追手
牢屋の鍵開けが終わった。
1人で出来るまで、繰り返しやった。
幸い山賊達は起きて来なかったが、外に出ると夜が明け始めていた。
山賊達が気づいて追ってくる前に、町まで行かないと。
マークは、鍵が開くまでずっと見守ってくれていた。流石に多少の疲れがあるみたいだ。
僕は多少ではなく、今直ぐ寝たい。
初めての鍵開けで、緊張と疲労が限界に達している。
そんな中、
「早く行こう。山賊来ちゃうよ。」
元気いっぱいのシェリーが言う。
僕達が鍵開けしている際、端の方で寝息を立てていた。
寝起きが悪いみたいで、いざ牢屋から出ようとして声をかけてみたら、
「まだ寝る〜」
って言ってた。
シェリーに続き、町を目指す事にした。
道中は、休憩を挟みながら歩き続けもう少しで町が見えてくるはずだ。
山賊に拉致された時は、馬に乗せられていたので、ここまで時間は掛からなかった。
町まで後数キロの所まで来た時、後ろから砂埃が見えてきた。
山賊達が気づいて追って来たのだ。
早く逃げないと。
走り出そうとしたら、シェリーに止められた。
なんで?
いい逃げ方があるのかな?
シェリーが笑顔で仁王立ちしている。
「そこの隅で隠れてて。私少し挨拶してくるね。」
「やっぱりそうなるよな。」
呟きながらマークがシェリーを追いかけて行った。
直ぐに山賊達が見えてきた。
相手は5人だった。
お頭風の山賊が近づきながら
「お前達に、町でアジトの場所を報告されると困るんでね。ここで口封じさせてもらうよ。」
山賊達の中には、鑑定士がいるらしく、こちらの職業と、レベルを把握していた。ただスキル能力が低い為、マーク達の能力値までは分からなかったみたいだ。
レベル1の勇者
レベル3の僧侶
レベル3のアーチャー
余裕でら倒せると思っているみたいで、2人が襲ってきた。
そして、お頭の驚愕な表情を見る事になった。
僕も頭が混乱しそうになった。
何しろ、僧侶がナイフを持って1人を倒し、アーチャーが拳だけでもう1人も倒してしまったのだ。
転職者だと言う事を聞いていたが、実際目撃すると頭がおかしくなりそうだ。
お頭が顔を引き攣りながら
「お前ら何した?レベルの低い僧侶とアーチャーだろ?」
「だって、アーチャーになって直ぐだったから、まだ武器も買ってないのよ。それに、こっちの方が今は慣れてるからね。」
シェリーが、笑顔で拳を前に出しながら答えた。
「意味が分からん。お前らやるぞ。」
残りの山賊達3人が纏ってかかってきた。
「ごふっ」
結果は、変わらず。
マークとシェリーの圧勝。
2人共息も切らしていない。
ただ、シェリーが何故か仁王立ちをしてる。
「もうこっちに来ていいよ。」
マークに言われ、僕は近くに行く事にした。
「せっかくだから、この馬達を貰って町までいこうか。」
マークと馬を手懐けていると、僕達を縛ろうとしていたのか、馬には縄が括り付けてあった。
マークが、縄を馬から外すと山賊達を縛り始めた。
後でまた襲われると面倒だから、町に着いたら、役人に報告するらしい。
その後、馬を貰えたので町までは、あっという間に着くことができた。




