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源頼朝  作者: 本間敏義
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第七話 忍び寄る影

京で義経の名声が高まる中、頼朝は鎌倉で静かに策を巡らせる。


「功を積む者ほど、危険になる」


側近が報告書を差し出す。義経の活躍が、民や武士たちの間で噂になっているという。頼朝はその文字をじっと見つめる。心の奥で弟への兄としての愛情が疼く。しかし、王として鎌倉を守る責務が、それを許さない。


夜の鎌倉、風が庭を揺らす。頼朝は独り佇み、月明かりに影を落とす。計略を練り、情報網を駆使し、義経を抑える準備を進める。胸中には葛藤が渦巻く。弟を憎むわけではない。だが、国家を守るためには、彼の光を封じねばならぬ。


兵士たちは忠実に動き、鎌倉の影は密かに広がる。冷たい計算の裏で、頼朝の心は兄として揺れ動く。孤独な王の夜が静かに更けていく。

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