昼夜一定
ギリギリだけど!今年最後の更新です!間に合った!
確認出来てないので誤字脱字とかがあるかもしれませんがそれは明日にでも直します!
街を出る時に使った抜け穴を使って無事に家に着いた頃にはもう日が沈みかけていた。そろそろイザベラさんも帰ってくるだろう。
暴食猫のグラは今頃街の中を自由に歩き回っていることだろう。ハオスによると命令を理解して動くことができる知能はあるということだったので日中は街で過ごしてもらい、夜になったらこの家で合流する事にした。
そんなこんなでイザベラさんが帰って来ていつも通りの時間が過ぎる。あっという間、とまではいかなくてもすぐに夜中になってしまった。スキル『不眠』のおかげで全く眠くならないし、イザベラさんも寝てしまった。そろそろグラも来るだろうし出発する事にしようか。
◇
前回と同じように窓から外に出る。あの四人のおかげで体が少し強化されているようで、体が少し動かしやすくなっているように感じた。
外にはすでにグラが待っていたので抱き上げて一緒に進む。不思議なことにグラには見た目ほどの重さがない。頭に乗せていても動くのに支障をきたさないほどの重さで、一体吸収した分の質量はどこに行っているのだろうか。
さて、今日狙うターゲットは大体決まっている。それは路地で寝ている人達、いわゆるホームレスである。そこだったらいくらか人が消えても気にかける人はほとんどいないだろうし。
というわけで少し歩くとすぐに路地裏に着いた。早速取り掛かるが、どこに人がいるのかとかは知らないのでしらみつぶしに探していく。
少しして五人ほどで集まっている人たちを見つけた。そのあと五人がどうなったかは割愛するが、全員ぐっすりと眠っていたとだけ言っておこうか。
「グラ、全部食べていいぞ」
これでここに五人がいたという証拠はほとんど無くなった。ただ、昼に食べせた時に知った事だがグラは服や靴などは吸収出来ないようなのでそれらはまとめて燃やす。『生活魔法』様様だった。
それからも合計十四人ほど見つけ、処理したところで今日は切り上げる事にした。ちょっと一度にやりすぎたかもしれない。
先日の火事の影響か、見回りをしている兵士の数が多くなっていた。兵士が邪魔で殺せなかった人も何人かいたが、見つかると大変なので渋々諦めるしかなかった。流石に武装している相手に二体一はまだきつい。せめてもう少し攻撃手段を増やさないと。
家に帰ったらやることも特にないので眠る事にした。別に眠る必要が無いからといって眠れない訳ではないので。
◇
そして朝。眠気も体の疲れも無く軽く伸びをしてベッドから出る。朝はイザベラさんを見送り掃除洗濯を終わらせればすぐに自由時間だ。
そういえば昨日殺した子供の親はどうしてるんだろう?探し回っていたりするのだろうか。あまり騒ぎにしないでほしいと思う。面倒な感じになっていたら早めに始末しておかないと。…まあどこの家か知らないんだけど。
日中は人目も多く目立ったことはしにくい。とりあえず少人数で遊んでいる子供を探す事にし、見つけたら外に誘い出す事にしよう。
と、思って探し始め、速くも数時間が経った。歩いて少ししたぐらいに子供が大勢集まって遊んでいるのを見つけたが、流石に目立ちすぎると諦め、それからは全く子供に遭遇しないまま時だけが過ぎて行った。この分ではなんの成果も得られないと思い、夜に活動しやすいように下見をする事に決め、怪しまれないぐらいに家を見て回る事にした。
結局今日の成果は入りやすそうな家を数軒見つけただけだった。
◇
そして夜、家を出るとまずは昨日と同じく路地裏に向かう事にする。昼に下見した家はそのあとに行こう。
「じゃあグラ、お願い」
昨日とは逆方向に来たが、こちらの方が人が多いようだった。心なしか見回りの兵士が多いようだがそれを気にしながらでも昨日よりも多くの人数を殺す事が出来た。
「もう一本ぐらい欲しいな…」
魔法で綺麗にしたナイフを見ながら呟く。ハオスから貰ったこのナイフは今まで結構雑に扱って来たが、その切れ味を失う事なく今も新品同様に輝いていた。一度に相手をする…と言っても寝ている相手だが…と、もう一本ぐらいナイフが欲しくなる。
壊れると攻撃手段が無くなるわけだし魂もあるから明日にでも外に出て考えようか。どうせ日中はちょうどいい相手も少ないし。
そんな事を考えながら歩き、昼に見繕った家の前に来ていた。
侵入する家を決めた条件はただ一つ。それは、鍵がしっかりとした作りとなっていないという事。見たところこの家は二階の窓に鍵が付いていない。そこから入る人など本来いないわけだからそうなるのも分かるが、やっぱり鍵はつけておいた方がいいんじゃないかと思う。自分みたいなのが入ってくるわけだしね。
窓の周りには足場となるような出っ張りは殆ど無かったが、レベルが上がり強化されたこの体なら問題ない。楽々と窓を開けて入るとそこは廊下で、目の前には階段、左右に一つずつ部屋があった。
恐らくは左右の部屋の片方、もしくは両方が寝室だろうとあたりをつけ、利き手の方向だからという理由で右側の部屋から潰す事にした。
中には男が一人寝ていたが、もう慣れたもので特に感じることも無く殺して次の部屋に向かう。
寝ている相手を刺すのが一番簡単で安全なのだが、やはり張り合いが無くなってくる。ある程度人数を殺してもっと強くなったら白昼堂々と殺して回ってもいいかもしれない。…それは流石にやめておいたほうがいいか。
やり方さえ分かっていれば簡単なもので、あっという間に三軒の家を周り終わってしまった。
「さてと、そろそろ帰ろうかな」
窓から飛び降り家へと向かい始める。グラが寝床としている場所は家とは逆方向で、もう今日は帰るだけなのでそのまま別れた。
それから少し歩くと、道の真ん中で倒れている人を見つけた。酒を飲んでいたようで、近づくだけでひどく酒の匂いがする。
「まあ気にしなくていいか。殺そう」
ほっといておく理由はないのでそのまま殺して心臓を抉る。キルスコアを増やせた幸運に喜び、さっきまでと同じ様にグラに死体を処理してもらおうとして思い出す。
「あ…今グラいないじゃん」
どうしようか。完全に忘れていた。グラを呼んでくるにしてもこの死体を放置するのは気が引ける。
そんな事を考えていたのがいけなかったのだろうか。
とりあえず死体を隠そうと細い路地に運ぶと、ちょうどそれを置いたタイミングで奥の道を曲がってくる人影があった。
「やばっ」
死体を隠すか身を隠すか、一瞬の間に判断し、死体を隠すのを諦める事にした。この死体だけで自分が殺したとバレることはないとしても、姿を見られるのはアウトだろうという判断だった。
走ってその場を離れると、間も無く死体がある場所から悲鳴が聞こえた。
「油断した…」
それからはちゃんと周りを警戒し、見つからない様に注意して部屋に戻った自分は、次からは油断しない様にしようと決め、明日は何をするかを考えているうちに夜も更けて行くのであった。
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【今回の殺害人数】
二十六人
【total】
三十五人
流石に明日更新は無理だな…大掃除に思ったよりも手間取ってしまった。