第十九話 前の学校の制服
今回は、パンチラネタの話になります。
夏も真っ盛りの、とある夜の事。
「(コンコンコン)」
「颯ちゃん、良い?」
「良かよ〜」
いつもの様に、部屋でノンビリしていたら。
イキナリ悠ちゃんがやって来て、ドアをノックをする。
悠ちゃんは夜になると、良く僕の部屋に来るので。
最近では、それが普通の事になっていた。
「(カチャ)」
「じゃ〜ん!」
ドアが開くと同時に、彼女が擬音を口にしながら部屋に入り。
「えっ?」
僕は、部屋に入った悠ちゃんの姿を見て驚いた。
「どぎゃんしたと〔どうしたの〕、そん〔その〕格好は・・・」
「えへへへ〜♪」
彼女は、ブレザータイプの制服を着ているが。
着ているその制服は、僕の学校どころかこの近辺の学校の物では無かった。
悠ちゃんの着ている制服は、白い半袖カッターシャツと赤いリボンタイに。
それから、濃紺のプリーツスカートと、足元の白のワンポイントが入ったハイソックスと言う姿であり。
多分、夏服の方を着てきたのだろう。
特に眼を引くのは、そのスカートの長さが、膝上どころか股下十数cmくらいの短さで。
膝下が多く、膝上でも数cm程度が当たり前のこの辺りでは、考えられない長さだ。
因みに、僕の学校の場合は後者の方になる。
スカート丈の短い、その制服を彼女が着ると。
当然、彼女の白くて引き締まった脚が丸見えになって、目を引いてしまう。
だから向こうの制服を着た、悠ちゃんを見た僕は。
まるで、雑誌のグラビア写真でも見ている様に思えて、仕方がなかった。
「これね、前の学校の制服なんだ〜」
「へえ・・・」
僕の疑問を悠ちゃんが解説してくれた。
ああ、なるほど、向こうの学校の制服なのか。
だったら、こちらでは考えられないスカート丈なのは納得する。
「コッチの学校で、もし制服を用意するのが、間に合わなかったらと思って。
念の為に、一応、持ってきたんだけど、大丈夫だった」
「ああっ、それで持ってきたとね〔んだね〕」
「うん、でね、服の整理していたら、これがあったから。
颯ちゃんに見せようと思って」
「そっ〔それ〕で着たと〔の〕?」
「うん、でも、この制服も結局、少ししか着なかったんだよね・・・」
そう言うと彼女が、急に物憂げな表情になる。
恐らく、向こうでの事を思い出していたのだろう。
余り良くない思い出を・・・。
「・・・あっ。
ねえ、どお颯ちゃん、この制服?」
「(くるり)」
「あっ・・・!」
そんな悠ちゃんを、僕が心配そうな目で見ているのが分かったのだろう。
急に、彼女が口調を変えて、いきなりターンをし出す。
しかし、その場で急にターンしたので。
勢い余って、その短いスカートが予想以上に捲れ上がる。
”白いなあ・・・”
全く、予期しない事が起こった所為か。
逆に僕は目の前の物を見て、そんな呑気な事を思ってしまった。
「(バサッ!)」
「ううーーっ・・・」
予想以上にスカートが捲れた事に、ようやく気付いた悠ちゃんが。
慌てて前を抑えながら、涙目で僕を睨む。
「・・・颯ちゃん、見た?」
「(ブルブルブル)」
「うそ、見たでしょ?」
「(ブルブルブル)」
涙目で僕を追求する、悠ちゃんだが。
僕は、必死で首を横に振る。
「み、見とらん〔見てない〕よ、白か〔白い〕物とか!」
「ほら! やっぱり見てるじゃないの!」
必死で、否定しようとしたが。
僕は口を滑らせ、墓穴を掘ってしまう。
「もお〜、恥ずかし〜い!」
「(バタン!)」
「・・・あっ」
恥ずかしさの余り、彼女がドアを音をさせて出ていくと。
残された僕は、間抜けな声を出した。
「明日、会った時、なんて言おうかな・・・」
あの様子だと、多分明日、会ってもマトモな会話にならないだろう。
余り様子が変だと、母さんから余計な追求をされるし。
そうなると、色んな意味で厄介だ。
悠ちゃんが去った後のドアを眺めながら。
僕は、明日、どうやって謝ろうかと悩んでいたのであった。
前にも書きましたが。
去年、親戚の葬式で会った東京の方に住む、親戚の高校生になる女の子を見て驚いた一つが。
着ている制服のスカート丈の短さでした(笑)。
いや、特に田舎の方は校則が厳しいみたいで、制服のスカート丈が膝下は当たり前であり。
あっても、膝上数cmが良い所です。
だからこそ、その娘が着ている、制服のスカート丈の短さが衝撃的で。
特にそれが、垢抜けた雰囲気を持っている娘が着ていたから。
まるで、雑誌のグラビア写真でも見ている様な感じでした。