表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
影の航空機━ノベライズ━  作者: 紫 和春


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1/49

第1話 発見

 西暦203Ⅴ年4月。それを発見したのは、最後のISS滞在者であった宇宙飛行士のマーティ・コレクトであった。

 彼はISSを去る数時間前、キャノピーから地球の様子を撮影していた。そしてそれを発見したのである。

 しかし、彼はそれを発見とは見なさなかった。深淵たる海の青に紛れていた上、ドーム状のそれは雲の隙間に紛れていたからだ。

 彼はそのことに気づかずにドームが写ったそれを、SNSへとアップロードした。

 次に発見したのは、SNS中毒に陥っていたヘビーユーザーだ。そこに存在しないはずの物体が、そこに存在している。異常な物体であるドーム状のそれを見たSNSユーザーたちは、まさに創作上にしか存在しない異質な物体に釘付けになったのだ。

 その噂を聞きつけて観察を始めたのがOSINT有志である。世界中にいるパソコンに張り付いている有志たちがその真相を掴むべく、SNSの画像から人工衛星から、あらゆる媒体で観察を開始したのだ。

 そしてそれは見つかった。


「なんだ、これ?」

「どうかしたか?」


 アメリカのとあるオフィスに居を構えるOSINT有志の一人が、それを発見した。


「いや、例のブラックドームを探していたんだが……。チリの沖合に、3000m級の滑走路を持ったデカい島が動いているんだよ……」

「何かの見間違いじゃないか?」

「それはない。ちゃんと確認したんだ。90分前に比べて東の方向に時速30キロくらいで動いているんだ」


 そんなはずはない、と考えた同僚は、持っていたマグカップを置いて画面を睨む。


「……島が動いている?」


 ところ変わって、同時刻のチリ上空。警戒訓練を行っていたチリ空軍のE-3が、レーダーで何かを捉える。


「機長! レーダーに反応あり。方位2-8-0。何かの航空機が接近してきています。数は2、3……、い、いや10以上です! 多数の機影でレーダーが真っ白です!」


 その報告を受けた機長は、冷静に指示を出す。


「該当方向を目視で確認! 異常があればすぐに報告するように」


 副操縦士が双眼鏡を使って、コックピットからその方向を観察する。

 すると、遠くの空でキラリと光るものを見つけた。その光は鈍く、そして重厚であった。

 ほぼ黒に近い機体。その機体を貫くように、一本の白い線が機首から機尾にかけて塗られている。そしてなんと言っても、現代では滅多にお目にかかれない、大量のレシプロ機がそこにはあった。


「該当方向よりレシプロ機多数接近!」

「なんだと!? 目標までの距離は!?」

「約10キロ!」


 機長はすぐさま命令を下す。


「目標をロックしろ、出来る限りだ! どこかの富豪が遊びでやっているかもしれないが、こっちは国家の守護を仕事にしているんだ! 勝手な行動を許すわけには行かない!」


 そして通信士に別の命令を下す。


「国防省に一報を入れろ。場合によっては、戦闘機を寄こしてもらうことになるかもしれん」


 機長のその懸念は的中した。

 E-3とレシプロ機の距離が2キロに縮んだ時である。

 副操縦士が、あるものを目撃したのだ。


「目標、発砲した模様!」


 直後、機体外部から何かが衝突する音が数度した。


「クソッ! 国際問題にするつもりか! 全速力で現空域を離脱! カメラも回せ! 大統領にまで報告を上げさせろ!」


 こうして、人類の脅威は突如として襲ってきた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ