ジャック王子に呼び出されるイブリン
ある日のイブリンはひとりで自室のベッドの上でごろんと横になっている。イブリンはアイラの顔を思い浮かべる。そして、お揃いのネックレスを手に取って眺めるイブリン。
「イブリン様! 大変です! ジャック王子からの呼び出しです!」
「えっ? 急にドアを開けないで!」
イブリンの部屋に勢いよく入って来たのはメイドのひとりだった。
どうやら、メイドの話によれば、あんまり良くない話だとか。
イブリンは急いで準備を始める。ジャック王子からの呼び出し? あんまり良くない話? あ、もしかして、断罪されるのでは? そうイブリンは考えると体が震えてくる。
とにかく、イブリンは冷静に馬車に乗った。お城に向かう。
あんまり良くない話、この乙女ゲームの世界のイブリンは公爵令嬢であり悪役令嬢である。これは断罪以外の話ではなさそう?
イブリンはお城に到着する。案内の大臣らしき人物がイブリンをとある一室まで。その途中でイブリンはこう言われる。
「ははは、イブリン様には衝撃的な話になるかと」
やっぱり。
そうイブリンは確信する。これは断罪されるのでは? 逃げたら、どのみち終了である。
お城の一室に入るイブリン。そこにはジャック王子が立っている。ダメだ、もうおしまい、とイブリンは覚悟する。
「レディー、イブリン? 急に呼び出して申し訳ありません。話を簡単に説明する。男爵令嬢アイラのことを好きなんだけど。どうしたら、いいかな?」
「えっ?」
なんと、ジャック王子がイブリンを呼び出したのは、アイラのことを好きという話だったのだ。てっきり、イブリンは断罪の話かとばっかり考えていた。
「レディー、イブリン? あなたが公爵令嬢であり、アイラは男爵令嬢。身分差を考えると、ここはイブリン、あなたなのだが、どうしてもアイラのことを好きなのだ」
えっ? それで呼び出し? さすがイケメンヘタレ王子ジャックだなぁ? そうイブリンは考える。
それから、イブリンはアイラの幸せを願い、ジャック王子にこう言う。
「わたしはアイラちゃんとジャック様がお似合いだと思っています。わたしはお邪魔しません。わたしは協力したいですが、まずはジャック様から接近されては? わたしは、これにて失礼しますね」
一室を出て、イブリンは胸を撫で下ろす。ああ、てっきり、断罪されるのでは、そうイブリンは考えていた。
それにしても、ジャック王子がヘタレだなぁ、とイブリンは思った。