領主邸前にて1
短いです。
ザワザワッ。
「おい、あれ・・」
「領主様のところの・・」
俺達四人が街に入った時からやたらと視線が集まってくる。まぁ領主のとこの子供2人まとめて素っ裸の傷だらけで片方は縛られてるしもう一方なんか髪の毛掴んで引きずってるからな。
「さっさと領主のとこいくか・・クレア悪いけど道案内頼めるか?」
「分かった。」
中央広場の噴水前をこえて大きめの家が立ち並ぶ区域に入った。
「あそこが領主様の邸宅よ。」
クレアが指差した先にはこれまでで一番大きいであろう屋敷が見えた。
ゆったりとした足取りで屋敷の方へ向かうと屋敷の前いた門番が此方に気付いたのか走りよってくる。
「おい!貴様!!その方達は領主様の御子息リオル様と妹君セリル様ではないか!!お二人にそのような真似をして命はいらぬのだな!!」
「盗賊をどうしようが捕まえた俺の勝手だ。んな事いいから領主呼んでこい下っぱ!」
気絶しない程度に[覇者の威圧]を発動し門番2人に命令する。
「「なっ!・・」」
俺から放たれた威圧感に信じられないような顔をして頬をひきつらせる門番達。
「きっ貴様は何者だ・・?」
「何者もなにもない。あんたらのいう領主様の子供らに盗賊行為をされたからぶちのめしただけだ。いいからとっとと領主を連れてこい!それともこの場でこいつらぶち殺して首だけおいていこうか?」
「ひぃっ!!」
俺が漏らしたほんの少しの殺気にガクブルのセリル。んなビビるなら最初からやんなきゃ良かったのにな。
「わっ分かった。領主様をお連れする・・。おい!お前ちょっと行って領主様をお連れしてこい!」
下っぱがもう片方の奴に命じると走って領主邸に入っていった。
「なぁ、せめてお二人の治療はさせてもらえんか?」
「お前は盗賊を捕まえたらわざわざ治療してやるのか?んなわけないだろ。」
常識的に考えれば分かることだろうが・・・
こいつらが甘やかしたからこんな馬鹿になったんじゃねぇの?
「くっ・・!」
無駄だとは分かってはいたようでそれ以降は言ってこなくなった。
しばらくすると先程領主を呼びに行った門番と領主らしき男がやってきた。
「おい!貴様か!?儂の息子達を解放しろ!!」
金髪にデップリした腹に団子鼻、まさしく予想通りのクソ貴族だな。
「そっちの下っぱから聞いてないのか?お前の子供は俺達に盗賊行為を働いた犯罪者だ。関所で審議の水晶も使って本当かも確認がとれてる。それを解放しろとはどういう了見だ。」
「貴様ら平民に犯罪行為をしたところで問題はない!さっさと解放しなければ捕らえて死刑にしてやる!」
顔を真っ赤にしてブヒブヒ言ってるクソ貴族・・・ やっぱり蛙の子は蛙ってやつだな。
「それがお前の返答なんだな?・・親子で同じなんてやっぱクズはクズだな。」
「っ!!?」
殺気を膨れあがらせ大気を震わせる。
「もともとこいつらのもとにあんたを呼んだのは目の前で殺してやるためなんだ。予定がくるわなくて良かったよ。予想通りあんたもクズだった。」
掴んでいたリオルを手元に引き寄せショートソードを右手で抜きはなち振りかぶる。
「まずは・・1人。」
「やっやめ!」
ヒュンッ!ズパッ!
ベチャッ!
リオルの頭と胴体が斬りわかれ胴体が崩れ落ちる。
「さて・・妹のほうはどうやって始末しようかな?」
「ぅあぁあぁ!!リオルゥ!!?」
デップリクソ貴族の悲鳴が街に響きわたった。
あ〜うるせぇ。




