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夜の一コマ

お兄ちゃんのアドバイスを受けながら夕方まで僕は弓と投石の練習をした。


「っつ!」

『指を切ったな、今日はここまでにしよう。』


お兄ちゃんから今日の訓練にストップが掛かった。皮が硬くなって裂けてしまったらしい。


『魔法を使え、練習になる。』

「うん。」


水の魔法をイメージして傷口を塞ぐイメージをする。魔法は全てイメージが肝心とシシリアお姉ちゃんもいっていた。


『効いてるぞ。』


傷が徐々に小さくなっていくけど血が止まったところで効果が止まってしまった。それと同時にどっと疲れが溜まる。 魔力をたくさんつかったからだろうと思う。


『上出来だ。』

「でも・・・シシリアさん見たいにはできなかった・・・。」


ちょっとしょんぼりしていると僕の頭に痛みが走った。これはお兄ちゃんの干渉を受けたからだ。


『うぬぼれるな、出来ることに価値があるんだ。それともシシリアさんが努力して学んだ事をお前は初回でマスターするつもりだったのか?』

「うぅ・・・そんなつもりは・・・。」


『なら、出来ることからだ。 何事も重ねた数に意味がある。』


それからもお兄ちゃんに僕はこっぴどく叱られてしまった。どうしても僕は自分を過小評価しているらしい。良くわからないまま僕はカイゼルおじいちゃんの家に戻る。


「お、戻ってきたのう。」


エプロン姿でキッチンから顔を出したのはカイゼルおじいちゃん。シシリアさんと二人で僕の面倒を見てくれる優しいおじいちゃん。毎回豪勢な食事を用意してくれるのがうれしい。


シシリアさんはわりとワイルドな食事が多いので家庭料理が多いおじいちゃんの料理が大好き。

今日はシチューみたいだ。逆にお兄ちゃんはお肉が大好きなのでシシリアお姉ちゃんの料理が好きみたい。ほとんど丸焼きだったと思うけど・・・。


「今日はキノコとイノシシのシチューじゃ。それとシャドウが見つけたコウボとやらでつくったパンじゃ。」

「あ、それ僕大好きなんだ!」


お兄ちゃんは僕だけじゃなくて時々おじいちゃんでも知らないようなことを教えてくれる。

それのお陰でおコメじゃない日でも美味しいパンがたべられるようになった。おコメはたくさんできるらしいけど農地そのものが小さいから取れる量が知れているらしい・・・。


「おいしい!」


黒パンと違って白くてふわふわのパンはとっても美味しい。ただ日持ちしないので毎日焼かないといけないのが大変なところだ。大変だけどそれでも手伝うのが苦にならないくらい美味しい。


「うまうま。」

「うまいのう。」


少しずつちぎってシチューにつけて食べるとさらに美味しい。おじいちゃんはこんがり焼いたパンを器のようにしてそこにシチューを入れて食べている。真似したいけどあんなにたくさん食べれないので僕は普通に食べることにする。いつか小さいパンを焼いてみよう。






食べたらお風呂に入って寝る。僕は入らなくても平気なんだけどお兄ちゃんがうるさいので

眠い眼を擦ってお湯を沸かす。おじいちゃんは生活のことに魔法をあまり使わないので自然と自分で火を起こしたりすることが身についた。


「ふぅ~。」


湯船に浸かるとおもわず声が漏れる。なんでもお兄ちゃんの知る世界では毎日入っているらしい。

でもそんなこと出来るのは貴族でも限られた人だけだと思う。身の振り方から考え方まで僕にはお兄ちゃんがどこまで知っているのか全くわからない。


とりあえず言うことを聞いておけば間違いないんだけど・・・。



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