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カインの願いと絶望

最近は疲れが・・(;_;)

「なにかようか?俺達はお前に用はないが・・」



「くっ・・!俺はお前に負けてお前の奴隷になる事になったはずだ!王都に行くなら俺もつれていけ!!」


俺を睨みつけてくるカインの表情は屈辱に塗れわざわざ話しかけてきた事に疑問をもつ程だ。



「そういえばそんな話しだったな・・そんなに俺の奴隷になりたいのなら構わんが。」


チラチラとクレアに視線を送っている時点でこいつの狙いはバレバレだ。

ようは俺達についてきておいて俺になにかあったさいクレアを奪い逃げようといったところか・・

奴隷契約を交わしてない状態なら口でいくら奴隷と言おうが奴隷ではないだろうから俺が世情に疎いのを利用して奴隷の振りをするって目論みだろう。

決闘の後に契約は後でいいと言ったのは間違いだったかね・・・



「とにかく宿に戻るんだろ!?なりたくはないがお前の奴隷になってやるから俺もつれていけ!」



「そうか・・それならフィリア!悪いが奴隷商人を1人呼んで貰えないか?この時間から奴隷商を探すのも難しいしもうすぐどこも店じまいだろうからな奴隷契約ができるなら誰でも構わない。」



受付の方に振り向きまだ先程の書類を片付けていたフィリアに頼む。



「それでしたらうちのギルドの職員に奴隷契約、売買ができる者がいますから呼んできますね。けどなんでそんな話しになったんですか?」



「簡単な話しだな。この馬鹿が軽々しく決闘を挑んできて自分で負けたら俺の奴隷になると言ってきたんでな・・その結果というやつだ。」



「ソロでビックベアーを狩れるソウヤさん相手に決闘ですか・・」



フィリアは憐れみの籠もった視線をカインにむけたがすぐに元に戻ると奥の職員の待機室っぽい部屋に入っていった。



「なっ・・!?」



俺が奴隷契約をする事を忘れてなかったのに驚いたのかカインの顔は真っ青になりだした。



「決闘が終わった時に契約はまた後でと言っただろうが・・それとも契約しないですむと思ってたのか?」


「だっだが奴隷は本来身売りするか犯罪奴隷がおもだ!俺はそのどちらにもあたらないのだから契約はおかしい!お前の下働きを奴隷のようにするのだからそれで構わないだろう!?」



おいおいこいつ自分で負けたら奴隷になるとかいいだした癖にいまさらかよ・・


「いや、駄目だな。契約しなければいつ寝首をかかれるか分からんしお前の自由度が高すぎる。どうしても俺達についてきたいなら最低でも奴隷契約はしてなければ駄目だ。」



「ぐぅ・・!くそっ!」



そんなに見つめられたら穴あいちまいそうだな・・ まぁ男にこんな恨みがましい眼で睨まれて嬉しい奴なんざいないだろうが。



「お待たせしました。ソウヤさん、此方のルディーさんが先程言った方です。」


「ルディーです。宜しくお願いします。」



見た感じ三十代の眼鏡をかけた茶髪のおっさんが頭を下げてきた。



「ソウヤだ。悪いけどこの馬鹿の奴隷契約を宜しく頼む。」



「分かりました。では・・」


俺が目線で合図するとおっさんは持ってきていた奴隷契約の首輪を手にカインに近づいていく。



「ちょっまっまってくれ!?」



「なにを待つ事があるんだ?お前は決闘に負けその結果奴隷になる。それに奴隷になってやると自分で言っていたじゃないか・・」



「くそ!!だが俺を王都に一緒に連れていけよ!!」


俺はカインの言葉を無視しその成り行きを見ているとおっさんがカインの首に首輪を付けなにか詠唱すると首元が淡く光だしその光はすぐに収まった。



「では後は主人となる方の血を一滴舐めさせれば契約は完了です。」



おっさんに促された俺は自分の親指の先をショートソードで少し切りカインの頭上に手をもっていった。


「ほらっ口をあけろ・・」


「くそっ!・・・」



嫌々ながらも上を向いたカインの口に俺の血が一滴落ちると先程のように首輪がまた光った。



「これで契約は終了です。奴隷の主人には奴隷の衣食住を与える責任がありますのでお忘れなきようお願いします。」



「ああ分かったありがとう。代金は幾らだ?」



「契約だけなら銀貨二枚になります。」



「それじゃこれな。」



「はい、確かに。それではまたなにかありましたらお尋ね下さい。」



「それじゃあ早速で悪いがこの奴隷売れないか?」



「なぁっ!!?」



俺が発言した瞬間カインの顔が絶望に染まった。

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