食料確保
でも帰った所でどうしようか…
単車を走らせながらこれからの事を考える
まずは当面の食料確保…生物はこの暑さだとすぐ腐るだろうからな
当面は保存食になるから食べられる生鮮食品は取るようにして…俺の家は狭いし余り物を置けない
・・・別に今の家で住む必要もないな・・・
いっそのこと予測不可能な自然災害や火事にも対応出来そうな最新のマンションにでも移ろうか…
でも入れるのか?コンシェルジュのあるマンションなら入れさえすれば
鍵は入手出来るのかな…
・食料確保
・住居の選定
・安全対策
色々やらなければ成らない事が有り過ぎて考えが纏まらない
そんな事を考える内に家に着いてしまった
取り敢えず食事を済まそうと家に入る10年ほど前に買った中古の一軒家
築はもう50年になるのか購入時に内装だけリフォームをしたので中は外見と違い綺麗なつもりだ
玄関をヨソヨソしく開け「ただいま…」っと家の中を様子見る
「なにをしとるのじゃオマエの家だろ?」
「いや…この時間だと妻が居るから何かね…」
「ほ~んそんなもんかね」
神様の疑問に答えつつリビングで弁当を開けテレビをつける
どの放送を選択してもエラー番号01の表記がされたまま変わらない
恐らく電波が受信出来てないということだろうテレビを消す
いっそ神様にこれからどうするか聞くか?
いや…聞いても答えてくれないだろ俺がこれからどうするのかを
見たくて憑いてきてるみたいだし
なにより聞いた時点で何か負けた感じがする
「いただきます」
「ちょっ」
「え?」
「え?じゃ無かろう妾にも献上せよ」
「え?」
「妾も食べたいと言うてるのじゃ」
「でも食べられませんよね?」
「何を言う取るお供えすればいいのじゃ
そこの白いお皿にその唐揚げと白いご飯をよそうのじゃ」
「そうそれで神社でよくやる儀式で良い
1礼2拍手1礼しどうぞお召し上がり下さいっと言えばよい」
言われるがまま小さな唐揚げ丼を作り
「どうぞお召し上がり下さい…」っと深々とおじきをし顔上げると
白いお皿に唐揚げ丼がこつ然と消えていた
「おぉ…」
ほんとに消えたよスゲ~
神様を見上げると
ん?
口元にご飯粒がついている…
もう一度、今度は唐揚げ2つを乗せさっきより大きめな丼を作る
1礼2拍手1礼「どうぞお召し上がり下さ」っと言い切る前に
バッと見上げると手づかみで口いっぱいに放り込む神様が居た
「うわぁ…」思わず声が漏れてしまった
食事も終え
バイクで荷物が運べそうな物を物色し洗濯物用の籠と
妻が契約している生協宅配の折りたたみ籠を2つ
バイクに固定する用にといつもダンボールを纏めるナイロンのヒモをチョイスする
「さぁ食料でも探しに行きますか」
っと言ったが矢先
どーーーーん
外から大きな爆発音か何かがぶつかったような音が聞こえた