出会い
頑張って書きます。
「しかしどっちに向かえば街にでられるんだ・・? 近くに人でもいれば嬉しいんだが。」
あたりは人はおろか魔獣や動物すらいる気配がない。
「だぁ!面倒だ!・・!? そうだ!![完全空間把握]があるんだからこの森全体を把握しちまえばいいじゃねぇか!」
そうときめたら集中・・集中・・
「[完全空間把握]」
頭の中にこの森の現在の状況が流れこんでくる。 へぇ本当はこんな沢山動物も魔獣もいるんだな・・ どうやら神が気をきかせて俺がいたあたりを神域で覆っていたらしくそのせいでなにかと遭遇という事がなかったらしい。
そう・・人すら近寄れないどころか近くにいても目視できないようになっていたのだ。
「あのじいさん・・ちったぁ考えろよ・・・」
まぁ愚痴を言っても仕方がないので何処かに人がいないか把握した箇所を捜していく。
「いた!!数は・・二人・・?じゃないな魔獣と戦ってるのか!?しかも負けそうだし!」
こうしちゃいられない!せっかく見付けた情報源だ助けて恩売れば街までくらいは案内してくれんだろ。
「こっちだな!急がないと・・!!」
神域を[直接干渉]で解除して急いで走る。
ズガッ!!
蹴り付けた地面がめくれたようだけど気になんてしてられない・・!!
「つーか速すぎだろこれ・・俺は新幹線かってぇの。」
風を切り邪魔な木は薙ぎ倒し現場近くまで行くと声が聞こえてきた。
「女の子、しかも美人だったら嬉しいんだが・・(笑)」
SIDEクレア
私は最近冒険者ギルドに幼なじみであるカインと共に登録した。
依頼を二人で選び受けていたのだがいままでの生活より多少ではあるが収入も増え、失敗もなく順調にいっていた。
そのせいもあってか今回はいつも受けていたFランクの依頼ではなくEランクのラピッドウルフ5頭の討伐を受けこのシャレンの森にカインと訪れていた。
ラピッドウルフは単体ならFランクの魔獣だし、2人ならなんとかなるだろうと考えていた。
しかし・・実際ラピッドウルフ3頭に遭遇し戦闘になったのだが、思った以上にすばしっこく此方も幾らか手傷をおわされた。
なんとか討伐に成功し、その後、ラピッドウルフ2頭も発見倒したのはいいのだが・・血の匂いにつられてかビッグベアーがきてしまったのだ。
「さ・・最悪だ・・ビッグベアーはDランクの魔獣だ・・俺達がかなう相手じゃない」
カインは顔を真っ青にしじりじりと後退りしだした
「でっでも逃げられないよ!?カインもビッグベアーの足が速いの知ってるでしょ!」
「たっ・ ・戦っても殺されるだけだぞ!?にっ逃げないと!!」
この幼なじみはなにを言ってるのだろうか・・背中を見せれば即、死が待っていると言うのに。
「とっとにかく武器を構えて!!」
「わっ分かった!」
カインが銅の剣を構えたところにビッグベアーが襲いかかった!
「ガァァ!!」
ビッグベアーが大きく太い腕を振り上げその爪をカインへ振り下ろした。
バキャ!!
銅の剣ごと攻撃され剣は折れカインは3メートルほど吹き飛ばされた。
「カイン!?」
今ので死んでしまったかと不安に襲われる。
「だっだいじょぶだから・・クレア逃げろ・・」
「カインを置いて逃げれるわけないでしょ!!」
こんなところで幼なじみを餌にして逃げるなんてできるわけない、ここはなんとか自分が気をひいて逃げる状況を作らないと・・!
「このデカぶつ私が相手になってあげるわ!かかってらっしゃい!!」
懸命に声を張り上げビッグベアーを威嚇したのだが ものともせずに腕を振り上げ私を殺そうとしている。
「ガァァ!!」
ビッグベアーの爪が私に迫ってくる・・
もう・・駄目なのかな・・?
「はい、ストップ!!」
SIDE創夜
「はい、ストップ!!」
女の子に向かって振り下ろされた腕を左手で受け止めデカい熊を睨む。
「おい・・デカ熊・・なに女にこんな物騒なもん向けてんだ?・・殺すぞ?」
デカ熊は本能的にまずいと思ったのか若干怯えているみたいだ。
「なぁ、大丈夫か?」
デカ熊の腕を掴んだまま女の子へ振り返る。
「えっ・・あっ・・はい!」
女の子は無事なようなので取り敢えずこいつかたすかな。
「ふぅ・・オラァ!!」
デカ熊を至近距離から半分くらいの力で殴りつける。スキル[武神]のおかげで俺は元の世界の創作、実際関係なくありとあらゆる武術を人外クラスで使うことができる。
今使ったのもただ殴ったのではなく元の世界のマンガ、弟子ケ〇イ〇の師匠の一人中国武術の達人が使ってた技だ。
「羅刹勁・・効いたか? あぁ・・もう死んでるから返事は無理だわな。」
腹部に穴、右腕がちぎれとんだデカ熊の死を確認しながら女の子の方へ振り返る。
「終わったぞ。怪我はねぇか?」
「あ・・・はい、助けて頂いてありがとうございます。」
俺がデカ熊を始末した事にびっくりしたのか眼を大きくみひらいてるみたいだ。てか、この子異世界人初遭遇だけど可愛いじゃん! 輝く長い銀髪を後ろにながし痩せ形だけどそれなりに胸はありそうだ。眼は碧色でまつ毛は長く美人系、 はい、ハーレム入りご案内ってやつだな!
「お仲間は大丈夫か?」
ここで彼女の話しばかりしてたら印象わりぃからな。本来なら男なんぞ助ける気はないが、もしあっちで転がってる男が彼女と深い仲なら奪う為にも、器を大きくみせとかないと。
「そうだ!カイン!大丈夫!?」
みた感じあの男は両腕を複雑骨折、助骨も何本かいってるっぽいな。まぁ命に関わりはしないだろうが。
「くっクレア?ビッグベアーはどうしたんだ?」
「ビッグベアーは此方の方が倒してくれたわ! それより早く治療しないと。」
焦ってるみたいだし少しいいとこみせとくかな?
「多少なら俺が治療できるからみせてみろ。治療薬もないんだろ?」
「はっはい!!お願いします!!」
あんまり上位の回復魔法つかっちゃうと完治しかねんしな。ここは初級を最低限でいこう。
「じゃいくぞ・・ヒール!」
淡い光が男をつつんでいく。
ひびくらいにしとくとするかね。魅了スキルがあるといっても銀髪ちゃんと2人の時間を多くした方がいいのは間違いないし。
「どんな感じだ?俺は回復魔法はあんまり得意じゃないんだが。」
「いえ、だいぶ傷みが引きました。ありがとうございます。」
「そうかそれなら良かった。ところで俺はかなり遠いとこから旅してきた者なんだが、ここらに街はないか?道に迷ってしまってわからないんだ。」
「そうだったんですか。よろしければ近くの私達が拠点にしている街へと案内しますよ。私はクレアといいます。こっちの茶髪はカインです。」
クレアにカインね・・まぁ男はどうでもいいけど。
「それじゃ宜しく頼むわ。俺の名はソウヤだ。ソウヤでいい。」
さて街まで案内してもらいますかね。