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魔法とは

「ごはん!」


「アルスの眼が輝いてるのう。」


米はきっと日本人になくてはならない食品だと思う。それが目の前にあったのだから目を輝かせなくてなんだというのだ。


「アルスは米がすきなのか?」


シシリアさんの問いかけに俺は何度も頷く。当然だ、日本人に生まれて米が嫌いなヤツはおるまい。


「この米は美味いぞー、ワシ謹製じゃからして。」

「おじいちゃんが!?」

「そうじゃよ!」


おじいちゃんゲット!と村長はガッツポーズをしている。しかしそんなことより今はご飯だよ! 米食わせろ!興奮しているのがわかったのかシシリアさんが木皿にほかほかご飯をよそってくれる。イノシシの肉汁と香草の香りを纏った米はふっくらと炊き上がっており、香りと光沢がすばらしい。ふーふーして一口食べてみるとこれまた!


「すごくおいちー!」


アルスの語彙がないのが悔やまれる、原稿用紙5枚にこの素晴らしさを書きたいくらい美味いぞ!

しかも栄養失調気味のアルスの体に力が漲るような感覚すらある。 栄養が体に染み渡る感覚は非常に心地よい。


「ふー、おなかいっぱい・・・。」


膨れたおなかをさすりつつ満腹であることをアピールするとシシリアさんと村長のカイゼルさんはそろって笑顔で残った丸焼きを平らげた。 シシリアさんも結構大食いだな。


「ご馳走様、このイノシシは上物だったな。」

「うむ、偶然だが仕留められてよかったわい。」


イノシシは害獣だ、作物を荒らす関係から人里近くに出没すると狩らないといけないらしい。しかもこのイノシシ、魔力を備えた魔獣だったらしい。


「魔獣は魔物になる手前の動物のことじゃ。」

「魔獣になると魔法を使うヤツがいたりする。」


魔獣というワードを尋ねたところ二人はそう説明してくれた。二人はこの森でよく狩りをしているそうでカイゼルさんが追い立ててシシリアさんが待ち伏せて仕留めるらしい。


「魔法つかう?」

「うん? そうじゃのう、ワシは狩りぐらいでは使わんが。」

「私も魔物にも魔法は必要ないな。」


この二人肉体派なのか、それとも魔法がしょぼいのか。判断に困る。カイゼルさんにいたってはあんな見た目だし。


「それに魔法なんか使うと獲物が必要以上に傷つくからのう。」

「爆発する?」


冗談で言ったのだがカイゼルさんは笑っていった。


「どっちが使っても跡形も残らんよ。」


魔法やべーなオイ。っていうかこの二人が凄いのかやっぱり。


「魔法ってそんなにすごいの?」

「人間で使える者はほとんどおらんしのう。」

「居たとしてもエルフやカイゼルには遠く及ばないけど。」


へー、ってことは魔力とか凄いのかな。そう思い、目を凝らしてみる。するとカメラのレンズが変わったように二人の見た目が変わる。温度で色が変わるカメラみたいな見た目になった。


「おー、おじいちゃん赤と茶色ー。」

「?」

「シシリアおねえちゃんは緑色と青色だね。」

「?・・・まさか!」


俺が言った言葉がどういう意味なのかわからないがシシリアさんが凄くびっくりした顔をしている。


「あなた魔力の質がわかるの?」

「なにっ?!」

「・・・色が見えた。」


びっくりするとすぐに元の視界に戻った、これ集中力いるな。しかし色が見えたら何がそんなに驚くことなんだ?


「今あなたが見たのは私達の魔力の属性。 得意な魔法の属性が人には誰しもあるんだけどそれは体の中にある魔力の質が人によって決まっているから。 誰がどの属性に向いているかを調べる一番手っ取り早い方法なの。」


「なるほど、そういうことか。 赤と茶色とは・・・たしかにワシは火と土の魔法が得意じゃ。」


シシリアは風と水の魔法じゃのう、とカイゼルさんは言う。魔法を使える人はいずれかの属性と近い波長と魔力を持っているから。魔力自体はどの生物も持っているが波長が合わないと魔法は使えないらしく、その中で人間は属性に対する波長がもっとも弱いらしい。俺が見たのはその中で相手が最も得意とする魔法の波長を掴んだらしい。そして普通は道具や魔法を使って

それを調べるのだということも教えてもらった。



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