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決闘と初奴隷?

噴水前にはすでにカインがいるのが見える。

不機嫌なオーラを撒き散らしているせいか、周りの人達も関わりたくはなさそうな様子だ。



「どうやら俺にやられる覚悟はできたらしいな!」



カインがこちらに気付いたのか話しかけてきた。



「やられるつもりは毛頭ないが・・カイン、お前本気で決闘するつもりか?」



「そうだよ!決闘なんてやめようよ!」



「俺に負けるのが怖いからって中止を促すなんてやっぱり腰抜けなんだな!」


なにを勘違いしたらそうなるのか分からないが、こいつは人の話しを聞くきがないのだろうか?



「そんな事を言ってるんじゃない・・お前、決闘はお互いの命を賭けるものなんだぞ?ここでお前は死ぬ可能性があるという事を分かってるのか?」



「そんな事分かってるさ!お前が死んでそれで終わりなんだからな!」



「カイン・・お願いだからやめて!幼なじみをこんなところで失いたくないわ!」



クレアは俺とカインの力量差を理解している為か必死に止めようとする。



「クレアは俺がそいつに勝てないっていうのか!?馬鹿にするな!!」



クレアに言われて更に激昂したカインは此方を睨み付けながら背中の銅剣を抜きはなった。

周りもその様子に驚き足を止めて俺達を中心に円のようになって此方をみている。



「本当に構わないんだな・・・?」



「さっさと抜け!!」



俺とクレアの説得は意味をなさなかったようで、此方も剣を抜くよう言ってきた。

これは仕方ないよな・・・俺は腰にあるショートソードを一本抜くとカインを見据えて自然体に構える。


「お前が負けたらクレアと別れてこの街から出て行く!それでいいな!?」



「お前が負けた場合はどうするんだ?」



自分が勝った時の条件しか言ってこないので聞いてみる事にする。



「俺が負けた時はお前の奴隷にでもなんでもなってやる!!」



「そうか・・」



別に男の奴隷なんかいらないんだが・・・

まぁこいつの事はあとで考えればいいか。

最早問答は無用といった一触即発の空気が満ちていく。



「行くぞ!!」



カインが銅剣を上段に振り上げ此方に走ってくる。 思った以上に遅いな・・・


ブンッ!!



俺にむかって振り下ろされる銅剣。俺がそれに対して行ったのは剣を持たない左手の人差し指と中指で挟むという荒技。



ビシッ!



「なっ!!?」



全力の一振りを指2本でとめられ、あまりの出来事に驚愕のカイン。



「お前の全力がこの程度ならもう終わらせるが・・・構わないな?」



[覇者の威圧]をほんの少し発動させカインにぶつける。



「ヒッ!!やっやめ・・」


「もう・・遅い。」



左手の指で挟んでいた銅剣を力任せにへし折ると、右手にもつショートソードを一閃!



「ギャアァ!!!」



俺の一撃でカインの左腕が宙を舞う。



「お前は決闘というものを甘く見すぎだ・・・じゃあな・・」



痛みに蹲るカインに右手のショートソードを振り上げる。



「まってぇ!!!もう決着はついたでしょ!?お願いだからカインを殺さないで!」



クレアが俺に向かって必死に頭を下げる。

なんだよ、これじゃ俺が悪者じゃねぇか。



「分かった・・クレアに感謝するんだな。だが約束どうり俺の奴隷になってもらうぞ。」



ショートソードを腰に戻しながらカインに告げる。


「ありがとうソウヤ!カインを殺さないでいてくれて。」



「こんな奴でもクレアの幼なじみだからな・・・気にするな。」



そう言うといまだ喚いているカインのもとに向かい、落ちた左腕を拾うと傷口に押しあて初級回復魔法を左腕にかける。



「俺の回復魔法じゃ完全にはくっつかない、もっと高位の回復魔法が使える奴に早いとこ治療してもらえ。奴隷契約はそのあとで構わない。」



治療を終えると、泣き出したカインを放置してクレアの元に戻る。



「こんなもんでいいか?」


「うん。決闘の結果だもん仕方ないよ。それにソウヤはカインを殺さないでくれた。それで満足しなきゃ。」



少し泣き笑いのクレアを伴ってその場を離れていった。

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