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香る、橙  作者: 真砂木
11/12

11話


 「…昨日、は…悪かった」


 涼介は起き抜けに謝られ頭を掻いた。

 朝、起きてトイレを済ませ歯を磨いてる途中、弟に話しかけられた。

 

 「…、ああ。ちゅーした事?」


 「は…そんな事、」


 するか、とでも言いたそうな弟の表情に、涼介は、はてと首を傾げた。


…おぼえてないのに、謝るってどういう事だろ…だめだ、まだ頭回ってない。


 ちょっと待って、と洗面所から追い出した。顔を洗って出直し、ロフトで話し合う。



 「もしかして、…おぼえてない?」


 「所々は、ある。けど…さっき、言ったことは」

 

 覚えてないんだな。


 二日酔いのせいもあってか、顔色もあまり良くない。


 この様子だとおぼえてないのは本当っぽいな…、昨日は説教してやろうと思っていたけど…。

えーた、反省してるっぽいし。


「おぼえてないのに、何で謝ってんの……?」


「昨日あいつが、一緒に来たやつが余計な事言ったりしたのかと…あと…頭、殴っただろ…?だから、」


 と、えいたは昨日涼介が殴った箇所をおさえて言った。


 どこをどうおぼえてんだか…とりあえず…。


「えーたの先輩はお前を送り届けてすぐ帰ったよ。…酔ったお前に関して言えば、酒癖がひどい」


「………」


「酒を呑んでみたい気持ちもわからなくもないけど、呑んだらどうなるか、程度を知る事は大切なんじゃないのか」


 あれ…結局説教してんじゃん、俺


「…そー…だな」


「そもそもお前は未成年で…周りに流されたのか知らないけど、断れないなら俺がそのクニミ?先輩に言うよ、連絡先教えてくれたら」


「それは、関係ないから…いい」


 ………関係ないって、


「次、もし同じ様な事があれば、母さんに報告してお前を引き取ってもらう」


「なんで…。そこまで…嫌かよ」

 「どういう、」

 「だったら、出てく。今すぐ」

 「は?おい、えーた」

 「うっせえ」

 「何がうっせえだ、聞け」

 「俺のことが邪魔なら、そう言えよ…そんな、遠回りなことしてねーで。いつでも出てくから」

 「飛躍しすぎ、落ち着け。俺はお前の事」

 「うざくて嫌いなんだろ?」

 「……、調子に乗んな」

  「は」

 「人の話一つろくに聞けないやつは、嫌いだ。目の前の相手も見えてないんじゃな」

 「……、」

 「頭冷やせ」

 涼介は今、会話するのは無理だと判断して梯子を降りた。


 母さんにも一応知らせとくか…

 気が重いが、役割を少しは果たさないとな…


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