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心の雪解け

 翌日のイブリンの部屋にアイラがやって来る。もうイブリンは訳がわからないのだ。しばらく無言のイブリンとアイラ、イブリンは心当たりを考える。けれども、何一つ思い浮かばない。


 最初に口を開くのはアイラの方からだった。


「このアクセサリーのネックレスのお揃いは、偽りなのでしょうか?」


「えっ?」


 このアイラの言葉に、イブリンは冷静に考えてみる。確かに、街のお店のアクセサリーのネックレスのお揃いを購入した。それと昨日のツンツンとした雰囲気のアイラとが話が見えてこない。


「イブリン様? 自分はジャック王子から全て聞きました。ジャック王子は確かにイケメン王子ですが、ヘタレなのですよ。自分はジャック王子よりも、イブリン様、あなたのことが好きなのです」


 この言葉に、イブリンはようやく話が見えてきた。


 イブリンは、断罪が怖い。


 でも、イブリンはアイラのことを好きなのだ。自分の気持ちにふたは出来ない。


 あの日の、街へお出かけしたこと。確かに、イブリンはアイラのことを。気付けば、イブリンはアイラを優しく抱きしめていた。


「これが、わたしの答え。アイラちゃん、ごめんね」


「もう離さないで。イブリン様」


 アイラの心の雪解け。


 イブリンはようやく自分の心の気持ちに気付いた。


 二人は、お互いにぎゅっと抱きしめている。

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