11話
「…昨日、は…悪かった」
涼介は起き抜けに謝られ頭を掻いた。
朝、起きてトイレを済ませ歯を磨いてる途中、弟に話しかけられた。
「…、ああ。ちゅーした事?」
「は…そんな事、」
するか、とでも言いたそうな弟の表情に、涼介は、はてと首を傾げた。
…おぼえてないのに、謝るってどういう事だろ…だめだ、まだ頭回ってない。
ちょっと待って、と洗面所から追い出した。顔を洗って出直し、ロフトで話し合う。
「もしかして、…おぼえてない?」
「所々は、ある。けど…さっき、言ったことは」
覚えてないんだな。
二日酔いのせいもあってか、顔色もあまり良くない。
この様子だとおぼえてないのは本当っぽいな…、昨日は説教してやろうと思っていたけど…。
えーた、反省してるっぽいし。
「おぼえてないのに、何で謝ってんの……?」
「昨日あいつが、一緒に来たやつが余計な事言ったりしたのかと…あと…頭、殴っただろ…?だから、」
と、えいたは昨日涼介が殴った箇所をおさえて言った。
どこをどうおぼえてんだか…とりあえず…。
「えーたの先輩はお前を送り届けてすぐ帰ったよ。…酔ったお前に関して言えば、酒癖がひどい」
「………」
「酒を呑んでみたい気持ちもわからなくもないけど、呑んだらどうなるか、程度を知る事は大切なんじゃないのか」
あれ…結局説教してんじゃん、俺
「…そー…だな」
「そもそもお前は未成年で…周りに流されたのか知らないけど、断れないなら俺がそのクニミ?先輩に言うよ、連絡先教えてくれたら」
「それは、関係ないから…いい」
………関係ないって、
「次、もし同じ様な事があれば、母さんに報告してお前を引き取ってもらう」
「なんで…。そこまで…嫌かよ」
「どういう、」
「だったら、出てく。今すぐ」
「は?おい、えーた」
「うっせえ」
「何がうっせえだ、聞け」
「俺のことが邪魔なら、そう言えよ…そんな、遠回りなことしてねーで。いつでも出てくから」
「飛躍しすぎ、落ち着け。俺はお前の事」
「うざくて嫌いなんだろ?」
「……、調子に乗んな」
「は」
「人の話一つろくに聞けないやつは、嫌いだ。目の前の相手も見えてないんじゃな」
「……、」
「頭冷やせ」
涼介は今、会話するのは無理だと判断して梯子を降りた。
母さんにも一応知らせとくか…
気が重いが、役割を少しは果たさないとな…




