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会合の一コマ8

ぐー。


おなかの音で僕は眼を覚ました。たしかあのお姉さんの目を見てから気を失ってお兄ちゃんが頑張ってくれたから無事だった。それで・・・えっと・・・。


「どうしたんだっけ?」


少しふらふらする頭を振って僕はソファから起き上がった。


あの時、お兄ちゃんから声を掛けられてから少し時間が経っているようだった。

狩りに出たのは朝早かったし・・・太陽が高くなってるから今は昼ごろかな。 おなかもすいたし。

此処にはだれもいない。 おなかも空いたし此処にいても仕方ないので僕はキッチンに向かう。


おじいちゃんが居るかもしれないし、居なくてもなにか食べるものがあるかもしれない。


「はぁ、おなか空いたなあ。」


廊下の角を曲がってキッチンに入ると何か料理を作った様子がある。野菜のへたとか魚の骨とかがあるということはおじいちゃんがなにか作ってくれてるってこと。


「・・・!」


そう思っていると奥の部屋から話し声が聞こえてくる。紛れもないおじいちゃんの声だ。

お兄ちゃんはまだ寝ているからはっきりとは聞こえないけど他にもだれかが来ているみたい。


あのラミアのお姉さんの事もあるし挨拶とかちゃんとしといた方がいいのかな・・・。

それにおいしそうな料理の匂いもするし。


僕は自然と足が奥の部屋へと向いていた。


「おじいちゃーん? 入るよ?」


匂いに誘われるままドアを開けると一番奥の机におじいちゃんが座っているのが見える。そして僕が知っている人と知らない人たちが一斉に僕に視線を向けた。


「アルス?」


その内、シシリアお姉ちゃんが僕の名前を呼ぶと皆の視線が厳しくなった気がする。


「あ、あの・・・えっと」

「座りなさいアルス、昼食がまだでしょう?」


そう言ってラミアのお姉さんが僕に席に着くように促してくれる。 どうしよう。

恐る恐る椅子を引いて座っても皆は僕に注目したまま。怖い目つきでこっちを見ている。

隣に座っているラミアのお姉さんが唯一笑顔で僕にお皿を渡してくれる。


「緊張しなくていいわ、皆アナタが気になるだけよ。」


そういわれても知らない人がたくさん居るし・・・特に牛の角を生やした大柄な女の人がすごい目つきで

睨んできて怖い・・・。


(なんだよ、この可愛い生物は・・・。)

(やっだ、母性にピンときたニャ!)

(こ、これは・・・10、いや五年後が楽しみな!)


アルスの思いとは裏腹に一同はアルスが小動物のように震えながら食事を取る姿に相好を崩していたのだが。元来目つきが鋭く、しかも不幸な事に皆アルスよりも背が高かったことから彼を見下ろしているため

睨んでいるように見えたのだ。 彼女達は睨んでいるワケではない、凝視はしてたが。


こうしてハナシは最初に戻るのだ。




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