しっかりしごと!
——黒いスーツが良く似合う男ナンバーワン。
それは、私の事だ(自称)
私の名前は、黒田 士郎
職業は、死神コンサルタント。
寿命が短い人を探している。
さて、今回のお客様はどこにいるだろうか?
緩みかけたネクタイを戻しながら周囲を見渡した。
おや?公園のベンチに座っている若い女性がいるぞ。
彼女に声をかけてみよう。
彼女の前に立ち、お辞儀をした。
「お嬢さん、失礼。少し時間を私に頂けないでしょうか?」
彼女は突然の事で驚いている。
いえ、結構です。と想定内の回答だった。
「確かに驚かれるのも無理がありません。しかし、これからもっと驚く事があなたを待ち受けています。それに比べたら大したことではありませんよ。」
彼女は困惑している。
私を不審者と認識しているようだ。
しかし、私は気にしない。
ちっとも...気にしない。これも想定内だ。
彼女は困惑しながらも口を開いた。
「あ、あの結構ですから。私行きます!」と立ちがった瞬間に、私の方へ足が絡まって倒れてきた。私は咄嗟に受け止めようとしたが、私をすり抜けて彼女は倒れた。
怪我はありませんか?
彼女はとても驚いているようだ。
「透けてる!?」
そうです。透けているのです。
私はこの世の人間ではありません。
あなた以外に私が見える事はできませんよ。
例え霊能力者であってもね。
そんな事より話を聞いてくれませんか??
彼女は少し怯えている様子だが、頷いたベンチに座り直した。
改めて私はお辞儀をした。
私はこういう者です。
名刺を丁寧に彼女へ渡した。
——死神コンサルタント
〜しっかり死後と向き合えるようにお手伝いします〜
彼女は更に困惑している。
「どういうことですか?何故、私に??」
はい。単刀直入に申しますと、逸野 真二香さん、あなたの余命はあと1ヶ月なんです。27歳という若さで病気で亡くなるんです。
だからお声をかけさせて頂きました。
「そう...なんですか...」
信じられないのも無理はありません。
しかし、私に触れなかった事とあなたの情報を聞いても無いのに言える事が何よりも証拠です。
「いえ、例え真実でも嘘でもいいのです。死んでも悔いはありませんから...私に家族はいませんし。友達も恋人もいない....」
....そうですよね。
私も誰ふり構わす声をかけているわけではないのです。
名刺の裏側をみてください。
サポートする対象条件:
①寿命3ヶ月未満のお客様。
②悔いがなさそうなお客様。
あなたは、サポートする対象の条件にぴったりなんですよ。
そして、あなたをサポートする内容をご覧下さい。
サポート内容:
①死後の世界で働き口をコンサル。
②悔いが無い人は天国にも地獄にも行けません。転生する優先順位が遅くなる為、その間に働いてスキルを身につけてもらいます。
次転生した時にスキルが役に立って良い人生が送れるかも!?
斡旋している仕事:
天国か地獄か振り分ける作業員、天国と地獄の入り口までの誘導員、閻魔大王の秘書、神様の秘書、死神コンサルタントなど
どうでしょう?
ご理解頂けそうですか??
彼女は困惑しながらも頷いた。
「は、はい。なんとなくですが...」
そこから私は、しっかり死後と向き合えるように説明をした。
では、逸野さんはどんな仕事をしてみたいですか?
「私は....」
数週間にわたってのコンサル、15回ほどやった面接の練習も無事に終わり、彼女は亡くなった。
閻魔大王の秘書候補になったようだ。
ところで...私の報酬ですか?
——あなたの寿命を、1ヶ月残して45年分いただきました。




