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会合の一コマ7

全員が席についたのを見計らったようにカイゼルが料理を運んできた。


「おう、皆元気そうでなによりじゃ。積もるハナシもあるじゃろうがまずはメシにしようか。」


カイゼルはそう言うと料理の入った大皿と鍋を置いて皿を配り始める。

皆はそれぞれが手馴れた様子で配膳を済ませると料理をよそって思い思いに食べ始める。


「あー!うめえ! ホントジーさんの料理は美味いよな!」

「だれがジーさんか、ワシはまだまだ現役じゃい!」


ワイワイと食事を取るなかでみなは近況報告に移っていく。


「最近の猫人族の居住区は大変よ、だってみんなのんびり屋の気まぐれなんだもの。 」

「ウチだって似たようなモンさ、ミノタウロスの一族は男も女も喧嘩っ早くてな。」

「ドラゴニュートは別の意味で大変だ。男が少なくて跡継ぎが居ないんだよ。」


「エルフは可もなく不可もなくといったところよ猫人族とは違うけどこちらも保守的でのんびりした考え方の連中が多いわ。」


「ラミアはもともと男がほとんど生まれないから万年男日照り状態ね、いい子ばかりなんだけど。あと、ビルニムが言うには狼人族とコボルト族の間に問題が発生しているらしいわ。」


「いったたたぁ・・・やっと追いついた。」


思い思いの問題を話しながら料理を突いているとようやくビルニムが合流し、世間話がそれぞれの種族の長による会合へとシフトしていく。


「なるほどのう、まあ元より戦災で離散した家族や避難してきた難民を纏めて出来た村じゃしそろそろ種族を居住区レベルで分けるのにも限界が来たわけじゃのう。」


カイゼルが最初にこの村を作った時にさかのぼる。その時には自分を信じてついてきた戦士達がいてその家族達がその当時最強の戦士として多種族を束ねていたカイゼルを頼って領地に入植した。

様々な種族は皆一様にカイゼルに従ったが当然ながら種族間同士での諍いも多かった。

それ故にそのたびにカイゼルは魔法で土壌を整え時に入植してくる異種族たちに生活する場所を与えたり、開墾を任せたりして領地を開いてきた。

近隣の国と折り合いをつけ、ときに戦いカイゼルはついに領地を公認のものとした。

しかしその夢がかなう頃にはカイゼルの後ろに従う者たちは代を替え、子は大人に大人は老人に老人は記憶となっていた。


「そろそろこの村にも新しい風を送り込むべきなのかもしれんのう・・・。」


皆がカイゼルの言葉に耳を傾けるように食事の手を止め、口を結んで彼の次の言葉を待っていた。


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