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香る、橙  作者: 真砂木
5/13

5話

"何してるの?"

"グループ発表の資料さがし"

"ふーん、ココに居てもいい?"

"おかえりください"

"塩"

"帰らないで、ココに居て。一生"

"おも"

"居てもいいけど、一時間いちえん"

"安い"

"甘いが出ねえ"

"おれの隣はおまえだけのもの"

"甘ーーい"

"ざぶとん一枚ください"

"二枚あげる"

"ありがとう"

"高梨子は今日は?"

"涼介に会いに"

"ちげー"

"そろそろおいとまします"

"ばいばい"

"しお"

 そこで高梨子が席を立った。紙を持って椅子を元に戻すと涼介に手を振る。

 何しに来たんだ、と思いながら涼介も振り返す。

 しかし、帰るかと思いきやなぜか戻ってきた。また紙にサラサラ何か書く。それを涼介に見せてきた。

"こんど、のみいこ?"

"いーけど、おれ呑めない"

"どっか遊びいこ"

"いーよ"

 涼介の文字に嬉しそうに笑い、今度こそ手を振って去って行った。

 高梨子ってまだ謎なとこあんだよな…、遊ぶなら伊藤と与恵も誘いたい。と思いながら涼介は目の前の本にまた手を伸ばした。


 ◇


 ただいまー、と言いながら靴を脱ぎ、自分の部屋に帰ってきた涼介。

 弟はまだ帰っていないようだ。

 二人になったので、物は増えてはいる。しかし、ひとりの時よりもかなり片付いている。

 涼介は片付けが苦手だ。使ったらまた次使うから、とそのままにしておく。それを繰り返していくうちに、ものが出しっぱなしになる。洗い物も結構貯めてからじゃないと洗う気にならない。


 だが、弟はどうやら違うらしい。同じ血が流れているはずなのに、そこは違う。面白いな、と他人事のように涼介は整頓された部屋を見て思う。


 弟が来ると知っていた初日はなるべくキレイにと心がけてはいた。気を付けてはいたが、やはりだんだん元に戻っていく。


 笑一太がいるのはよほど使っていなかったロフトだ。涼介が普段使っているスペースとほぼ変わらない広さ。

 下は涼介が占領している為早くも散らかり始めていた。


 それに何か小言をいうでもなく、今のところ文句一つ言わずに洗い物や掃除を小まめにしている。涼介はそれが不思議だった。

 しなくてもいい、と言いたいが、なかなかタイミングが合わずにいる。


 ぎこちなくとも、なんとか会話をしよう。これから生活を共にするのだから、と涼介はそう思っていた。


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