 「こらっ、シッカリ(なぐさ)めてやらんね〔やりなさい〕、こん〔この〕色男」




 そんな事を思っていたら、突然悠ちゃんの目から一筋の涙が流れ。


 その涙を見て僕が慌ててしまい。

母さんの方は、そう(はや)し立てる。


 先程もそうだが。

女の子に泣かれた事の無い僕は、(あせ)ってしまった。




 「・・・ごめんね、・・・ごめんね。

 今、涙を止めるから・・・」


 「ほらっ、さっさと悠ちゃんば〔を〕抱き寄せんね〔寄せなさい〕!」


 「ちょっ、母さん!」




 必死で涙を止めようとする悠ちゃん。

それを見て、僕をけしかける母さん。


 さっきは成り行きで抱き締めたけど、こんな人目がある所で出来ないよ!


 僕は必死で何とか、彼女を慰めようとした。


 そんな騒がしい僕達を、ただ一人父さんは。

(あき)れた目で見ていたのであった。



(ちな)みに、私(作者)は前震の翌日、手続きの為、玉名市内に行っておりましたが。

その時は、玉名市内はモチロン通った道筋も、一部通行止めがあった位で。

特に、被害があった様には見えませんでした。


それは、その当時の益城や阿蘇方面の惨状(さんじょう)と比べると、余りにも掛け離れていました。


つまり同じ県内でも、被害にそれだけの違いがあったと言う事です。


また本震があった時は夜中だった上、その当時木造のボロ屋の二階で寝ていたので。

今までにない揺れが起こった時、半分死ぬのかと覚悟しました。


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この作品同様、TS娘と少年との恋物語の作品です。
・こんな僕でもいいの?
また、これらの作品も熊本を、舞台にした作品です。
・変わらない仲と変わった思い
・熊本のお姉ちゃん

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